韓国の首都ソウルのパク・ウォンスン市長は、ソウル市で利用できる独自の仮想通貨「Sコイン」を開発していることをCoindesk koreaとのインタビューで明らかにしました。Sコインは、ソウルで環境改善活動を行う市民や若者の就職活動の支援などの福祉プログラムの支払い方法として使用できるとのことです。
このほかにもブロックチェーン技術に関する新興企業の発展を支援するための基金を創設することも明らかにしています。
韓国で最もブロックチェーンに積極的な政治家
韓国の有力な政治家の中で、最もブロックチェーン技術に積極的な関心を見せているといわれているパク市長は、ブロックチェーン技術とソウルの今後について、次のように述べています。
「ソウルが4次産業革命を含む情報通信分野で世界をリードする都市なだけに、当然ブロックチェーンのような新技術を研究しなければならないと思う」
「ソウルが運営している公共交通システム体系や青年手当の支給など、ソウルのすべての行政ブロックチェーンが適用可能であると考えている」
独自の仮想通貨「Sコイン」
またパク市長は、ソウル独自の仮想通貨を発行するために必要となる具体的な内容についてもコメントしています。
「Sコインを作るためには、条例等の制度的、法的裏付けの準備する必要がある」
「中央政府のいくつかの規制法令を変えることができるようにしてみたい」
Sコインは、電力/水/ガスを節約する市民に経済的な利点を提供するエコマイレージや、就職活動中の若者たちをサポートするための青年手当、市の資金提供を受けた福祉プログラムなどの支払い方法として使用できるとのことです。
これらの計画は、4月完成予定であるソウルのブロックチェーンマスタープランに盛り込まれる見通しであるとのことです。
ソウルは昨年11月、サムスングループのシステム開発会社であるサムスンSDSにソウルブロックチェーンベース是正革新のための情報化戦略計画(ISP)という、国内政府、公共機関のうち、最初のブロックチェーンの導入のためのロードマップを策定する事業の樹立を任せています。
サムスングループの中核企業であるサムスン電子は昨年、半導体業界トップとなっており、仮想通貨のマイニングに特化した特定用途向け集積回路(ASIC)の開発にも取り組んでいることなどが話題となっています。
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ブロックチェーンの生態系を育成
パク市長はまた、ソウルにおけるブロックチェーンの関連企業などの育成を計画していることも明らかにしています。
「ブロックチェーン企業に会ったことがありますが、私たちの企業が複数の規制のために、光を見失っているものであり、実際の技術はどの国に劣らず、すでに発展していると言っていた」
「ブロックチェーンの技術を持つメーカーや新た技術を発展させようとするスタートアップが集積することができるクラスタを作成すること、またこれらが適切に技術を発展させ、全世界に広がることができるファンド造成などを計画している」
韓国政府の規制方針について
仮想通貨に対する韓国政府の厳しい規制方針については、次のようにコメントしています。
「前回の法務部で規制措置を発表しすばらしい抵抗があったし、政府も深く考えるきっかけになったようだ」
「(新技術を)素早く適用して、まずは事例とモデルを作成することが地方政府が行うことではないかと思う」
「ソウル政府が一定の規制を緩めることができれば、これらのモデルを追求することがより容易になる可能性がある」
(引用元:coindeskkorea.com)
仮想通貨の普及が進む韓国
韓国は、仮想通貨に関連するサービスが導入されはじめています。仮想通貨取引所Bithumbは無人情報案内システムを提供するほか、BitPayとの提携による国際送金サービスなども提供しています。
また先日には中国の大手仮想通貨取引所Huobiが韓国に子会社を設立することを発表しています。
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