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財務省は仮想通貨の海外送金に新たなルールを明示する

財務省は、将来的に国境を越えたモノやサービスの取引を決済するために仮想通貨がさらに利用されることを踏まえて、主要国に先行してわかりやすいルールを整備する方針です。今回明らかになったのは「海外に仮想通貨を3,000万円以上送金する場合には、超過分を当局に報告することを義務付ける。」というものです。

ずさんな管理体制

約580億円分の仮想通貨ネム(NEM/XEM)を流失したCoincheck(コインチェック)の事件では、管理体制や法的整備が整っていなかったことなども影響し、結果的には資金洗浄を通じて盗難されたNEMのほぼ全てが失われることとなりました。

中でも特に不明確だったのが送金に関するルールであり、取引所の規制等と比べ、曖昧な基準であることが指摘されていました。

一定額以上の送金には報告を義務付ける

このような現状を受けた財務省は、6月には仮想通貨の海外送金に関係する法令(外国為替法)を改正する予定です。
改正後は、仮想通貨を海外に送金した時のレートで累計額を計算し、金額が3,000万円であった時には財務省に申告する義務が課されます。

具体的には、実際に支払いを行なった日の仮想通貨交換事業者の相場をもとに、現金の価値に換算して財務省に報告する必要があるか否かを判断することになります。

例えば、1ビットコインあたり80万円前後で取引されている時に、その日の内に40ビットコインを支払った場合には、3,000万円を超えることとなるため、財務省に報告する義務が発生します。

またこのルールは、ビットコイン(BTC)などの主要通貨だけでなく、全てのアルトコインに対しても適用されます。
参考になる相場がないような知名度の低い仮想通貨で支払った場合には、仮想通貨間で取引できるビットコインなどの主な仮想通貨の相場を参考に3,000万円を超えるか否かを判断することも認められています。

法令改正の目的と現状

このようなるルールを定めることにより、海外取引の実態を把握しやすくなり、マネーロンダリング(資金洗浄)に仮想通貨が使われるリスクを低減することなどが期待されています。

財務省によると、仮想通貨が法律上の「支払い手段」として位置付けられる2017年より前から外為法に基づく報告が同省にはあったとのことで、2016年半ばから報告が入り始め、現在までの報告は1,000件を超えるとされています。

適切なルールを定め仮想通貨を実用的に

こうした自主的な報告例はプロの事業者の一部である可能性が高く、仮想通貨市場が健全になることで、海外との取引決済に仮想通貨を使用する法人や個人が増えていくことが予想されています。ルールが明確化されることで、仮想通貨は決済手段としてより使いやすいものとなるでしょう。

先月末に、日本の金融広報中央委員会は、仮想通貨に関する基本的な質問に対して、知識のない人でもわかりやすいように詳しく説明した文章をホームページ上で公開しました。

今後日本は、仮想通貨に関する適切な情報を全ての国民に伝えると共に、健全で理想的な仮想通貨の導入を率先して目指していくことが予想されます。

今回の改正もまた、世界的な仮想通貨のルール設定の基準として大きな役割を担うこととなるでしょう。