野菜や果物、特にバナナやパイナップルなどの生産・販売を行なっていることで知られる食品大手「Dole Food Company(ドール・フード・カンパニー)」は、今後5年間を通じて同社すべての部門にIBMのブロックチェーンソリューション「Food Trust(フードトラスト)」を活用していく計画を明らかにしました。
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ブロックチェーン技術の「活用範囲拡大」を計画
Dole Food Company(ドール・フード・カンパニー)は「IBM Food Trust」の創設メンバーとして2017年からブロックチェーン技術の活用に向けた取り組みを進めており、現時点でも一部の野菜やサラダなどでそれらの技術を活用していましたが、今回の発表では「IBM Food Trust」を2025年までに全ての部門で活用していく計画が明らかにされています。
「IBM Food Trust」は、食品の生産・流通情報をブロックチェーン上に記録することによって、その食品に関わる全ての人々が食品のサプライチェーン情報をスムーズに確認できるようにするソリューションであり、食品の安全性・透明性向上に役立てられています。
また「IBM Food Trust」を採用している食品では、商品のパッケージにQRコードをプリントすることによって、最終的に商品を購入する消費者の人々がスマートフォンなどで商品の生産情報を確認することもできるようになっています。
Doleは『ブロックチェーン技術を活用すれば、食品の安全調査に必要となる平均時間を数週間から”わずか数秒”にまで短縮することができる』と述べており、『ブロックチェーン上に記録された農産物のサプライチェーン情報は即座に追跡することができるため、リコールが発生した場合にも小売業者や消費者からの信頼を得ることができる』としてその利点を強調しています。
また、レポートの中では「最終的に消費者は店内の商品のパッケージをスキャンして、農場から店舗の棚に商品が届くまでの情報を取得できるようになる」とも説明されているため、2025年にはDole関連の食品すべてで情報が確認できるようになると期待されます。
「IBM Food Trust」を活用する企業は続々と増えてきており、早い時期からこの技術を採用していたフランスの大手小売業者「Carrefour(カルフール)」は、フードトラストを活用している製品の売り上げが増加していることも報告しています。