米商品先物取引委員会(CFTC)が仮想通貨取引所「BitMEX(ビットメックス)」の調査を行なっているとの報道の後に、同取引所で大量の資金が出金されていることが明らかになりました。一部では今回の巨額出金により、取引板が薄くなっていることや、暗号資産を大量に保有している”クジラ”が消えた可能性があるとも報告されています。
こちらから読む:米規制当局、仮想通貨取引所「BitMEX」の違法性を調査
BTC「入金額13億円に対し、出金額は約91億円」
仮想通貨市場のデータを分析・公開している企業「TokenAnalyst(トークンアナリスト)」は、2019年7月20日のツイートで仮想通貨取引所「BitMEX(ビットメックス)」から巨額の仮想通貨が出金されていることを報告しています。
このツイートは、主要な仮想通貨取引所における24時間の入出金量を報告したものであり、各取引所で以下のような入出金が行われたことを示しています。
BINANCE:5,800万ドルの入金|5,400万ドルの出金
BitStamp:5,200万ドルの入金|5,000万ドルの出金
Bittrex:400万ドルの入金|500万ドルの出金
Poloniex:600万ドルの入金|400万ドルの出金
BitMEX:1,200万ドルの入金|8,500万ドルの出金
このデータを見ると他の取引所では入金と出金の額に100万〜400万ドル(約1億800万〜4億3,000万円)ほどの差しかないことがわかりますが、これに対してBitMEXは出金額が7,300万ドル(約78億6,400万円)ほど多くなっています。
CFTCの調査報道で投資家たちが資金移動
BitMEXにおける巨額な出金は、先日報じられた「米商品先物取引委員会(CFTC)がBitMEXの違法営業の可能性を調査している」との報道に関連したものであり、事態が深刻化することを恐れた投資家たちが一斉に出金しているのだと考えられています。
米国に住む人々に仮想通貨取引サービスを提供するためには、CFTCに登録を行う必要がありますが、セーシェル共和国で登録を行なっている「BitMEX」はCFTCへの登録を行なっていないため、もし仮に米国居住者向けにサービスを提供していた場合は”ルール違反を侵している”ということになります。
BitMEXに対する規制が厳しくなるのであれば、これまで居住国をごまかしてサービスを利用していたユーザーが特定される可能性も考えられるため、そのようなことを懸念した人々が資金を移動していると考えられています。
クジラ・大物投資家「撤退」の可能性も?
今回の調査に関しては、CFTCやBitMEXからの公式発表は行われていないものの、実際に調査が行われている場合には今後必要な措置が取られる可能性があります。
今回の出金に伴い、インターネット上ではBitMEXの板が薄くなっていることも報告されており、一部ではBitMEXで積極的に取引を行なっていた「大物投資家」や「クジラ」が消えた可能性があるとも言われています。
BitMEXはビットコイン価格への影響も強い仮想通貨取引所として知られており、これまでの大規模な価格変動時にもBitMEXとの関連性が度々挙げられてきました。今回の報道によって、BitMEXにおける仮想通貨の流動性が著しく低下するのであれば、仮想通貨市場にも何らかの影響が出る可能性があります。
2019年7月21日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格は今のところ大きく変化してはおらず、2019年7月21日時点では「1BTC=1,152,591 円」で取引されています。
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