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ビットコイン準備金「詳細把握しておらず、検討も考えていない」日本政府が質問に回答

ビットコイン準備金の質問に日本政府が回答

日本政府がビットコイン準備金に関する質問に対して「ビットコイン準備金導入の動きに関する詳細は把握しておらず、暗号資産を保有することについて検討することは考えていない」という内容の回答を行ったことが明らかになりました。

今回の質問は「NHKから国民を守る党」の浜田聡参議院議員が提出していたもので、米国やブラジルなどの諸外国でビットコイン準備金導入の動きがあることを説明した上で、以下の2点について質問がなされていました。

  1. 諸外国におけるビットコイン関連の動きに関する日本政府の把握状況と見解は?
  2. 暗号資産の準備金導入検討について、日本政府はどのような見解を示しているか?

ここ最近では「ビットコイン準備金の導入検討」に関するニュースが続々と報じられているため、日本政府の回答には注目が集まっていましたが、今回の答弁書では石破総理名義で「ビットコイン準備金について政府として見解を示すことは困難である」「暗号資産を保有することについて検討することは考えていない」と回答されています。

質問に対する日本政府の回答内容

一について
御指摘の「米国等が進めているビットコイン準備金導入の動き」については、他国における議論の途中の段階にあり、その詳細を把握しておらず、政府として見解をお示しすることは困難である。

二について
外国為替資金特別会計は、特別会計に関する法律第七十一第二項に規定する外国為替等の売買等を行うために設置されているところ、暗号資産は外国為替等には該当しない。また、同特別会計の運営に当たっては、本邦通貨の外国為替相場の安定を実現するために必要となる外国為替等の売買等を円滑に行うため、安全性及び流動性に最大限留意し、流動性及び償還確実性が高い国債などの債券や外国の中央銀行等への預金等で運用を行うこととしており、いずれにしても、暗号資産を保有することについて検討することは考えていない。

ビットコイン準備金の把握状況について

ビットコイン準備金の把握状況に関する回答は「現時点では他国でも議論の途中段階であり、詳細が把握できていないため、政府として見解を示すことは困難である」と説明するものとなっています。

今回の文面では「日本政府が具体的にどれくらいの情報を把握しているのか」はわからないものの、内容から判断すると、米国政府などから正式にビットコイン準備金に関する詳細発表がない限り、日本政府の公式見解は得られないと予想されます。

暗号資産準備金の導入検討について

暗号資産準備金の導入検討に関する回答では「暗号資産は外国為替資金特別会計の枠組みに入らないため、運用対象外である」という立場が示されています。

また「外国為替資金特別会計の運用では安全性・流動性・償還確実性の3点を重視していること」が説明されていて、「ビットコインなどの暗号資産は基準を満たしていないため、暗号資産を運用対象に加えることを検討するつもりはない」との見解が示されています。

日本政府の回答に対する懸念の声

ビットコイン準備金に関する日本政府の回答内容に対しては「予想通り」という意見も多数でていますが、今回の回答は日本がビットコイン準備金の動きで遅れを取る可能性があることを示しているため、現在は以下のような懸念の声が多数あがっています。

日本では暗号資産の税制改正を求める意見が数年前からでていますが、税制改正の検討にも長い時間がかかっているため、「検討することは考えていない」と回答された暗号資産準備金の実現は期待できず、実現するとしてもかなり先になる可能性があると予想されています。

ビットコイン準備金に関する議論は世界的に加速していて、エルサルバドルブータン王国はすでにビットコインを保有、ポーランドブラジルロシアEUなどでもビットコイン準備金の動きが報じられているため、今後はそのような他国の動きなどにも注目です。

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Souce:答弁書
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用