仮想通貨のハードウェアウォレットを展開しているTrezor(トレザー)は2023年4月19日に、ビットコイン取引の追跡を困難にしてプライバシーを強化する新機能「CoinJoin」を導入したことを発表しました。
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BTC利用者のプライバシー保護機能を強化
Trezor(トレザー)は2023年4月19日に、プライバシーを重視したオープンソースの自己管理型ウォレットを展開している「Wasabi Wallet」との提携を通じて、ビットコイン取引の追跡を困難にする『CoinJoin』と呼ばれる新機能を導入したことを発表しました。
CoinJoinとは、複数のユーザーの取引を一つのトランザクションにまとめることによって送金経路を分かりにくくする手法のことであり、ビットコイン取引をオンラインで匿名化できる技術として知られています。
Trezorは公式発表の中で『ビットコインはデフォルトでは匿名ではないため、プライバシー保護のための適切なツールをしなければ、自分のBTC保有量やこれまでの送金履歴が簡単に外部に漏れてしまう』と述べており、『CoinJoin機能を使用すればビットコインから個人情報を取り除くことができ、プライバシーを保護することができる』と説明しています。
CoinJoin機能は、現在Trezorが提供しているハードウェアウォレット「Trezor Model T」で利用することが可能で、今後数ヶ月以内には「Trezor Model One」でも利用できるようになると説明されています。
Trezorの詳細などはこちら
CoinJoin機能の利用方法
CoinJoin機能を利用するための前準備
「Trezor Model T」を利用している場合は、ハードウェアウォレットとポートフォリオを一括管理することができるTrezorの専用ツール「Trezor Suite」にデバイスを接続して、各種アップデートを行うことによってこのCoinJoin機能を利用することができます。
「Trezor Model T」でCoinJoin機能を利用できるようにするための手順は以下の通りです。
- 「Trezor Suite」を最新版(v23.4.2)にアップデート
- 「Trezor Model T」をパソコンに接続
- 画面上部の「今すぐアップデート」から新しいTrezorファームウェア「Universal 1.12.1」をインストール
CoinJoin用のアカウントを作成する
「Trezor Suite」と「Trezor Model T」を最新版にアップデートしたら、CoinJoin用のビットコインアカウントを作成する必要があります。CoinJoin用アカウントの作成方法は以下の通りです。
- 「アカウント」のタブに移動して画面左の「アカウント追加(+)」をクリック
- コイン選択画面で「ビットコイン」をクリック
- アカウントタイプの中から「Coinjoin」を選択して「アカウントを追加」をクリック
- Torを有効にしていない場合は指示に従って「Tor」を有効化
- 支持に従ってデバイス側で確認
Tor機能の詳細はこちら
CoinJoin機能を利用する際の注意点
Coinjoin機能を利用する場合、Coinjoinのアカウントにビットコインを送信してスタートボタンを押せば、ビットコインの一部または全てを非公開にすることができますが、Coinjoinを有効にするには匿名情報通信システムの「Tor(トーア)」を有効にする必要があります。
Torを利用することによって自分のIPアドレスを隠すことができますが「通信に時間がかかる」という点には注意が必要です。Trezorの公式発表では『デフォルト設定を使用すると、Coinjoinのプロセス全体が完了するまでに平均で数分〜数時間かかる場合がある』と説明されています。
CoinJoinの処理には数分〜数時間かかる可能性があるものの、設定が完了すると他のビットコインアカウントと同様に使用することができるとのことです。
また、CoinJoinアカウントの推奨最小額は「0.01BTC」とされており、『CoinJoinは0.1BTC〜1BTCの金額で最適に機能する』とも説明されています。CoinJoinを利用する場合には「0.3%のサービス手数料」に加えて「マイニング手数料」も徴収されるため、少額送金には適していないと説明されています。
Trezorはビットコイン関連の機能拡充を続けており、2022年11月にはユーザー間で仮想通貨を直接取引することができるP2P取引プラットフォーム「Hodl Hodl」との連携によって、”ビットコインのP2P取引”が可能になったことも発表されています。