米資産運用大手が「イーサリアム先物ETFの廃止」を決定|複数の理由に基づく決断

by BITTIMES

需要低迷と市場環境の変化が背景に

資産運用大手ヴァンエックは2024年9月6日、先物ベースのイーサリアム上場投資信託(ETF)「ヴァンエック・イーサリアム・ストラテジーETF(EFUT)」の閉鎖を決定しました。

ヴァンエックによると、EFUTの閉鎖は以下の要因を総合的に判断した結果だと述べています。

  • 期待を下回るパフォーマンス
  • 流動性の不足
  • 運用資産の伸び悩み
  • 投資家の関心低下

このETFは2024年9月16日に取引を停止し、9月23日頃に投資家へ資産を返還する予定です。EFUTの運用資産は約2,100万ドル(約31億円)にとどまっており、今年6月にヴァンエックが始めた現物イーサリアムETF「ヴァンエック・イーサリアムETF(ETHV)」の運用資産(5,500万ドル超)を下回っていました。

投資顧問会社ETFストアのネイト・ジェラシ社長は、この決定について「意外ではない」と述べています。ジェラシ氏は昨年、現物ベースの仮想通貨ETFが「先物ベースの仮想通貨ETFをほぼ廃止されるだろう」と予測していました。

仮想通貨ETF市場の勢力図変化

米証券取引委員会(SEC)は2024年7月、現物イーサリアムETFの取引開始を認可しました。これにより、仮想通貨ETF市場は大きく様変わりしています。モーニングスターの調査によると次のようになっています。

  • 現物イーサリアムETFの運用資産:約65億ドル(約9,575億円)
  • 先物ベースのイーサリアムETFの運用資産:1億7,000万ドル(約250億円)未満

現時点で最大規模を誇る現物イーサリアムETFは、グレースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)で、約42億ドル(約6,186億円)を運用しています。

イーサリアム(ETH)をはじめとする仮想通貨市場は日々変化し、投資家の要望も多様化しています。ヴァンエックの今回の判断は、こうした市場の流れに沿ったものと言えるでしょう。今後、他の運用会社も同様の動きを見せる可能性があり、仮想通貨ETF市場の地図が塗り替わっていくかもしれません。

この動きは、仮想通貨投資の主流が先物ベースから現物ベースへとシフトしていることを示唆しています。投資家にとっては、より直接的に仮想通貨の価格変動を反映する現物ETFへの関心が高まっているようです。

ただし、仮想通貨市場は依然として変動が激しく、規制環境も流動的です。投資家は自身のリスク許容度や投資目的に合わせて、慎重に商品を選択する必要があります。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=141.44円)

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Source:ヴァンエック発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル画像:Freepikのライセンス許諾により使用

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