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「基準以下のL2は今後支持しない」イーサリアム共同創設者

ヴィタリック氏、L2にプレッシャーをかける

イーサリアム(Ethereum)創設者のヴィタリック・ブテリン氏が2024年9月12日に自身のX(Twitter)アカウントで、分散化が一定基準に満たないL2を今後支持しないと公表しました。

L2とは、基盤となるブロックチェーンに構築される2層目のネットワークのことで、主にスケーリングやカスタマイズを目的に運用されています。今回、ヴィタリック・ブテリン氏が指すL2は主に、イーサリアム上に構築されているロールアップのことです。

ヴィタリック・ブテリン氏はXにて「今後、分散化が一定基準以下のL2は来年から公に支持しない」と発言した上で、いくつかのロールアップはすでに基準をクリアしつつあると指摘しました。

私はこれを真剣に受け止めています。来年から私はブログや講演などで、ステージ1以上のL2のみについて発言します。新しい、本当に興味深いプロジェクトについては「短い猶予期間」を設ける予定です。

私が投資しているかどうかや、あなたが友達であるかは関係ありません。ステージ1か失敗かのどちらかです。

イーサリアム上に構築されているロールアップの多くは進捗に差が見られるものの、完全な分散化は実現されていない状態です。このような状況を受けて今回ヴィタリック・ブテリン氏は、各ロールアップに対してプレッシャーをかけました。

ヴィタリック氏が指摘する「基準」とは?

ヴィタリック・ブテリン氏は、ロールアップにおける分散化の基準を「ステージ0からステージ2」まで、3つの段階を挙げています。

どのステージにあたるのかという点は、なにか問題が発生した場合に「開発者がどの程度介入できる要素を残しているのか」によって評価されています。介入を行える要素について、ヴィタリック・ブテリン氏は「補助輪(training wheels)」と表現しました。

ステージ0は、オンチェーンで引き出しやトランザクションを通せるものの、検証に必要な不正や有効性の証明が採用されていません。問題が発生した場合、マルチシグ(システム制御に複数人の署名が必要な仕組み)によって制御される状態です。

ステージ1は、不正や有効性の証明は採用されているものの、マルチシグによって介入できる余地も残します。ただし、介入には8人中6人の署名が必要など、厳しい条件があります。ステージ2は、仮にマルチシグで全員の署名を得ていても介入不可能です。

ヴィタリック・ブテリン氏が今回求めたのは「今年中にステージ1」に到達することです。類似の基準を採用したデータを公開するL2BEATによると、ステージ1に到達している主要なロールアップには「Arbitrum One・OP Mainnet・ZKsync Lite・dYdX v3」などが挙げられます。

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Souce:ヴィタリック・ブテリン氏X投稿
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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