ブロックチェーン技術の専門企業である「コンセンサス・ベイス株式会社」は2021年3月30日に、メタバース(*1)における3Dアバターに特化したNFT売買プラットフォーム「AvatarSystem(仮)」のクローズドアルファ版を開発したことを発表しました。このプラットフォームの著作権・ロイヤリティ管理のコントラクトの開発には「ソフトバンク株式会社」が協力しています。
(*1)メタバース:インターネット上に構築された仮想の三次元空間のこと。多人数が参加可能で、参加者は仮想空間内を自由に行動でき、他の参加者とのコミュニケーションやさまざまなコンテンツを楽しむこともできる。
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「3Dアバター特化型NFT売買プラットフォーム」を開発
コンセンサス・ベイス株式会社は2021年3月30日に、メタバースにおける3Dアバターに特化したNFT売買プラットフォーム「AvatarSystem(仮)」のクローズドアルファ版を開発したことを発表しました。
同社はこのプラットフォームを通じて「3Dデータを活用したNFTを発行したい企業」や「3Dアバターを自社のメタバースで表示させたい企業」にクローズドなサイトを提供し、システム提供や技術提供による開発支援などをおこなっていく予定だと説明しています。
なお「AvatarSystem(仮)」のクローズドアルファ版の著作権・ロイヤリティ管理のコントラクトの開発には「ソフトバンク株式会社」が協力しているとのことです。
AvatarSystem(仮)とは
AvatarSystem(仮)は、インターネット上に構築された仮想の三次元空間である「メタバース」における3Dアバターをブロックチェーン技術を活用した「Non-Fungible Token(NFT)」として発行することによって、様々なプラットフォームで相互利用できるようにする3Dアバターに特化したNFT売買プラットフォームとされています。
このプラットフォームは「仮想現実(VR)・拡張現実(AR)・ゲーム・SNS・マーケット・ウォレット」などといった異なるアプリケーションやブロックチェーンを跨いでNFTの世界を繋げることによって「トークンエコシステム」を構築し、3DアバターのNFTに経済的価値を創造してメタバース上で独自の経済圏が築かれることを促進する狙いがあると説明されています。
また、アセットの保有者や著作権の情報をブロックチェーンで管理することによって「クリエイターの権利を保護すること」や「アバターやアイテムなどのアセットを制作したクリエイターが2次流通市場におけるアセット取引時に一定の収益分配を受けること」も可能になるとされています。
AvatarSystem(仮)の機能・動作について
「クローズドアルファ版のAvatarSystem(仮)で利用可能な機能」「Ethereumネットワークに配置されたスマートコントラクトで可能な動作」としては以下のようなものが挙げられています。
【利用可能な機能】
- IP企業、クリエイターによる3Dアバターのアップロード (VRM形式)
- 3Dアバターの販売
- 3Dアバターの購入
- EthereumネットワークへのNFT(ERC721)の出庫
- メタバースへのVRM形式のアバターのアップロード
- 2次流通時の権利者への利益分配
【可能な動作】
- 3Dアバターの権利をNFTとして管理
- 3DアバターNFTのユーザー間での売買
- ユーザー間でアセットの取引時にアセットのクリエイターに対しても利益の一部を分配(EIP-2981)
NFT関連の豊富な知見をベースに開発
2015年に創業した国内初のブロックチェーン技術専門企業である「コンセンサス・ベイス」は、トレーディングカードなどの知財をデジタル資産としてブロックチェーン上に登録して販売できるデジタル資産流通プラットフォーム「CryptoCards(β版)」を2018年にリリースしているほか、ゲーム資産やトレーディングカードをNFTとして手軽に発行・管理できるプラットフォーム「KARUTA」や、NFTを使ったカード販売システムを開発しています。
このようにNFT黎明期からNFTを用いたシステムの開発をおこなってきた実績を持つ同社は、これらの知見とコードをベースとして今回発表された「AvatarSystem(仮)」の開発をおこなっているとのとです。
「コンセンサス・ベイス」と「ソフトバンク」は、2018年にMR(複合現実)空間におけるブロックチェーンを使った送金の実装の実証実験や開発で協力した他、2020年7月からはブロックチェーンを用いた3DアバターのNFTによる著作権・ロイヤリティ管理等の権利管理の実証実験や開発で協力しており、今回発表された「AvatarSystem(仮)」の開発では、ソフトバンクがERC721をベースにした著作権・ロイヤリティ管理のコントラクトに関する開発をおこなっていると説明されています。