イーサリアム(ETH)のステーキングに関する基礎知識や概要を紹介すると共に、実際にETHステーキングを始める複数の方法や簡単な始め方、それぞれの方法のメリット・デメリットなどを初心者向けにわかりやすく解説します。
イーサリアムのステーキングとは?
イーサリアム(ETH)のステーキングとは、Ethereumのネイティブ通貨である「ETH」を一定期間ステーク(保有)して、ブロックチェーンネットワークのセキュリティに貢献することによって、報酬を得ることができる仕組みのことを指します。
ステーキングの仕組みは様々なブロックチェーンで採用されていて、ブロックチェーンによって具体的なステーク方法が異なりますが、イーサリアムではバリデータソフトウェアを有効化するために「32 ETH」をデポジットすることでステーキングに参加することができます。
バリデータとは、ブロックチェーンに記録されるデータが正しいかどうかを検証するノードのことであり、データの保存・トランザクション処理・ブロックチェーンへの新規ブロック追加などの責任を負っています。
バリデータはブロックチェーンの安定稼働における重要な役割を担っているため、ステーキングに参加する人々には「イーサリアムの安全性を維持するのに貢献したことに対する報酬」として、ステーキング報酬が支払われる仕組みとなっています。
ETHのステーキング方法
イーサリアム(ETH)をステーキングする方法は大きく分けて以下の4種類があります。
イーサリアムのネットワークでフルバリデータになるためには「32 ETH」が必要となりますが、上記4種類のステーキング方法が用意されていることによって、少額からもステーキングを始めることができるようになっています。
各ステーキングオプションの概要・特徴・メリット・デメリットは以下の通りです。
ソロステーキング
ソロステーキングとは、インターネットに接続されたイーサリアムノードを自分で用意し、32ETHを預け入れて報酬を得るステーキング方法です。
この方法でステーキングする場合には、少なくとも32ETHを用意して、24時間365日インターネットに接続された専用のコンピュータを用意する必要がありますが、中間マージンを取られずにプロトコルから直接報酬を獲得できるというメリットがあります。
自分でステーキングに必要な環境を用意する方法であるため、ある程度の専門知識と資金力が必要となりますが、他の方法と違って第三者を信頼する必要がなく、プロセスを簡素化する使いやすいツールも用意されています。
【メリット】
- 中間マージンを取られることなくプロトコルから直接報酬を獲得できる
- クライアントとハードウェアを自由に選択できる
- 秘密鍵・引出し鍵を自分で管理できる
- 第三者のサービスなどを信頼する必要がない
【デメリット】
- 最低でも32ETHを用意する必要がある
- 24時間365日インターネットに接続された専用コンピュータを用意する必要がある
- 自分でバリデータノードをセットアップする必要がある
- ノードを適切に運用できるだけの専門知識が必要
ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS)
ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS)とは、一定の手数料を支払うことによって、バリデータの運用をサードパーティのプロバイダーに委任することができるサービスです。
この方法を利用する場合にも最低32ETHを用意する必要がありますが、ノードのセットアップやバリデータの運用・管理が不要で、秘密鍵・引出し鍵を自分で管理できるというメリットも残されています。
ただし、SaaSを利用する場合には手数料を支払う必要があり、信頼できるサービスプロバイダーを選ぶ必要があるため、そのような点には注意が必要です。
【メリット】
- 比較的簡単にステーキングを始めることができる
- ノードのセットアップが不要
- バリデーターの運用・管理が不要
- 秘密鍵・引出し鍵を自分で管理できる
【デメリット】
- 最低でも32ETHを用意する必要がある
- 手数料がかかる
- 信頼できるサービスプロバイダーを選ぶ必要がある
ステーキングプール
ステーキングプールとは、少額のETHしか持っていない場合でもETHステーキングを開始することができる比較的簡単なステーキング方法です。
上記2種類の方法は「最低32ETHを用意しなければならない」というデメリットがありますが、ステーキングプールは少額のETHを保有している人々で協力して32ETHを集める方法を採用しているため、少額からでもステーキングに参加することができます。
Liquid Staking(流動性ステーキング)と呼ばれる代表的なサービスを利用すると、ETHのステーキングで自由に移動可能な代替資産を受け取ることが可能で、ステーキング報酬を獲得しながら代替資産をDeFiで運用できるため、ステーキングのデメリットである機会損失を回避することができます。
ただし、ステーキングプールは第三者機関が構築するソリューションであり、秘密鍵はスマートコントラクトや第三者が管理するため、ハッキングなどで資産が流出する可能性があるなど一定のリスクがあります。
【メリット】
- 任意の金額でステーキングできる
- 比較的簡単にステーキングを開始できる
- 流動性ステーキングで効率的な資産運用が可能
- ノードのセットアップが不要
- バリデーターの運用・管理が不要
【デメリット】
- 第三者のサービス提供者を信頼する必要がある
- 代替資産はETHと比べると流動性が低い
- 代替資産の価値が下落するリスクがある
暗号資産取引所のステーキングサービス
暗号資産取引所のステーキングサービスは、一部の中央集権型取引所で提供されているETHステーキングサービスを利用してステーキングに参加する方法です。
サービス内容は取引所によって違いがありますが、日本国内の暗号資産取引所で提供されているETHステーキングサービスを利用すれば、取引所のアカウントでETHを保有しているだけでステーキング報酬を獲得することができます。
日本国内では「SBI VCトレード」や「ビットポイント」がETHステーキングサービスを提供しています。同取引所のステーキングサービスは特別な申込や手続きが一切不要で、平均保有数量に応じて毎月自動的に報酬を受け取ることが可能となっています。
【メリット】
- 初心者でも簡単にETHステーキングに参加できる
- ETHを保有するだけで自動的に報酬を受け取れる(取引所による)
- 少額のETHでもステーキング報酬を獲得できる
- ノード運用などの専門知識が不要
- 好きな時にそのまま取引所でETHを売却できる
- 日本国内の取引所でも提供されている(SBI VCトレード)
【デメリット】
- 基本的には取引所側から手数料が徴収されるため報酬がやや少ない
- 利用する暗号資産取引所を信頼する必要がある
- ETHネットワークの中央集権化につながる可能性がある
>> SBI VCトレードの詳細はこちら
>> ビットポイントの詳細はこちら
初心者に最適なETHステーキング方法は?
イーサリアム(ETH)のステーキングを始める方法は複数存在しますが「ソロステーキング・SaaS・ステーキングプール」などはある程度の知識が必要となるため、仮想通貨にあまり詳しくない場合は「暗号資産取引所のステーキングサービス」を利用するのが良いと考えられます。
取引所のステーキングサービスを利用する場合は「取引所の口座開設・日本円入金・ETH購入」という簡単3ステップでETHステーキングを始めることができるため、仮想通貨ウォレットの操作などが不安な方などにも安心です。
SBI VCトレードのステーキングサービスでは「購入したETH」に加えて「外部から入金したETH」でもステーキングすることができるため、別の取引所やウォレットなどからETHを入庫した場合でもステーキング報酬を獲得することができます。
同取引所でETHを保有しておけば自動的にステーキング報酬を獲得することができるため、最初はSBI VCトレードでETHを保有して報酬を獲得しつつ、その後の時間で他のステーキング方法について勉強してみるのも良いでしょう。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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