ロシア連邦中央銀行が「ロシアの法定通貨ルーブル(RUB)に価値が連動したステーブルコインの発行」に反対していることが明らかになりました。ロシア連邦中央銀行が正式に「ルーブル連動型ステーブルコインの発行」を禁止した場合には、すでに計画されている複数のステーブルコインプロジェクトにも影響が出ることになると予想されます。
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「ルーブルはロシア連邦が提供する支払い手段」と強調
ロシアのメディアである「Prime」の報道によると、ロシア連邦中央銀行の第一副総裁であるSergei Shvetsov(セルゲイ・シュヴェツォフ)氏は『ロシア連邦中央銀行はルーブルに連動したステーブルコインの発行に反対している』と語ったと報じられています。
同氏は今年10月末に公開された「中国人民銀行法の改正案」で”人民元に連動するステーブルコインの発行・流通を禁止する方針”が記されていたことなどを挙げながら、『ルーブルはロシア連邦が提供する支払い手段である』と強調しています。
中国は人民元のステーブルコインを全面的に禁止しました。私たちも中国と同じような対応をとることになると思います。少なくとも「支払い手段」として位置づけられている全てのものは私たちが規制する予定です。”ルーブルはあくまでもロシア連邦の支払い手段である”という前提に沿って進めていきます。
ロシア連邦中央銀行のElvira Nabiullina(エリヴィラ・ナビウリナ)総裁は、今年10月に同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)にあたる「デジタル・ルーブル」のテストが2021年末までに開始される可能性があることを明かしていましたが、Shvetsov氏は『民間で”ルーブルに価値が連動した暗号資産”が発行されたとしても、それは”デジタル・ルーブル”と同じようなものである』ということを指摘しており、『ルーブルはロシア連邦が提供できる支払い手段である』ということを説明しています。
ルーブル連動型ステーブルコインは「発行不可」に?
最近ではロシア最大の国有銀行である「ロシア貯蓄銀行(ズベルバンク)」がSbercoin(ズベルコイン)と呼ばれる独自通貨の発行を検討していることなども明らかにされており、以前の報道では『ズベルバンクはロシアルーブルに連動したステーブルコインの発行を検討している』ということも報じられていましたが、ロシア連邦中央銀行が正式に”ルーブル連動型ステーブルコインの発行”を禁止した場合にはズベルバンクもルーブルに連動したステーブルコインは発行することができなくなると予想されます。
仮想通貨業界ではすでに様々な国の法定通貨に連動したステーブルコインが発行されており、「Diem(旧:Libra)」のようなステーブルコインプロジェクトも注目を集めていますが、ルーブル連動型ステーブルコインの発行が禁止されれば「ルーブル連動型Diem」も発行することができなくなると考えられます。