仮想通貨取引所BINANCE(バイナンス)のCEOであるChangpeng Zhao(ジャオ・チャンポン)氏は、インドの新しい仮想通貨規制法案がジーキャッシュ(Zcash/ZEC)やモネロ(Monero/XMR)などといった「匿名性の高い仮想通貨」の需要を押し上げることになるだろうと予想しています。
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インドの厳しい仮想通貨規制法案
インドの国会議員たちは、仮想通貨取引やマイニングなどを行なった国民に対して「1年〜10年の懲役刑」に加え、「利益・損失の最高3倍の罰金刑」を執行する法案を提出したと伝えられています。
この法案が成立した場合には、インド国内で仮想通貨の「マイニング・購入・保有・売却・取引」などを直接または間接的に行うことが”違法”となる可能性があります。実際に成立した場合には、仮想通貨保有者は90日以内に自分が保有している仮想通貨を申告して、中央政府の規定に従って仮想通貨を処分しなければならないと言われています。
さらにこの法案には”罰金刑”も規定されており、「システムに起因する損失の最高3倍」または「仮想通貨から得た利益の最高3倍」の金額のうち、高額となる方が科せられると報告されています。また「有罪かつ保釈不可能」との判断を受けた場合には、最高10年の懲役刑が科せられるとも報告されています。
プライバシーコイン「需要増加」の可能性
BINANCE(バイナンス)のCEOであるChangpeng Zhao(ジャオ・チャンポン)氏は、2019年6月7日のツイートでインドの新しい法案は匿名性の高い仮想通貨の需要を高めることにつながるだろうとの考えを語っています。同氏はこのツイート共に、インドの人口が世界人口の5分の1にあたることを強調しています。
インドの法案はプライバシーコインの採用を推進することになるでしょう。
CZ氏の語るように、ビットコインなどの仮想通貨が禁止されれば、
・モネロ(Monero/XMR)
・ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)
・ダッシュ(Dash/DASH)
などといった”匿名性の高い仮想通貨”の需要が増加する可能性があります。これらの仮想通貨を使用すれば、政府からの監視にさらされることなく取引を行うことができるかもしれません。
しかし、実際にプライバシーコインが普及した場合には”より厳しい規制”が定められる可能性もあるため、需要増加は一時的なものになるとも考えられます。以前は日本の仮想通貨取引所Coincheck(コインチェック)でもモネロなどの仮想通貨を購入することができましたが、同社は昨年5月時点でマネーロンダリングなどの懸念があることを考慮して取り扱い中止を発表しています。
実際にインドでこの法案が採用されるかどうかや、それによって匿名通貨の需要が増加するかどうかは不明であるものの、これらのプライバシーコインの需要は今後も複数の要因で高まっていく可能性があると考えられます。
2019年6月9日|XMR・ZEC・DASHの価格
2019年6月9日時点では、XMR・ZEC・DASHの価格は下落傾向にあり、それぞれの通貨の価格は、
1XMR=9,361円
1ZEC=8,569円
1DASH=15,567円
となっています。