共通仮想通貨で「米ドル依存」に対処|BRICS、新たな決済システムについて協議
ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの5カ国(BRICS)が、各国間での支払いを効率化することなどを目的とした「5カ国共通の支払いシステム構築」について協議していることがロシアの大手ビジネスメディア「RBC」の報道で明らかになりました。この計画では仮想通貨(デジタル通貨)の導入についても議論が行われていると報じられています。
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共通の決済システムで「効率化・安定化」図る
BRICSの5カ国が現在協議を進めているという「共通仮想通貨」の構想は、ロシアの政府系ファンドであるロシア直接投資基金(RDIF)によって提案されたものであり、BRICSのビジネス協議会で議論が行われたと伝えられています。
「RBC」の報道によると、BRICSの評議会は「BRICS内で利用できる単一の決済システム」や「共通仮想通貨(デジタル通貨)の開発」を支持する意思を示したとされています。
この新しい決済システムは、各国の法定通貨を用いた貿易金融などの支払い効率を改善し、外国直接投資の世界的な流入の20%以上を占める、加盟国間の決済と投資の安定性を確保することができると説明されています。
またRDIFのKirill Dmitriev(キリル・ドミトリエフ)総裁は、BRICSで共通の決済システムを持つことによって、マネーロンダリングやテロ資金供与などの犯罪を防止することもできると説明しています。
ドミトリエフ総裁によると、BRICS諸国が"ドル決済"を行う割合を減らしているとのことで、過去5年間で対外貿易におけるドルのシェアは92から50%に低下し、ルーブルのシェアは3から14%に上昇したとされているため、BRICS共通の決済システムが正式に稼働すれば"ドル決済"の割合はさらに低下することになると予想されます。
今回明らかにされた「BRICS内で利用できる単一の決済システム」に関する詳しい情報は明らかにされていませんが、このシステムが実際に立ち上げられた場合には世界経済にも大きな影響を与える可能性があるため、これらの動きには今後も世界中から注目が集まると予想されます。