中国で提供されている中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル人民元(e-CNY)」のアプリで最新のアップデートが実施され、中国で「紅包」と呼ばれるご祝儀・お年玉の送受信機能が追加されたことが「South China Morning Post」などの報道で明らかになりました。
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CBDCアプリに「お年玉・ご祝儀の送受信機能」追加
中国では同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)にあたる「デジタル人民元(e-CNY)」のテストが続けられており、現在は北京や深センなど約20の地域で「デジタル人民元のアプリ」が使用可能となっていますが、最近実施されたe-CNYアプリのアップデートによって「紅包」と呼ばれるご祝儀・お年玉の送受信機能が追加されたことが明らかになりました。
紅包(ホンバオ)とは、赤い封筒などにお金を入れて贈られる金銭的な贈り物のことであり、旧正月・結婚式・卒業式・誕生日などといったお祝い事があった際に贈られるご祝儀・お年玉のようなものとなっています。
中国では「Alipay」や「WeChat Pay」などの決済アプリでも紅包の機能が提供されていますが、今回は新たに「e-CNYアプリ」でも紅包機能が提供され始めたことが報告されています。
中国人民銀行の報告によると、デジタル人民元の取引量は2022年10月10日時点で1,000億元(約1兆9,000億円)に達したとのことですが、2021年末時点の取引量は876億元(約1兆6,800億円)で14%程度の増加であるため、2021年6月〜12月の半年間で記録された154%の増加に比べると成長率が下がっているとの指摘も出ています。
昨年に比べると今年のデジタル人民元取引量はそれほど増加していないようですが、今回新たに「紅包」の機能が追加されたことによって、来年はデジタル人民元取引量がさらに増加する可能性もあると見られています。