スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は2019年9月11日、仮想通貨Libra(リブラ)について、決済システムに該当し関連法を順守するよう求めることなどを記した「ステーブルコインのガイドライン」を公開しました。Libraの運営主体である「Libra協会」は同日の発表でFINMAから決済サービス提供者としてのライセンス取得に向けて取り組んでいくことを発表しています。
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FINMA「ステーブルコインのガイドライン」を公開
Facebook(フェイスブック)の独自通貨として注目を集めている仮想通貨「Libra(リブラ)」の運営主体「リブラ協会(Libra Association)」は、スイスの都市ジュネーブに本拠地を構えているため、スイスの金融規制当局である「スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)」が定める規制を遵守する必要があり、FINMAの対応には世界中から注目が集まっていました。
FINMAは2018年に仮想通貨などのトークンを3つに分類し、それぞれの通貨が順守すべき法令を整理した指針を発表していましたが、仮想通貨「Libra」は複数の国の法定通貨や短期国債を担保とした「ステーブルコイン」に分類されており、FINMAが発表していた指針にはステーブルコインを規制する法制度はありませんでした。
本日11日にFINMAが公開した声明の中では、現在公開されている「Libra」の計画内容であれば『スイスの金融市場インフラ法に基づいた”決済システム”の認可が必要である』と明記されています。スイスの決済システムの規制要件は、一般的な国際標準、特に金融市場インフラストラクチャの原則に基づいており、認可を受けるためには「サイバーリスク」などに対処し「マネーロンダリング(資金洗浄)対策」なども行う必要があるとされています。
また、Libraは一般的な決済システムよりもリスクが高いことから、資本配分・流動性・リスク分散・引当金管理などの分野で追加的な要件が課されるとも報じられており、銀行法の規定が適用される可能性もあるとされています。さらにFINMAは、引当金の管理に関する収益とリスクは「ステーブルコインを所有する一般消費者」ではなく「Libra協会」によって完全に負担されるべきであると強調しています。
この他の点としては、コーポレートガバナンス(企業統治)やアンチマネーロンダリングに関しては国際的な規制も考慮するよう求められていますが、これまでにも論点となっていた「税法・競争法・データ保護法」に関してはFINMAの権限外だとされています。
Libra協会は同日11日の発表の中で、FINMAから決済サービスのライセンスを取得するために調整を行なっていくことを語っています。