「価格競争を制限して手数料を引き上げている」と批判
暗号資産やブロックチェーン技術を活用した「Zeus」や「Damus」などのアプリをApp Storeから排除しているApple社が、独占禁止法違反の疑いで提訴されたことが明らかになりました。
今回の訴状を提出したのは決済アプリである「Venmo」や「Cash App」のユーザー4人で、2023年11月17日にカリフォルニア州の連邦裁判所に訴状が提出されています。
原告側は「Apple社はVenmoやCash Appの運営企業(PayPalやBlock)やGoogleとの間で市場競争に反する協定を結んで、P2P決済アプリに分散型暗号資産技術を組み込むことを禁止し、市場全体で機能競争や価格競争が起きないように制限している」と主張しています。
暗号資産のような個人間で直接送金できる技術を活用すれば、世界中のユーザー間で素早く安い手数料で送金することが可能になりますが、原告側は「Apple社はそのような技術を活用したアプリを意図的に排除して市場を独占し、価格競争が起きない環境で自社サービスの手数料を引き上げている」と批判しています。
このように主張する原告側は「Apple社が課す制限がなければ、新規参入者や競合他社は、ブロックチェーンや暗号資産を活用した高速かつ低コストなP2P決済機能を導入することができる」と主張しており、機能・価格面での競争が可能になれば一部企業の独占によって生じていた長年の問題が軽減される可能性があると説明しています。
今回の訴訟は「米国の独占禁止法に違反するApple社の行動によって生じた高額な手数料の回収」を求めるもので、「Apple社がiOSのP2P決済市場で競合他社を不利にするような協定を締結すること禁じる裁判所命令」も求められています。
Apple社に対する仮想通貨業界からの批判は以前から出ており、過去には「iOSアプリにおけるNFT販売で30%の手数料が課される」という点に対しても批判の声が多くあがっています。
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(提出資料)