日本の金融庁・財務省が主導して開発を進めている「仮想通貨版SWIFT」について、”監視役”としてプロジェクトに関わっているとされていた「金融活動作業部会(FATF)」が一部報道内容を否定していることがコインテレグラフ日本版の報道で明らかになりました。
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「プライバシーとデータ保護の重要性」認識している
仮想通貨版SWIFTは、仮想通貨を国内外の仮想通貨取引所経由で送金する際に、個人情報を即座にやり取りすることによって、マネーロンダリング(資金洗浄)などの問題に対処するものと報じられていました。
今年7月にロイターが報じた内容では「FATF内に設置された監視チームが、開発状況などを定期的に確認する」とされていましたが、FATFはこの報道の一部が間違っていることを指摘しており、「FATFは顧客データを集めない。FATFの基準はプライバシーとデータ保護の重要性を認識している」と強調しています。
6月にFATFがアップデートした基準では、全ての管轄権にある仮想通貨取引所が顧客を特定しその情報を安全に非公式に保管することを求めている。法執行機関がマネーロンダリングやテロ資金供与で必要な時にすぐに手に入るようにだ。同じような義務は、銀行や他の金融機関にも課せられている。FATFは、顧客データを集めない。FATFの基準は、プライバシーとデータ保護の重要性を認識している
「仮想通貨取引所でハッキング事件が発生した場合」や「マネーロンダリングなどで仮想通貨が使用された場合」などに犯人を素早く特定し、資金を回収するためには、世界各国に点在する主要な仮想通貨取引所で”犯人のものと見られるウォレットの情報”を共有し、アカウント凍結などの対応を迅速に行う必要があります。
この際に全ての取引所でウォレットアドレスとユーザー情報が紐付けられていれば早急な対応をとることができますが、全ての仮想通貨取引所で個人情報の収集・共有を徹底し、それらの情報を一括管理するとなると、技術的にも問題があり、プライバシー面での問題も生まれます。
今回の発表は、FATFがこれらの懸念があることを認識していることをはっきりとさせるものであり「FATFは顧客データを集めない」とも断言されているため、仮想通貨版SWIFTやFATFは必要以上の個人情報を収集することはないのだと考えられます。
仮想通貨版SWIFTは、2020年には具体策をまとめ、数年以内に稼働される予定だと伝えられています。
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