ビットコイン(Bitcoin/BTC)は日本時間2021年11月14日の14時15分頃に、スマートコントラクト・プライバシー・処理速度などといった複数の面での機能改善を行う大型アップグレード「Taproot(タップルート)」の実装を完了しました。
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スマコン・プライバシー・処理速度などで機能改善
ビットコイン(Bitcoin/BTC)は日本時間2021年11月14日の14時15分頃に、スマートコントラクト・プライバシー・処理速度などといった複数の面での機能改善を行う大型アップグレード「Taproot(タップルート)」の実装を完了しました。
Taproot(タップルート)は2017年8月に実施された「SegWit(セグウィット)」導入以来のソフトフォークであり、2013年から議論されてきた「マークル化抽象構文木(MAST)」や、2015年に提案された「シュノア署名」などの技術が導入されています。これら複数の技術が導入されたことによって、ビットコインのスマートコントラクト機能・プライバシー機能・処理速度などが向上すると期待されています。
マークル化抽象構文木(MAST)について
マークル化抽象構文木(MAST)は、トランザクションスクリプトを従来とは異なった形式で保存する技術であり、この技術を実装することによって、複雑な条件分岐があるトランザクションのデータサイズをコンパクトにすることができるようになっています。
トランザクションのデータサイズを小さくするとブロックチェーンに加えられるトランザクション数が増えるため、「送金遅延」や「取引手数料の増加」などといったビットコインで深刻化している”スケーラビリティ問題の解決”にもつながると期待される他、Taprootを用いた取引では普通の決済なのかライトニングチャネルに属する決済なのかがわからなくなるため、Lightning Network(ライトニングネットワーク)の匿名性向上にもつながると報告されています。
シュノア署名について
シュノア署名は、1989年頃にC.P.Schnorr氏によって発明された電子署名方式であり「他の電子署名方式よりも計算が単純でわかりやすく、セキュリティも強固」という特徴を有しています。この技術は特許などの政治的理由や技術的理由からビットコインには導入されていませんでしたが、今回のアップグレードで正式に導入されることとなりました。
従来のビットコインでは「楕円曲線DSA(ECDSA)」という署名方式が採用されていましたが、シュノア署名では署名データのサイズを削減することができるため、結果的にスケーラビリティ問題の解決につながると期待されています。
暗号資産取引所からは「BTC入出金再開」の発表も
なお、ビットコインの大型アップグレードに伴い、国内外の暗号資産取引所では『BTCの入出金を一時的に停止する』との発表が行われていましたが、現在はネットワークの安定性が確認されたことを受けて、一時停止されていたBTCの入出金サービスも再開され始めています。
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2021年11月15日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格は今年4月に記録した過去最高値700万円を少し超えたラインまで上昇しているものの、今の所大幅な上昇な見られておらず、2021年11月15日時点では「1BTC=7,502,415円」で取引されています。