「ファイナル・ファンタジー」や「ドラゴンクエスト」などの人気ゲームを開発していることで知られる「SQUARE ENIX(スクウェア・エニックス)」の松田洋介社長は、2019年1月1日に同社公式サイトで公開された新年の挨拶の中で、今後デジタルコンテンツの分野でブロックチェーン技術を応用していくことに高い関心を示していることを明らかにしました。
こちらから読む:SQUARE ENIXが関心を示す「ブロックチェーン技術」とは?
ブロックチェーンやクラウドサービスに焦点
日本の大手ゲームメーカーである「SQUARE ENIX(スクウェア・エニックス)」の松田洋介社長は、『技術普及と応用、新サービス創出への可能性』という見出しの中で、ブロックチェーン技術の応用に高い関心を示していることを語りました。
松田社長は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のような最新技術が普及していることに加え、ブロックチェーン技術も一時の”仮想通貨バブル”から落ち着きを見せており、仮想通貨以外の様々な分野でも展開されていると述べています。
さらに同氏は、ゲーム業界においてもこれらの技術を活用したゲームやプラットフォームなどの興味深いサービスが登場してきていると語っており『今後のデジタルコンテンツ分野におけるブロックチェーン技術の応用に非常に関心をもっている』と明かしています。
さらに同氏は、クラウドストリーミングサービスのような「新しいプラットフォーム」の採用が本格化してきていることについても語っており、今後は”このような流れにどのように向き合っていくのか”が成長のための大きな論点になると考えているとも説明しています。
ブロックチェーン技術やクラウドサービスが一般化してきたことによって、ゲーム業界にも新たな変化の動きが始まっています。2019年に「SQUARE ENIX」が具体的にどのような取り組みを進めていくのかには注目が集まります。
「ブロックチェーンゲーム同盟」に参加:Ubisoft
ブロックチェーン技術を活用したゲームアプリは分散型アプリケーション(DApps)などで広く普及し始めています。海外を中心に大きな話題を集めた「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」は、仮想通貨イーサリアム(Ethereum/ETH)を用いて猫のキャラクターを育成していくゲームとして多くのユーザーに利用されており、育成されたキャラクターが「1,000万円」近くで売買されたことでも知られています。
ブロックチェーン技術を活用すれば、ゲーム内のキャラクターやアイテムなどを唯一無二の”代替不可能なトークン”として扱うことができるため、それらのキャラクターなどには相応の価値がつけられています。また、仮想通貨を使用せずにブロックチェーン技術の利点をうまく活用していくこともできるため、現在ゲーム業界では具体的にどのようにこれらの技術を活用していくかについての話し合いなども行われています。
海外では、ブロックチェーンゲーム業界の基準を作成し、健全にこの新しい分野を成長させていくことを目指す同盟である「Blockchain Game Alliance」なども立ち上げられており、「Ubisoft」などの大手ゲーム開発企業などが協力して今後のさらなる規模拡大に向けた取り組みを進めています。
昨年11月には、イーサリアムベースのブロックチェーンゲームである「Plague Hunters(プレーグハンターズ)」が、SONY(ソニー)の審査に合格し、プレイステーション4(PlayStation4/PS4)などの家庭用ゲーム機向けに発売する予定であることも発表されています。世界中で非常に多く人々に愛されている「SQUARE ENIX」がブロックチェーンゲームの開発に取り組むことになれば、ゲーム業界でもブロックチェーン技術の採用が急速に加速することになると予想されます。
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