経済産業省がブロックチェーン技術を用いて発行される代替不可能なトークンである「ノンファンジブルトークン(Non-Fungible Token/NFT)」の技術を活用した初めての実証実験に乗り出すことが「NHK」の報道で明らかになりました。
経済産業省「NFT活用した初の実証実験」を予定
経済産業省がブロックチェーン技術を用いて発行される代替不可能なトークンである「ノンファンジブルトークン(Non-Fungible Token/NFT)」の技術を活用した初めての実証実験に乗り出すことが「NHK」の報道で明らかになりました。
ノンファンジブルトークン(Non-Fungible Token/NFT)とは、非代替性トークンとも呼ばれるブロックチェーン技術を用いた技術の1つであり、改ざんが極めて困難なブロックチェーン上にデータを記録することによって対象となる商品やコンテンツが”唯一無二の本物の商品”であることを保証することができる「デジタル証明書」のような技術となっています。
NFTの技術を活用すると、デジタルアート・写真・動画・ゲーム内アイテム・アバターなどといった様々なコンテンツが本物であることを証明して各コンテンツに価値をつけることができる他、デジタルではない物理的な作品・商品・コンテンツなどにもデジタル証明書を付属させることができるため、ここ最近では世界中の様々な大手企業・ブランドなどでもNFTの技術が活用され始めており、米国のIT大手「Meta(Facebook)」が注力していく方針を発表したことでも注目を集めているメタバース(仮想空間)の世界のコンテンツの多くにもNFTの技術が採用されています。
2022年2月頃からファッション分野でNFT活用
経済産業省は2022年2月頃から「ファッション分野」でNFTの実証実験を行うことを予定しているとのことで、具体的にはデザイナーが製作した1点ものの洋服にNFTを紐づけて3DCGでデータ化すると報告されています。
このNFT付きの洋服は展示会での販売が行われる他、洋服の3DCGはメタバースのアバターとして使用することもできるとのことで、自分の写真に合成したデータも合わせて販売すると報告されています。
この洋服はデジタル空間で転売されてもブロックチェーン上で取引履歴を管理することができるようになっており、『作品が転売された場合などに収益の一部がデザイナーに還元される仕組みを作りたい』との考えがあるとのことです。
NFTを活用したデジタルファッションの販売は海外で既に始まっているため、今回の実証実験を通じて日本がNFT分野で出遅れることがないようにし、国としてできる環境整備を急ぐ狙いがあるとされています。
なお、この実証実験は『すでにアートの分野でNFTの技術を使ったサービスを提供しているスタートアップ企業に委託して行われる』と報告されていますが、今回の報道では具体的な企業名は明かされていません。