正当な証拠が確認されたのは約14%との報告
バイナンス(Binance)がイスラエルから要請されたウォレット凍結依頼の約86%を拒否していたことが明らかになりました。2024年10月5日に、海外仮想通貨メディアのDecryptが報じています。
Decryptの取材によると、バイナンスはイスラエルから「パレスチナ関連のウォレット約1,500件の凍結」を要請されたものの、バイナンスが独自に調査を行った結果、正当な証拠が確認されたのは約14%に相当する220件程度だったとのことです。
正当な証拠が確認されたのは約220件のウォレットは凍結されたものの、残りの約86%のウォレットには正当な証拠が見られなかったため、バイナンスはバイナンスはイスラエルの要請を拒否したと伝えられています。
バイナンスCEOのリチャード・テン氏は2024年8月28日に、SNSやコミュニティで指摘されていた無作為な凍結はFUDだとコメントしており、「不正が認められた利用者のみを対象に凍結を行った」ということを説明しています。
FUDについて。違法資金に関連する一部のユーザーアカウントのみが取引を制限されましたが、これに関して誤った情報が一部で流れています。
私たちは、世界的な暗号資産取引所として、他の金融機関と同様に国際的に認められたマネーロンダリング防止法に従っています。今後も、ユーザーが安全かつ確実に取引できるよう、教育を続けていきます。
そして何よりも、この地域に恒久的な平和が訪れることを願っています。
また、Decryptの取材に対してバイナンスは、イスラエルなどの政府当局とバイナンスの見解が異なった場合の対応についても公表しました。バイナンスの内部チームはこのようなケースにおいて、弁護士に相談を行い、国際法などに準拠した上で対応しているとのことです。
例えば、バイナンスの内部チームが慈善団体と関連している可能性を発見した一方で、イスラエルの政府当局がテロ資金供与に関連すると指摘しているようなケースが該当します。
上記のようなプロセスを経て、報道された今回の件については約86%のウォレットが凍結を回避しています。
過去にも一部報道内容を否定
パレスチナと仮想通貨
パレスチナと仮想通貨というトピックでは、これまでさまざまな動向が見られます。2023年10月には、米大手メディアのウォール・ストリート・ジャーナルが、ハマスおよびパレスチナ聖戦と関連するウォレットに、148億円以上(1億ドル以上)の仮想通貨が流入していたと報道しました。
上記報道については、米国の財務省が仮想通貨による資金流入が限定的であると否定し、報道が不正確であると指摘しています。ウォール・ストリート・ジャーナルはその後、一部記事内容を訂正しました。
一方で、仮想通貨がハマスの資金源になっている可能性は存在しており、2023年10月には米国がハマスの資金調達に関与したとして、仮想通貨取引所に制裁を科すケースも見られました。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.14円)
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Souce:decrypt報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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