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スペインのリハビリ施設「仮想通貨取引依存症」の治療サービスを提供


スペインの高級リハビリセンターである「The Balance」が仮想通貨取引依存症の治療を目的としたサービスを追加したことが「BBC」の報道で明らかになりました。同サービスを利用した1人の仮想通貨トレーダーは75,000ドル(約992万円)以上の治療費を支払って治療を受けたとのことで、この人物は結果的に『一連の治療が仮想通貨から離れるのに役立った』と話しているとも伝えられています。

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仮想通貨依存から離れるための支援を提供

スペインの高級リハビリセンターである「The Balance」は、仮想通貨取引依存症の治療を目的としたサービスを追加したと伝えられています。The Balanceはスイスで設立されたウェルネスセンターであり、スペインのマヨルカ島にメインとなるリハビリ施設を構えている他、ロンドンとチューリッヒにも支店を構えていると報告されています。

The Balanceは元々「薬物・アルコール・摂食障害」などといった他の依存症の治療を行っていたとのことですが、BBCの報道によると最近では「仮想通貨取引依存症」を治療するためのサービスも提供し始めたとのことです。

この治療を受けた1人は毎週20万ドル(約2,647万円)を仮想通貨取引に注ぎ込んでいたとのことで、早朝から「仮想通貨の価格」と「ポートフォリオの残高」を確認していて、長距離フライトの際にはインターネットに接続できないことによって汗だくになっていたとも報告されています。

この患者は2022年半ばに仮想通貨市場が本格的な下落サイクルに突入した際に「助けを求めること」を決断したとのことで、スペインのマヨルカ島にあるリハビリ施設に4週間滞在する形で治療が行われたと伝えられています。

具体的には専属執事やシェフを雇いながらプライベート・ヴィラに住む形で「セラピー・マッサージ・ヨガ・サイクリング」などを含めた治療が行われたとのことで、治療費は75,000ドル(約992万円)以上にのぼったものの、結果的にこの患者は『一連の治療が仮想通貨から離れるのに役立った』と話しているとも伝えられています。

仮想通貨依存症は「ギャンブル依存」と同じ?

仮想通貨取引依存症で治療を求める人はこの他にも多数存在するとのことで、別の病院では仮想通貨関連の問題を抱える患者が100人以上存在するとも報じられていますが、BBCは今回の報道の中で「依存症の専門家は”仮想通貨取引依存症の改善にかかるコストが正当化されるかどうか”については懐疑的な意見を述べている」とも報じています。

スタンフォード大学の精神医学教授であるAnna Lembke氏は『仮想通貨依存症の治療は他の中毒の治療に似ている』と語っているとのことで、仮想通貨依存症は生物心理社会的な病気であるため、生物心理社会的な介入が必要で、場合によっては薬物療法・個人およびグループ心理療法・習慣や環境の変更・より健康的な代替活動の実施が必要となるものの、『これはギャンブルと同じであるため、そのように扱われるべきである』と述べていると伝えられています。

Anna Lembke氏は、仮想通貨取引依存症の治療は「禁酒と離脱症状の管理」といった他の中毒症状の治療と同様の治療から始めるべきだと述べており、少なくとも4週間は仮想通貨を取引したり閲覧したりしないようにして、脳に報酬経路をリセットする機会を与えることが効果的だと説明しています。

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