Libra(リブラ)プロジェクトのホワイトペーパーに一部変更が加えられ「投資家に支払われる配当金」の項目が削除されていることがジョージタウン大学の法学教授であるChris Brummer(クリス・ブルマー)氏の報告で明らかになりました。
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ホワイトペーパーの一部内容を変更
Libra(リブラ)の運営主体である「Libra協会」は、世界各国の規制当局から求められる要求への対応を続けていますが、ここ最近ではそのような対応の一環として変更が加えれたホワイトペーパーの内容に注目が集まっています。
ジョージタウン大学の法学教授であるChris Brummer(クリス・ブルマー)氏の報告によると、今年6月に公開されたLibraのホワイトペーパーには現在複数の変更が加えられており、その中の1つでは「初期投資家に支払われる配当金」の項目が削除されていると報告されています。
実際に、6月に公開された最初のホワイトペーパーでは『リザーブ資産に付与される利子はシステムの経費をまかなうために使用します。これにより低額の取引手数料を保証し、エコシステム立ち上げのために資金を提供してくれた投資家に配当を支払い、さらなる普及と成長を後押しします。
』と書かれていましたが、現在公開されている日本語版のホワイトペーパーは以下のように修正されています。
リザーブ資産に付与される利子はシステムの経費をまかなうために使用します。これにより低額の取引手数料を保証し、さらなる普及と成長を後押しします。
Libra協会は当初、安定した複数の法定通貨を裏付け資産とする「Libraステーブルコイン」と、出資企業向けの「インベストメント・トークン」という2つの仮想通貨を発行することを計画していましたが、変更後は「インベストメント・トークン」というワードもなくなったとみられています。
「配当金の項目削除」その理由は?
ホワイトペーパーに変更が加えられた理由としては、
1.配当金支払いによる利益相反を避けるため
2.Libraや関連トークンが”証券”として分類されることを避けるため
の2つがあると考えられています。
Libraを支える「リザーブ資産(準備資産)」は安定している必要がありますが、これらの裏付け資産から配当が支払われた場合には、準備金がリスクに晒され、信頼性が低下し、Libraを購入する人が減少する可能性があるとされています。
また、リザーブ資産から配当金が支払われた場合には「Libra」や「その他Libra関連のステーブルコイン」が”証券”として分類される可能性があるため、”そのような懸念に対処するために配当金の項目を削除した”という可能性がもう1つの理由です。
今回の報告では「最終的に、今回の修正内容は実際にはポジティブな影響をもたらすものであり、コイン保有者に深刻なリスクをもたらした構造上の問題を取り除く可能性がある」と結論づけられています。
(参照元:Fintech Policy.org)