インド国内で暗号資産(仮想通貨)も含めた幅広い金融サービスを複数の支店とオンラインの両方で提供する「UNICAS」と呼ばれる合弁会社が設立されたことが明らかになりました。「UNICAS」は”暗号資産関連サービスを提供する実店舗を構えた世界初の規制された金融機関である”とされているため、同社のサービスが開始されることによってインド国内で暗号資産がさらに普及することになると期待されています。
仮想通貨も扱う銀行サービス「UNICAS」設立
イギリスを拠点とする暗号資産銀行サービスプロバイダーの「Cashaa(カシャー)」は2020年10月27日に、インドの共同組合信用機関である「United Multistate Credit Co. OperativeSociety」と共に、仮想通貨も含めた幅広い金融サービスを複数の支店とオンラインの両方で提供する「UNICAS」と呼ばれる合弁会社を設立したことを発表しました。
UNICASはインド北部にある22の支店とオンラインの両方で「仮想通貨銀行サービス」と「従来の銀行サービス」を提供する会社であり、UNICASの利用者は以下のようなサービスを利用することができると説明されています。
- 仮想通貨ウォレットで普通預金口座を開設する
- 仮想通貨・金・不動産を担保としたローンを利用する
- 仮想通貨・債券・定期預金に投資する
- 各支店で現金を使用して仮想通貨を購入する
「UNICAS」が取り扱う暗号資産は以下の8種類となっており、2020年12月から北インドにある22の支店とオンラインでサービスを開始し、その後は支店数を100以上にまで増やすことを計画していると報告されています。
・ビットコイン(Bitcoin/BTC)
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・ライトコイン(Litecoin/LTC)
・エックスアールピー(XRP/XRP)
・イオス(Eos/EOS)
・ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)
・バイナンスコイン(BinanceCoin/BNB)
・カシャー(Cashaa/CAS)
最初は「主要地域の1億5,000万人」にサービス提供へ
Cashaa(カシャー)の公式発表によると、「UNICAS」は最初にデリー・グジャラート・ラジャスタンなどの地域に支店を立ち上げてこれらの州に住む1億5,000万人の人々にサービスを提供することを予定しているとされています。
インドでは仮想通貨関連の規制が明確化されていないため仮想通貨関連企業のサービスにも度々影響が出ており、インド国内では仮想通貨の普及に遅れが出ていましたが、「UNICAS」のサービスが正式に開始されることによって、インドで仮想通貨が広く普及する可能性があると期待されています。
「United Multistate Credit Co. OperativeSociety」のトップでありながら「UNICAS」のCEOでもあるDinesh Kukreja氏は『UNICASはユーザーが暗号資産関連商品にアクセスできる物理的な支店を持つ、世界初の規制された金融機関である』と述べており、『インド全体にサービスを拡大することを楽しみにしている』とコメントしています。
私たちはインドの金融サービスの未来に突入しています。インドの伝統的な金融に関する10年の経験と、Cashaaが国際的な銀行業務で培った経験を融合することによって、インドのフィンテック業界・暗号資産業界の両方に大きな変革がもたらされます。
私たちはユーザーが仮想通貨関連製品にアクセスできる物理的な支店を持つ世界で初めての規制された金融機関です。新しい技術にアクセスするチャンスを増やすことによって、2021年までに支店数を100以上にまで拡大し、インドで数千人の熟練した専門家を雇用することを目指しています。
当社の普通預金口座をお持ちの方は、銀行が提供する従来のローンと同様に、暗号資産を担保として使用してローンを組むことも可能です。
「United Multistate Credit Co. OperativeSociety」は2012年から金融サービスを通じてインドに住む何百万人もの人々の生活を改善してきており、都市協同組合銀行と信用協会の頂点に立つ全国レベルの連盟である「NAFCUB」のメンバーでもあると説明されているため、同社と「Cashaa」の合弁会社である「UNICAS」のサービスが開始されることによって10億人以上が住むインドで仮想通貨の利用がさらに活発化すると期待されます。