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ブロックチェーンとAIで「日本マンガの多言語翻訳+収益還元」Gaudiy×Mantra


マンガ・アニメ・ゲーム・アイドルなどいったIP(知的財産)コンテンツのコミュニティサービス事業などを展開しているブロックチェーン企業「株式会社Gaudiy」は2020年11月12日に、「Mantra株式会社」との業務提携を通じて、人工知能(AI)ブロックチェーンを活用した”漫画の多言語翻訳と海外販売を低コストかつ高速に実現するサービス”の共同開発を開始したことを発表しました。このサービスで翻訳された漫画は書籍化・販売された上で、収益の一部は翻訳者に還元される予定となっています。

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マンガの「多言語翻訳・海外販売」をより簡単に

「株式会社Gaudiy」はエンタメ領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているブロックチェーン企業であり、漫画・アニメ・ゲーム・スポーツ・アイドル領域を中心としたIP(知的財産)コンテンツのコミュニティサービス事業を展開しているほか、大手企業とコミュニティ内外で利用可能なソリューションを共同開発しています。

Gaudiyが提供するコミュニティサービス(画像:Gaudiy)

同社は今年10月に週刊少年ジャンプ(集英社)で連載された人気漫画「約束のネバーランド」の”ブロックチェーン技術を活用したコミュニティサービス”の提供を開始していましたが、今回の発表では「Mantra株式会社」との業務提携を通じて人工知能(AI)とブロックチェーンを活用した”漫画の多言語翻訳と海外販売を低コストかつ高速に実現するサービス”の共同開発を開始したことが報告されています。

「Mantra株式会社」はマンガに特化した機械翻訳技術の研究開発やサービス提供を行っているスタートアップ企業であり、マンガの高速な多言語展開を可能にする出版社・マンガの制作・配信事業者を対象にした法人向けクラウドサービス「Mantra Engine」を開発しています。

マンガ専用の多言語翻訳システム「Mantra Engine」の動作画面(画像:Gaudiy)

「株式会社Gaudiy」と「Mantra株式会社」は両社の技術を組み合わせることによって『どんな作品でも即時性の高い多言語翻訳と海外販売が簡単に実現できる仕組みを構築し、日本のIPビジネスのさらなるグローバル成長を後押しする』と説明しています。

共同開発される「新サービス」について

「Gaudiy」と「Mantra」が共同開発するサービスは『マンガAI翻訳技術とトークンエコノミー(コミュニティ)を通して、即時性の高い漫画の多言語翻訳と海外販売までを一貫して実現する』と説明されています。

具体的には「Mantra Engine」を用いて漫画の翻訳を行なった上で、コミュニティによる漫画翻訳の最終的な修正を実施し、最終的に書籍化・販売した後に、販売収益の一部を翻訳者に還元する仕組みをとると報告されています。

「Gaudiy」と「Mantra」が共同開発するサービスの概要(画像:Gaudiy)

「機械翻訳+コミュニティの修正」で精度向上

漫画の翻訳では「有名詞の多さ」や「作品特有の言い回し」などといった通常の翻訳とは違った難しさがあるため、Mantra社が提供する「Mantra Engine」の翻訳制度も30%〜70%程度となっており、現状としては”人力での修正”が欠かせない存在になっているとのことです。

今回両社が開発するサービスでは「Gaudiyが提供するコミュニティを通して、海外ファンが様々な形で翻訳結果の修正に参加・協力できる仕組み」が採用されているため、より正確な漫画翻訳が可能となり、Mantra Engineの精度向上にもつながると説明されています。

翻訳貢献者には「販売収益の一部を還元」

さらにこのサービスでは「漫画翻訳に交換したファンの人々に翻訳された漫画の販売収益の一部が貢献度に応じて分配される仕組み」も採用されているため、翻訳者の参加促進にもつながると期待されます。

まら、それぞれの貢献活動はブロックチェーン上で構築された分散型アイデンティティ(DID)を利用することで異なる企業やサービス間のデータ連携を低コスト高セキュリティで実現するサービス「Gaudiy-DID-System」で提供される個人の貢献スコアにも反映されるため、”対象となる知的財産が提供する他のサービスでもスコアに応じた異なる体験を得ることができるようになる予定”だとされています。

IPビジネスのさらなるグローバル成長に期待

日本が誇るエンタメコンテンツの一つである漫画は、アジア・欧州・米国など海外でも人気が高まっており、海外向け市場も大きく成長していますが、海外翻訳される作品は一部の人気コンテンツに限られており、翻訳の即時性も低く、翻訳される言語も英語を中心とした一部に限定されているため、海外では「海賊版の翻訳漫画」が多く出回っており、日本のIPビジネスとしても大きな機会損失となっていました。

Gaudiyが提供している「知的財産コンテンツのコミュニティサービス」には既に多くの海外ユーザーが参加しており、ブロックチェーン技術を活用した「NFT電子書籍」なども展開されているため、Gaudiyは『海外ファンに電子書籍を直接販売できる』という強みを有しています。

日本の有名な漫画コンテンツのコミュニティを既に展開している「Gaudiy」と「Mantra」が協力して新たな漫画翻訳サービスの提供を開始することによって、日本の漫画コンテンツがより良い形で世界に広がり、IPビジネスがグローバルに発展していくと期待されます。

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