チリーズ(Chiliz/CHZ)は2020年4月13日、スポーツファンの人々がいち早く試合観戦できるようにするために、新型コロナウイルスに対する免疫情報など記録した「Socios Pass(ソシオスパス)」を発行するアイデアを発表しました。
こちらから読む:BINANCE、BTCオプション取引提供開始「仮想通貨」関連ニュース
Socios Pass(ソシオスパス)とは
チリーズ(Chiliz/CHZ)が発表した「Socios Pass(ソシオスパス)」は、同社が支えているファン投票&報酬アプリ「Socios.com(ソシオスドットコム)」のアカウント情報に紐づけられた個人を識別するための証明書であり、全ての「Socios.com」ユーザーは”Socios Pass”を有していると説明されています。
今回の発表では、この「Socios Pass」に新型コロナウイルスの感染歴と回復歴を記録することによって、スポーツ試合などといった大人数が集まるイベントに参加する際に使用できる”1つの判断基準”として役立てるアイデアが発表されています。
「Socios Pass」に記録される免疫情報は、政府機関やその他の規制機関から発行される”免疫証明書”に基づいてブロックチェーン上に記録される仕組みが採用されているため、情報の信頼性も保つことができると期待されます。
実際に「Socios Pass」を使用する際には、QRコードをスキャンすることによって証明書情報を確認する仕組みが取られており、スタジアム入場前にこれらの情報を確認することによって、試合会場内での感染拡大を防止できると期待されています。
安全対策をとるための「1つのツール」として
「Socios Pass」で新型コロナウイルスの免疫情報を証明するというアイデアは、現時点でコミュニティーや参加クラブなどから肯定的な反応を得ていると報告されています。
ただし、新型コロナウイルスは「回復後に再び感染した」というケースも報告されており、根本的に「検査の精度が完璧ではない」という問題もあるため、”免疫証明”という考え方には批判的な意見も出ており、個人情報保護の観点でも問題視する意見が出ています。
このような意見に対してChilizのCEOであるAlexandre Dreyfus(アレクサンダー・ドレイファス)氏は『私たちは個人情報にアクセスしたいと考えていないし、アクセスしないだろう。ブロックチェーン技術は人々の情報が改ざんされていないことを保証する』と説明しています。
また”免疫証明書”のアイデアに関しては、完璧な解決策ではないがスタジアムで試合を観戦したいファンの人々にとっては他に選択肢がないため、あくまでも”大規模なイベントで安全策を講じるための1つのツール”として考案したということを説明しています。
新型コロナウイルスは現時点で研究が進められている段階であるため「実際に免疫証明書を実用化するかどうか」に関してはこれから議論が行われていくことになると考えられますが、イギリスなどでも「免疫パスポート」を発行する計画などが明かされているため、治療法などが確立してこのような動きが本格化した場合には「Socios Pass」も解決策として広く役立つと期待されます。