イーサリアム(Ethereum/ETH)の主要なノード運用ソフトウェアである「Go Ethereum(Geth)」の古いバージョンでバグが見つかり、アップデートを行わなかったノードが存在したことによって、イーサリアムブロックチェーンのノードの半分以上に影響が及ぼされていることが明らかになりました。影響を受けたノードはメインネットから分岐してしまう懸念があるため、開発者からは『Geth v1.10.7以前のソフトウェアを実行している場合は早急にノードをアップデートする必要がある』との警告が発せられています。
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Gethの古いバージョンでバグが発覚
イーサリアム(Ethereum/ETH)の主要なノード運用ソフトウェアである「Go Ethereum(Geth)」の古いバージョンでバグが見つかり、アップデートを行わなかったノードが存在したことによって、イーサリアムブロックチェーンのノードの半分以上に影響が及ぼされていることが明らかになりました。
Go Ethereum(Geth)はイーサリアムのメインネットで最も利用されているクライアントソフトであり、このクライアントソフトを利用することによって「マイニング・資金移動・スマートコントラクト・ブロック履歴の表示」などといった様々な操作が可能となっています。
Gethは2021年8月12日「Geth v1.10.7」をリリースした後、19日に『セキュリティ上極めて深刻な問題が確認されたため、24日に新たなバージョンをリリースする』と発表し、24日には予定通り新しいバージョンをリリースしていましたが、新しいバージョンへのアップデートが一部のノードで行われていなかったため、チェーンが分岐する問題に発展したと報告されています。
「早急にノードのアップデートが必要」と警告
イーサリアムのソフトウェア開発者であるMarius Van Der Wijden(モーリス・ヴァン・デル・ヴァーデン)氏によると、今回の分岐は未知の個人またはグループがGethの旧バージョンに影響を与える脆弱性を悪用したことによって発生したとのことで、『Geth v1.10.7以前のソフトウェアを実行しているGethクライアントとイーサリアムノードはネットワークから分離されるリスクがあるため、v1.10.7以前のソフトウェアを実行している場合は早急にノードをアップデートする必要がある』と説明されています。
「Ethernodes.org」のデータによると、現在はイーサリアムノードの74.6%が「Geth」を実行しているとのことで、その中でも「Geth v1.10.8を実行しているのは36.4%」「Geth v1.10.9を実行しているのは1.62%」とされているため、Gethを実行しているノードの約62%がv1.10.7以前のソフトウェアを実行しているということになります。
複数の報道では『ネットワークへの影響はほとんどないと見られる』と報じられているもの、今回の事象を受けて日本国内でも多くの暗号資産取引所が「ETH関連銘柄の入出金一時停止」を発表しており、現在も一部の取引所で入出金停止の状態が続いています。
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2021年8月28日|イーサリアム(ETH)の価格
イーサリアム(Ethereum/ETH)の入出金などには影響が出ているものの、ETH価格への影響は今のところ確認されていません。ETHの価格は先月21日に20万円付近まで下落したものの、その後は徐々に回復してきており、2021年8月28日時点では「1ETH=356,343円」で取引されています。