自民党の金融調査会長である山本 幸三(やまもと こうぞう)氏が、”デジタル円の発行”について「法律などの整備を考慮した上で2〜3年以内に発行するのが望ましい」と考えていることがロイターの報道で明らかになりました。同氏は「早期に”デジタル円”の発行を求める提言を金融調査会としてまとめ、政府の中間政策方針に盛り込むよう求めていく考えをを示した」と伝えられています。
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Libraなどの「独自通貨普及」を懸念
アベノミクスの仕掛け人としても知られる自民党の山本 幸三(やまもと こうぞう)金融調査会長は、2020年2月10日にロイターのインタビューに応じた際に「早期に”デジタル円”の発行を求める提言を金融調査会としてまとめ、政府の中間政策方針に盛り込むよう求めていく考えをを示した」と伝えられています。
日本では今のところデジタル円を発行する計画などは発表されていませんが、山本会長は『法律などの整備を考慮に入れても2〜3年以内の発行が望ましい』と述べたとされています。
デジタル通貨に関しては「Libra(リブラ)」や「デジタル人民元」などの開発が進められていることを懸念する意見が世界各国から上がっていますが、山本会長も同様の考えを示しており、『デジタルプラットフォーマーの独自通貨が広範に流通すれば、通貨主権が失われ、金融政策も機能しなくなる』と語っています。
デジタル円を発行しないと将来「情報がすべてを握る」という、巨大なプラットフォーマーに対抗できなくなる。(各社のデジタル通貨の)広がりによって(既存の法定)通貨単位まで失うと、通貨主権自体が消えてしまう。
デジタル円発行のメリットも
山本会長はこのほかにも「デジタルプラットフォーマーが顧客の囲い込みを狙って自社のデジタル通貨に他社の通貨との互換性を持たせないと利用者の利便性は低下する」とも指摘しており、既存の法定通貨を”電子通貨”として発行していくことによって簡単に橋渡しを行うことができるとの考えも示しています。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)についてはここ数ヶ月間で日本の動きも活発化してきており、先日7日には甘利 明(あまり あきら)元経済再生相が会長を務めている「ルール形成戦略議員連盟」が提言を公表しています。
CBDC発行に向けた取り組みはすでに複数の中央銀行で進められており、「”デジタル人民元”などの通貨が急速に普及した場合には”米ドル”の立場が揺らぐ可能性がある」といった意見も出ているため、日本国内でも迅速な対策を求める声が多数出ています。このような意見が出ている中で日本政府が今後どのような対応をとっていくかには注目が集まります。