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ソラナ基盤の代表的なDeFiプロジェクトを紹介|特徴・運用方法・注意点も

ソラナ(Solana/SOL)は、その卓越した高速処理能力と低コストでDeFi(分散型金融)の世界において急成長を遂げています。

Raydium(レイディウム)やJupiter(ジュピター)などの代表的なDeFiプロジェクトは、ソラナの強力な技術基盤を活かし、高いパフォーマンスを提供しています。

この記事では、ソラナ上で展開されるDeFiプロトコルの概要や特徴、さらにその運用方法や注意点について初心者にもわかりやすく解説します。

ソラナ(Solana/SOL)のDeFiとは?概要と特徴

ソラナのDeFiについて以下から解説していきます。

ソラナのDeFiとは?

ソラナのDeFi(分散型金融)とは、ソラナをベースに構築されているDeFiプロトコルのことで、ブロックチェーンスマートコントラクトを活用して提供される金融サービスの総称をDeFiと言います。

ソラナ上のDeFiは、主にソラナのブロックチェーンを基盤に構築されており、基本的にソラナ上の各DeFiプロトコルは相互運用性を持っています。

ソラナのDeFiの特徴

ソラナのDeFiの特徴は、パフォーマンスとUX(ユーザー体験)が高い点が挙げられます。

前提として、ソラナは非常に高性能なブロックチェーンで、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンと比較して、大量のトランザクション(取引)を短時間に処理可能です。

ソラナ上のDeFiについても同様の特徴が見られ、素早く取引を処理でき、ガス代(取引手数料)も安くなっています。

DeFiは金融を扱う特性上、特に処理能力やコスト面が重要です。

同じくスマートコントラクトを実装しており、さまざまなDeFiが構築されているイーサリアムと比較して、UX・コスト面で高いパフォーマンスを発揮しています。

ソラナのDeFiと規模

ソラナはローンチ以降、順調にエコシステムを拡大しており、DeFiについても同様の傾向が見られます。

2023年、一時的にソラナのDeFiエコシステムは、ローンチから強力にソラナをサポートしていたFTXの破綻やSOLの価格低下から、TVL(DeFiに預けられている金額)を大きく落としました。

上記の期間を除くと、基本的にソラナのエコシステムは他のブロックチェーンと比較して、相対的に高い成長率を維持している状態です。

DeFiLlamaによると、2024年11月のデータでは82億ドル(約1.3兆円)のTVLを記録し、全体のチェーンの中で2位に位置しています。

同月全体のシェア率のTOP3は、約54.4%がイーサリアム、約7.5%がソラナ、約6.9%がトロンです。

2021年4月のデータではTOP3はイーサリアム、BSC、トロンであり、ソラナのシェア率はわずか1%で6位に位置していました。

上記の点を考慮すると、高い成長率を実現しているチェーンだと言えます。

ソラナ(Solana/SOL)の代表的なDeFi

ソラナの代表的なDeFiプロトコルについて、以下から解説します。

Raydium(レイディウム)

Raydiumは、ソラナの代表的なDEX(分散型取引所)です。

DEXでは、主に仮想通貨の売買を扱います。Raydiumは、DEXの中でもAMM(自動マーケットメイカー)を実装しているイーサリアムにおけるUniswapに近いDEXです。

ソラナにおけるTVLランキングでは3位に位置し、ソラナにおいてもっとも取引量の高いDEXになっています。

また、豊富な流動性と多種多様なトークンが上場していることから、DeFiプロトコルやWEB3関連のサービスでトークンを扱う場合は、Raydiumの流動性が使用されていることも多いです。

Jupiter(ジュピター)

Jupiterは、ソラナベースのDEXアグリゲーターです。

Jupiterは、ソラナ上のさまざまなDEXから有利なレートを見つけて、利用者のスワップ(仮想通貨間の取引)を自動的に行います。

Jupiter自体に流動性はなく、どこでどう取引したら有利なレートで取引ができるかを見つけるサービスです。

また、Jupiterは積極的な開発が行われており、アグリゲーター以外にも指値注文や、デリバティブといった機能を提供しています。

もっともアクティブな開発が行われているDeFiプロトコルの1つで、今後もさまざまな機能・サービスが登場すると見られます。

Pyth Network(ピスネットワーク)

Pyth Networkは、ソラナをベースに開発されているクロスチェーンのオラクルです。

オラクルとは、ブロックチェーンの外にある情報を持ってきて、DeFiなどに提供するサービスを指します。

金融サービスを提供する上で、仮想通貨や資産の価格データは重要なものです。

一方で、ブロックチェーンに直接記録されていないため、透明性と分散性を確保したオラクルの存在はDeFiにとって必須です。

Pyth Networkはソラナをベースに開発されているものの、多種多様な主体にデータを提供しています。

一例として、以下のようなサービス・プロトコルが挙げられます。

前述したJupiterのような主要なソラナベースのDeFiプロトコルから、TradingViewといったDeFiではないサービスにまでデータを提供しています。

Marinade Finance(マリネードファイナンス)

Marinade Financeは、利便性の高い状態でネイティブなステーキングを提供するソリューションです。

ソラナのような高い処理能力を持つPoSチェーンでは、高パフォーマンスなバリデーターへステーキングが集中化しやすい課題を抱えています。

Marinade Financeは、上記の課題を解決するために利回りを損なうことなく、自動的にリバランスしながらステーキングを分散し、バリデーターが利回りを競うマーケットプレイスなども導入しています。

SOL保有者の運用先の1つであるステーキングの最適化を行うサービスです。

Jito(ジト)

