Apple(アップル)社が「鉱物のサプライチェーン管理にブロックチェーン技術を使用する際の基準・定義を設定するガイドライン」の作成に携わっていたことが米国証券取引委員会(SEC)によって公開された同社の「サプライチェーン・ネットワークにおける人権保護」に関する報告書類によって明らかになりました。
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Apple(アップル)社が米国証券取引委員会(SEC)に提出した「Summary of Apple’s Commitment to Responsible Sourcing」というタイトルの文章には、Apple社が「自社製品の製造に携わっている世界各国の供給業者ネットワーク」において、責任を持って”人権保護”に関する取り組みを行なっていることが記されています。
この文章には、責任ある大手企業が複数参加している「Responsible Business Alliance(RBA)」と呼ばれる同盟における、鉱物のサプライチェーンに関するイニシアチブ「Responsible Minerals Initiative」で、Apple社が「ブロックチェーンガイドライン」の作成に携わっていたことが書かれています。
RBAのブロックチェーンガイドラインは2018年中旬に公開されたものであり、鉱物のサプライチェーンを監視するためにブロックチェーン技術を使用する場合の「業界の基準・定義」を設定するためのものだとされています。つまりApple社は、原材料のサプライチェーン管理にブロックチェーン技術を使用する際の基準作成に関与していたということになります。
なお「Responsible Minerals Initiative」の公式サイトに記載されている企業メンバーの中にも「Apple社」の名前が記載されています。
SECに提出された文章には、Apple社は2018年にRBIの議長を務めており、ブロックチェーンワーキンググループを含めた複数の内部委員会の取り組みに参加していたことも書かれています。
Apple社の製品は中国やインドネシアなどの様々な地域で生産されているため、サプライチェーン管理は非常に重要になります。Apple社が実際にブロックチェーン技術を活用した独自のソリューションを開発しているかどうかは明らかになっていませんが、今後これらの技術を活用するメリットはあると考えられます。