Microsoft(マイクロソフト)が「身体活動データを使用した仮想通貨システム」と呼ばれる特許技術の開発に取り組んでいることが明らかになりました。2020年3月26日に公開された特許書類には、従来のマイニング機器を使用せずに、脳波・体熱・血流など人体活動を使用して仮想通貨をマイニング(採掘)する方法に関する説明が記されています。
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仮想通貨マイニングに「身体活動データ」を活用
Microsoft(マイクロソフト)の「身体活動データを使用した仮想通貨システム」と題された特許書類には、マイニングマシンを使用するのではなく、”身体の活動”を使用して仮想通貨をマイニングするシステムに関する説明が行われています。同社はこの技術を用いて、新しいタイプのプルーフオブワーク(PoW)を実現することを目指しています。
具体的には『ユーザーが広告を閲覧したり、特定のインターネットサービスを使用したりするなどといった情報またはサービスプロバイダーによって提供されるタスクを実行する際に身体から放出される脳波や体熱はマイニングプロセスに使用することができる』と説明されており、サーバーがユーザーのデバイスに何らかのタスクを与え、その人の活動データが設定された条件を満たした場合にはユーザーに仮想通貨報酬を付与するといった仕組みが解説されています。
この技術では身体活動を検知するためのセンサーが使用されており、検知される身体活動の例としては「人体から放出される放射線・脳活動・血流などの体液流・臓器活動・運動」などが挙げられています。
低い計算エネルギーで高速マイニング
マイクロソフトは『ユーザーの身体活動に基づいて生成されたデータはPoWであるため、従来の仮想通貨システムで必要とされる大量の計算作業の代わりとして使用することができ、ユーザーは無意識のうちに計算困難な問題を解決することができる』と述べており、この技術によってマイニングプロセスの計算エネルギーを低減し、マイニングプロセスをより速くすることができると説明しています。
この特許技術は「コンピュータプロセス・コンピューティングシステム・デバイス・コンピュータプログラム製品・コンピュータ読み取り可能媒体」などの製品として実装されるとのことです。
今回公開された書類では、具体的にどのような仮想通貨でこの技術が採用されるのかには触れられていないため、既存の仮想通貨なのか、Microsoft独自の仮想通貨なのかは不明となっていますが、「体の活動データを使用した仮想通貨システム」という概念は新しいものであるため、マイクロソフトが今後のどのような製品を開発していくのかには注目が集まります。