Jitoは、ソラナの代表的なLSD(リキッドステーキングデリバティブ)ソリューションです。

LSDは、ステーキングを行った際にステーキング分と同価値のトークンを発行することで、ステーキングで利回りを得ながら、流動性を維持できるサービスのことです。

Jitoを活用することで利回りを得ながら、SOLをDeFiなどで運用することが可能になります。

イーサリアムにおけるLidoにあたるサービスで、Jitoはソラナでもっとも高いTVLを持っています。

Kamino(カミノ)

Kaminoは、流動性周りのさまざまなDeFiサービスを提供しています。

提供しているサービスの一例は以下のとおりです。

もともとは上記のうち、流動性を提供するLPの運用(特に自動化された集中流動性)で注目されました。

現在では、多種多様な運用が可能なDeFiプロトコルになっています。

ソラナ(Solana/SOL)のDeFiで仮想通貨を運用する方法

ソラナのDeFiで仮想通貨を運用する方法について、以下から解説します。

運用方法を考える

まず、DeFiを使用する場合、運用方法から考える必要があります。

前述したとおり、各DeFiプロトコルによって提供しているサービスは異なる上、Jitoのようなプロトコルであれば、複数のプロトコルをまたいで運用が可能です。

運用方法によって、リスクなども異なってくるため、あらかじめ整理しておくことを推奨します。

例えば一般的なリスクとして、AMMに流動性を提供する場合はインパーマネントロス、レンディングを使用する場合は清算などのリスクがあります。

また、同じような運用・サービスを提供しているプロトコルであっても、仕様が異なってくるため、あらかじめドキュメントなどを細かくチェックしておくのがおすすめです。

シンプルにスワップしたいといった場合、Jupiterを使用すれば問題ありません。

SOLと運用資産の購入

仮想通貨とウォレットの準備をしてください。

SOLは、ガス代として必ず必要なため、全く保有していない方はCEX(中央集権型取引所)から購入する必要があります。

ウォレットを作成していない方はPhantomなどで、ソラナ用のウォレットを作成してください。MetaMaskなど、EVM系のウォレットはソラナでは使用できません。

ウォレットを作成したら、SOLをウォレットに送付してください。

次に、Jupiterなどで運用方法ごとに必要な仮想通貨をスワップしていきます。

ウォレットを接続し操作

各DeFiプロトコルにアクセスしたら接続し、各DeFiプロトコルの説明通りに操作して、ウォレットで承認を行うと完了です。

大抵のケースで、ウォレットの接続を求められるので、ウォレットとDeFiプロトコルを接続して、やり取りできるようにしてください。

上記の過程において必ずURLをチェックすることを推奨します。

各SNSやリンクツリーなどを使用して、アクセスしてください。(ただし、偽物のアカウントではないかチェックしてください)

また、大手のDeFiプロトコルやサービスであっても、偽物のサイトが出てくるケースがあることから、WEB検索からアクセスすることは推奨できません。

ソラナ(Solana/SOL)のDeFiの注意点

ソラナのDeFiの注意点について、以下から解説します。

スマートコントラクトなどのバグ

まず、はじめに挙げられる注意点は、スマートコントラクトのバグや脆弱性によるリスクです。

DeFiではスマートコントラクトを使用しており、通常のWEBサービスなどと同様にプログラムベースのため、脆弱性やバグが見つかることがあります。

脆弱性やバグが見つかると、最悪の場合、DeFiプロトコルに預けた資金が盗まれる可能性があります。

基本的に、DeFiの利用ではスマートコントラクトに資金を預けて運用することが多いので、使用しているDeFiプロトコルに欠陥があった場合は、資金が失われる可能性を否定できません。

また、大手のDeFiプロトコルであっても例外ではなく、多額のTVLを集めるDeFiプロトコルにハッキングや、脆弱性が見つかった事例は多数存在します。

複雑な運用に伴うリスクの増大

DeFiでは複数のプロトコルをまたがって複雑な運用を行うことが可能です。

場合によっては大きな利回りを実現できることもあり、魅力の1つになっています。

一方で、上記のような運用はさまざまな面で、リスクを増大させるため注意が必要です。

複雑な運用を行う際、関連するどこかのプロトコルに欠陥や運用上のミスがあった場合、運用資金全体が危険な状態になる可能性があります。

複数のプロトコルを使用して運用を行う場合は、各プロトコルの仕様やリスクを理解したうえで、運用していく必要があります。

詐欺などのリスク

基本的にDeFiは玉石混交となっており、詐欺などのリスクも存在しています。

CEXは透明性が低い一方、当局からの厳しい監視を受けているものもあり、一定の信頼性を持つものも見られます。

一方、DeFiは透明性が高く、利用前にブロックチェーン上の情報をチェックすればリスク・欠陥に気付ける可能性がありますが、検証には知識や労力が必要です。

DeFiの利用に不慣れな場合などは、基本的に取引量・流動性・TVLが上位に位置する代表的なDeFiプロトコルのみ使用するのがおすすめです。

著名なDeFiプロトコルで安全性が100%担保されている訳ではありませんが、小規模なものと比較すると、詐欺などのリスクは低くなります。

ソラナ(Solana/SOL)とDeFiについてまとめ

この記事では、ソラナ上のDeFiについてさまざまな点から解説しました。

ソラナのDeFiは高い成長率を維持しており、ソラナエコシステムの拡大と共に今後も成長していくと見られます。

一方で、リスクなども見られるため、DeFiプロトコルを使用する際は、あらかじめ仕様などを細かく確認しておきましょう。

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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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