米国のデジタル資産カストディ・信託銀行である「Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)」は2021年6月3日に、米国の商業銀行「BankProv(バンクプロブ)」と提携して仮想通貨イーサリアム(Ethereum/ETH)を担保とした機関投資家向けの米ドル融資サービスを開始したことを発表しました。
法人向けに「ETH担保型の米ドル融資サービス」を提供
Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)は2021年6月3日に、米国の商業銀行である「BankProv(バンクプロブ)」と提携して、仮想通貨イーサリアム(ETH)を担保とした機関投資家向けの米ドル融資サービスを開始したことを発表しました。
BankProv(バンクプロブ)はアメリカで1828年に「The Provident Bank」として設立された200年近い歴史を持つ老舗銀行であり、NASDAQ(ナスダック)にも上場しています。
アンカレッジ・デジタルの公式発表によると、今回発表されたイーサリアム担保型の米ドル融資サービスは「Anchorage Financing」を通じて機関投資家向けに提供されるとのことで、このサービスを利用することによって、ETHを保有している企業は保有しているETHを売却せずに融資を受けることができるとされています。
イーサリアムを売却して現金を取得した場合には売却による利益分の税金を納める必要がありますが、同サービスを利用すれば課税されることなく米ドルを受け取ることができるができるため、そのような面もメリットになると説明されています。
また、大量のETHを保有している企業はより大きな信用枠にアクセスすることができるとのことで、借り手側がリスクデューデリジェンスのチェックに合格すれば必要なETHの担保が少なくなるとも報告されています。
仮想通貨を担保にしたローンサービスはその他の企業でも提供されており、米国では金融大手「Fidelity(フィデリティ)」や暗号資産取引所「Coinbase(コインベース)」、日本では大和証券グループとクレディセゾンの合弁会社である「Fintertech株式会社」などが仮想通貨担保型の融資サービスを提供しています。