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中央銀行デジタル通貨「CBDC」世界40行以上が発行を検討|ブロックチェーンの有用性調査へ


ブロックチェーンは今や世界各国の中央銀行にも注目されています。世界経済フォーラム(WEF)は2019年4月3日に公開したレポート中で、現時点でも既に40以上の銀行が「Blockchain」や「分散型台帳技術(DLT)」の活用方法や「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の発行に向けた調査・研究を行なっていると報告しています。

こちらから読む:中央銀行が研究に取り組む「ブロックチェーン技術」とは?

中央銀行における「ブロックチェーン技術」の有用性

世界経済フォーラム(WEF)が2019年4月3日に公開したレポートによると、現在世界の40以上の銀行が「ブロックチェーン技術の活用方法」や「中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行」についての調査・研究を行なっているとされています。

報告によると、これらの銀行は「支払いプロセスの効率化」や「サイバーセキュリティの問題解決」などに取り組むためのブロックチェーン研究プロジェクトやテストを行なっていると説明されており、分散型元帳で発行され、ピア・ツー・ピア(P2P)で取引できるCBDCを発行することによって「より速く、コスト効率の高い取引が可能になる」とされています。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)のメリット

CBDCがもたらす利点としては、顧客確認(KYC)やアンチマネーロンダリング(AML)などの対策を強化することによって、脱税や汚職、不法取引などを削減することができる点などが挙げられており、将来的に現金の使用量が大きく減少した際にCBDCは重要な役割を果たすことができるとも説明されています。

現金の使用量が劇的に減少する将来において、CBDCは潜在的に重要な役割を果たすことができます。

政策または消費者の嗜好にかかわらず、国内における現金の使用および利用可能性が極端に低いか存在しない場合、CBDCは潜在的に市民を支援する可能性があります。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)のデメリット

またCBDCに潜む欠点としては、
・トランザクションの拡張性
・鍵の管理
・トランザクション速度
・CBDCを採用していない人々の財務的排除の可能性
などといった、ブロックチェーン技術の課題を考慮する必要があると説明されており、銀行の混乱が起こることによって財政が不安定になる可能性があることなどが挙げられています。

分散型台帳技術(DLT)のユースケース

中央銀行における分散型台帳技術(DLT)のユースケースとしては、
・銀行間証券決済
・決済システムの回復力と緊急時対応
・債券発行およびライフサイクル管理
・顧客確認とアンチマネーロンダリング
・情報交換とデータ共有
・貿易金融
・現金サプライチェーン
などといった複数の項目が挙げられています。

CBDC発行に取り組む世界の中央銀行

複数の国の中央銀行は、すでに「ブロックチェーン技術」や「分散型台帳技術(DLT)」に基づいた支払いシステムの開発に向けた取り組みを行なっています。

カンボジア国立銀行もその中の一つであり、2017年4月という早い時期から日本のフィンテックベンチャーである「ソラミツ」が開発したブロックチェーン技術を用いて開発に取り組んでいることが報告されていました。

また、東カリブ中央銀行(ECCB)も2019年3月に「ブロックチェーン技術を活用した中央銀行デジタル通貨を導入する」と発表しており、2021年の実用化に向けて開発と実証実験を進めています。

最近の報道では、パキスタン国立銀行も2025年までに独自のデジタル通貨を発行する計画を発表しており、2030年までには完全にこのデジタル通貨を実装する予定であることを発表しています。

ブロックチェーン技術を活用した「独自のデジタル通貨」の発行に取り組んでいる国は非常に増えており、これらの国々の他にもフランスやノルウェーなどでも研究が進められています。今後は再び回復する兆しが見え始めてきた仮想通貨への関心とともに各国が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)への注目もさらに強まっていくことになると予想されます。

>世界経済フォーラム(WEF)が公開したレポートはこちら(PDF)


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