イーサリアム(ETH)関連の仮想通貨を保管することができるウォレット「MetaMask(メタマスク)」の機関投資家向け部門である「MetaMask Institutional」が、機関投資家の分散型金融(DeFi)利用を促進することを目的として主要なカストディアンである「BitGo・Qredo・Cactus Custody」の3社と提携したことが明らかになりました。
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「BitGo・Qredo・Cactus Custody」と提携
イーサリアム関連のソフトウェア開発を行なっている「ConsenSys(コンセンシス)」は2021年10月5日に、仮想通貨ウォレット「MetaMask(メタマスク)」の機関投資家向け部門である「MetaMask Institutional」が機関投資家の分散型金融(DeFi)利用を促進することを目的として主要なカストディアンである「BitGo・Qredo・Cactus Custody」の3社と提携したことを発表しました。
MetaMask Institutional(MMI)は2020年12月にローンチされた機関投資家向けサービスであり、DeFiへのエクスポージャーを増やそうとしている主要な仮想通貨ファンド・マーケットメーカー・トレーディングデスクに対応しています。しかし、そのような組織には高度なセキュリティ・運用効率・コンプライアンス要件が必要となるため、その問題を解決するために今回の提携が行われたと報告されています。
なお、今回提携した3社は仮想通貨のカストディサービスを提供している大手企業であり、公式発表ではそれぞれの会社について以下のような説明が行われています。
【BitGo(ビットゴー)】
BitGo(ビットゴー)は2013年に設立されたマルチシグネチャーウォレットの先駆者であり、機関投資家向けサービスに特化した最初のデジタル資産企業。400億ドル以上の資産を預かっているカストディ・セキュリティソリューションのグローバルリーダーであるBitGoは、オンチェーンで取引されるビットコインの約20%を保護しており、400以上のデジタル資産をサポートしている。また、BitGoは多くの規制対象企業や世界トップレベルの暗号通貨取引所・プラットフォームを含む、50カ国の500以上の機関投資家にセキュリティと運用のバックボーンを提供している。
【Qredo(クレドー)】
Qredo(クレドー)は、秘密鍵にまつわる運用リスクを排除する先進的な暗号技術である「Multi-Party Computation(MPC)」によって保護された分散型の仮想通貨カストディサービスを提供している企業。Qredoは、小規模な仮想通貨ファンドからグローバルな資産運用会社まで、DeFiイールドファーミングに積極的な機関をサポートしている。また、レイヤー2ブロックチェーンにより、クロスチェーン取引や流動性の機会を提供する成長中のエコシステムへのシームレスで低コストなアクセスを可能にしている。
【Cactus Custody(カクタス・カストディ)】
Cactus Custody(カクタス・カストディ)は100億ドル以上の資産を保管している香港拠点の信託会社。Cactus Custodyは、アジアで最も急成長しているデジタル資産金融サービスプラットフォーム「Matrixport」が提供する第三者機関によるカストディサービスであり、コールド/ホットウォレット・企業向けの仮想通貨管理機能・DeFi接続機能をマイナー・企業・ファンド・プロジェクト向けに提供している。
これらの企業との提携によって、MMIのサービスを利用する機関はDeFiやWeb3にアクセスする際に主要なカストディソリューションを利用できるようになるとのことで、複数のカストディアンと提携することによって、様々な機関のニーズに対応したソリューションを提供できるようになると報告されています。
なお、MMIは今後も各機関の多様なニーズに対応していくことを予定しているとのことで、近い将来には新たなカストディアンとの提携も発表される予定だと報告されています。