複数のステーブルコインを展開していることで知られるPaxos(パクソス)は2024年7月11日に、米国証券取引委員会(SEC)がパクソスに対して行っていたBinance USD(BUSD)に関する調査を終了して「BUSDに関してはパクソスに執行措置を行わない」との決断を下したことを発表しました。
バイナンスUSD(Binance USD/BUSD)は、パクソスが発行するバイナンスブランドの米ドル連動ステーブルコインであり、昨年2月には米SECが「BUSDは未登録証券に該当する」と主張してパクソスに警告を発したことが報告されていました。
この時にはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)からBUSDの新規発行停止命令も出ていたため、BINANCEでは「BUSDのをサポートを終了する措置」も取られていましたが、今回の発表ではBUSDに関する調査でパクソスが米SECに勝利したということが報告されています。
規制対象のブロックチェーン&トークン化インフラプラットフォームのリーディングカンパニーであるパクソスは本日、2024年7月9日にSECから「バイナンスUSD(BUSD)の調査においてパクソス・トラスト・カンパニーに対する強制措置を勧告しない」という正式な終了通知を受け取ったことを発表しました。
パクソス・トラスト・カンパニーは、同社の米ドルを裏付けとするステーブルコインは連邦証券法上の有価証券ではなく、ウェルズ通知は不当であると主張してきました。私たちは、安定した価値を有するデジタル資産に対する私たちの絶え間ない主張と、SECスタッフがBUSDに関連してパクソスに対して強制措置を取らないと決定したことを誇りに思います。
パクソスは公式発表の中で「今回の決定によって世界的な大手企業によるステーブルコイン採用の新たな波が生まれると確信している」ともコメントしており、「Paxosが発行するステーブルコインのように強力な消費者保護を備えたステーブルコインは、支払い・決済・送金のユースケースにおいて金融システムを変革するものであり、このような革新的技術によって金融システムはより安定し、アクセスしやすく、透明になる」と語っています。
米国証券取引委員会(SEC)は「イーサリアムの販売は証券取引に該当しない」との見解を示した一方で「スワップ・ステーキングは証券法違反に該当する」とも主張しているため、証券法違反に関する基準は複雑になっていると考えられますが、今回の事例はステーブルコインの証券性に関する議論における重要なケースの1つになると考えられています。
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(パクソス公式発表)