BINANCE(バイナンス)の仮想通貨・ブロックチェーン分析部門である「Binance Research(バイナンス・リサーチ)」は、先月公開したLibra(リブラ)に関するレポートの中で『Libraは決済業界で革新的な存在になる可能性がある』と述べています。
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Libraが「決済分野のSpaceX社」に?
Binance Research(バイナンス・リサーチ)は先月22日に公開した最新のレポートで、ここ最近で計画の一部に複数の変更を加えている「Libraプロジェクト」について改めて説明を行い、プロジェクトの概要や具体的な内容説明、以前からの変更点などについて詳しく解説を行いました。
Libraプロジェクトは2019年の公式発表直後から世界各国の規制当局や政府関係者から多くの批判を受けており、規制面でも特に厳しい監視の目を向けられているため、現在は当初の計画に複数の変更が加えられていますが、「Binance Research」はそのような変更点も考慮した上で『Libraはグローバル決済の分野で革新的な存在になる可能性がある』との見解を示しています。
「Binance Research」は今回のレポートの中で、Elon Musk(イーロン・マスク)氏が設立した民間のロケット・宇宙船開発企業「SpaceX(スペースX)社」を例に挙げて「Libraプロジェクト」を説明しており、『Libraが想定しているグローバル決済システムは、SpaceXが宇宙業界に対して行ったことを決済業界にもたらすものであり、高い参入障壁を持つ確立された分野の基盤を揺るがすものである』と述べています。
2002年に設立されたSpaceX社は巨大な宇宙関連部門に2000年代に進出した民間宇宙ベンチャーの1社ですが、100億円以上のロケットが主流だった時代に約70億円ほどの高性能ロケットを導入したことなどによって急速に成長を遂げており、現在は新興企業にも関わらず商業衛星市場で大きなシェアを獲得しています。
Libraプロジェクトで開発が進められている「グローバルなステーブルコイン」や「各国の法定通貨に対応したステーブルコイン」などは現時点ではまだ正式に発行されていないものの、これらの仮想通貨が正式に利用可能になった場合には世界中の人々が気軽に低コストで資金を移動したり、支払いを行ったりすることができるようになるため、SpaceXの登場で人工衛星打ち上げビジネスに価格破壊が起こったように、Libraの登場で決済関連ビジネスに大きな変化がもたらされる可能性があると考えられます。
『数十億人の人々に力を与えるシンプルでグローバルな決済システムと金融インフラを実現する』という目標を掲げているLibraについて様々な観点から分析を行っている「Binance Research」は『Libraがサードパーティへのオープンアクセスとユーザーフレンドリーなインターフェースの維持の両方を管理できれば、金融包摂への利益は大きなものとなり、最終的には世界の決済業界を再形成する可能性がある』と述べています。
BINANCEも独自開発したブロックチェーン技術を用いてステーブルコインを発行していますが、同社のCEOであるChangpeng Zhao(ジャオ・チャンポン)氏は昨年「Bull.io」のインタビューに答えた際に”多数のユーザーを引き付けるプロジェクトはサポートする”との方針に基づいて『Libraもそれに該当するのであればBINANCEでもサポートする』との考えを語っています。