JPモルガン・チェース(JP Morgan Chase)のCEOであるジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)氏は、「私はもう仮想通貨については何も言わない方がいいだろう」との見解を示した一方で、ブロックチェーンには大きな可能性を感じていることを語り、実際に活用していくためのテストを行なっていることを明らかにしました。
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JPモルガン最大の脅威
JP Morgan Chaseで12年以上も幹部を務めた経歴を持つダイモン氏は、海外メディア「Harvard Business Review」とのインタビューで、現在の金融業界に関連する多くの質問に回答し、その中の一部で仮想通貨やブロックチェーンに関する問いにも答えています。
『JPモルガンの事業にとって最も脅威になると考えているものは何か?』との質問に対して、ダイモン氏は“新しい支払い方法”と呼ばれるものを挙げました。その具体的な例としては「PayPal、Venmo、Alipayなどがある」と語り、「それらの企業は基本的な銀行のサービスをチャット、ソーシャル、ショッピングの体験に上手く取り入れている」と説明しました。
ダイモン氏は「法定通貨を使った支払いアプリは、私たちのビジネスにとって最大の破壊的な影響力を持つ」と述べており、そのような電子決済サービスが今後の社会に大きな変化をもたらす可能性があると考えていることを明かしました。
仮想通貨に対する見解
これといって仮想通貨に関するコメントも語らなかった同氏に対して、インタビューを行なった記者は『仮想通貨についてはどのように考えているか?』と尋ねました。ダイモン氏は昨年、ビットコインは詐欺だと述べており、「ビットコイン取引を行った従業員は解雇する」とまで語ったことでも有名であり、大きな注目を集めていました。
記者からの質問に対して同氏は、「おそらく私はもう仮想通貨に対しては何も言わない方がいいだろう」と回答しました。
仮想通貨に対してあまり多くを語ろうとしなかった同氏は、「仮想通貨は金や法定通貨と同じではない」ということを強調し、「それらは法律、警察、裁判所によってサポートされており、複製することが不可能で、厳格さがある」と説明しています。
ブロックチェーンに対する期待
仮想通貨に関しては、”ほぼノーコメント”の立場をとったダイモン氏ですが、ブロックチェーン技術に関しては非常に高く評価していることを明かしています。
仮想通貨に関しては短いコメントに留めた同氏は、それに続いて「その一方、ブロックチェーンは”本物”である」と語り、「私たちはブロックチェーンを多くのことに活用していくためのテストを行なっている」と述べています。
JPモルガンは今年の5月に『暗号資産戦略部門』を立ち上げており、先月にはブロックチェーン技術を活用して預託証券をトークン化する特許を出願していたことが明らかになりました。
過去のコメントやここ最近のニュースを踏まえて考えると、JPモルガンは仮想通貨に対しては依然として様々な懸念を抱いており、法定通貨や預託証券などのような従来のものにブロックチェーン技術を活用することで、新しいものへと進化させて事業を展開していくのではないかと考えられます。
ここ最近では多くの大手金融機関の参入が続いていましたが、それらの機関が全て仮想通貨に対して強気な姿勢を示しているというわけではないようです。
Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の資産運用部門で最高投資責任者を努めているMossavar-Rahmani(モサバール・ラフマニ)氏は、先日「仮想通貨はお金がもつ伝統的な3つの役割を果たしていない」と語り、長期的には仮想通貨の価格は下落が続くと考えていることを語っています。
ゴールドマン・サックスの見解はこちら
一時的に回復するとも見られていた仮想通貨の価格は、さらなる安値を更新する可能性が徐々に高まってきています。
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