暗号資産取引所「Kraken(クラーケン)」の基本情報やサービスの概要、取り扱う仮想通貨・特徴・メリット・デメリットなどを初心者向けにわかりやすく解説します。
※Krakenは2023年1月31日をもって日本市場から撤退することを発表しています。
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Kraken(クラーケン)とは
Kraken(クラーケン)とは、2011年7月に設立されたアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコに本拠地を構える暗号資産取引所です。グローバルにサービスを展開しているクラーケンは、2020年9月8日付で暗号資産交換業者(関東財務局長 第00022号)としての登録を完了した「Payward Asia株式会社」を通じて日本居住者にもサービスを提供しています。
各国の規制に準拠してサービスを展開している同社は「暗号資産の現物取引・先物取引・証拠金取引」などといった様々なサービスを提供していますが、日本ユーザー向けには「暗号資産の現物取引サービス」のみが提供されています。ただし同社は日本向けサービスの内容も拡大しており、2021年10月には国内初となる「米ドル・ユーロ建ての仮想通貨取引ペア」も追加されています。
仮想通貨業界で特に長い歴史を持つ取引所でもある同社は”信頼性の高い大手暗号資産取引所の1つ”として世界的に広く知られており、仮想通貨市場の調査分析を行った上でレポートなどを定期的に公開している他、米国初の仮想通貨銀行「Kraken Financial(クラーケン・フィナンシャル)」を設立するなど、仮想通貨業界をリードし続けています。
取り扱う暗号資産
Kraken(クラーケン)が日本ユーザー向けサービスで取り扱っている暗号資産は、2022年11月時点で以下の15銘柄となっています。
・ビットコイン(Bitcoin/BTC)
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・リップル(Ripple/XRP)
・ライトコイン(Litecoin/LTC)
・ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)
・オーエムジー(OMG Network/OMG)
・ベーシック・アテンション・トークン(Basic Attention Token/BAT)
・チェーンリンク(Chainlink/LINK)
・ポルカドット(Polkadot/DOT)
・エンジンコイン(Enjin Coin/ENJ)
・ステラルーメン(Stellar Lumens/XLM)
・イーサリアムクラシック(Ethereum Classic/ETC)
・元素騎士メタバース(GensoKishi Metaverse/MV)
・カルダノ・エイダ(Cardano/ADA)
・メイカー(Maker/MKR)
サービスの種類・概要
暗号資産の現物取引(スポット取引)
暗号資産の現物取引(スポット取引)サービスでは、Krakenが取り扱っている15種類の暗号資産(BTC・ETH・XRP・LTC・BCH・OMG・BAT・LINK・DOT・ENJ・XLM・ETC・MV・ADA・MKR)を対象とした「暗号資産/暗号資産の取引」または「暗号資産/日本円・米ドル・ユーロの取引」を行うことができます。
なお、krakenがグローバル市場で提供しているその他の暗号資産に関しては『なるべく早期に追加できるよう対応を行っていく』と説明されています。
暗号資産の販売所
「販売所」は取引所を取引相手として仮想通貨を売買することができるサービスのことであり、他のユーザーを取引相手とする「取引所」に比べると簡単な手順で仮想通貨を売買できるのが大きな特徴の1つとなっています。
販売所サービスで仮想通貨を売買する際には、購入または売却のどちらかを選んで「売買したい数量・売買したい通貨・支払い方法」などを選択するだけで簡単に取引できるため、初心者の方に魅力的なサービスをなっています。
クラーケンは販売所サービスの特に重要なポイントとして”手数料の透明性”を挙げており、一般的な販売所サービスでは「実質的にどれくらいの手数料が徴収されているのか?」が不明瞭であるのに対して、クラーケンは「販売所における購入・売却・交換の全てで一回の取引ごとに1.5%の手数料を課していること」を公表しています。
また、Krakenは「Any to Any」と呼ばれる機能を導入しているため、同社の販売所サービスではKrakenが取り扱っている全ての暗号資産・法定通貨を好きな組み合わせ(取引ペア)で売買することが可能です。
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ステーキング対応仮想通貨レンディング・サービス
ステーキング対応仮想通貨レンディング・サービスは、自分が保有する暗号資産をKrakenに貸し出してKraken経由でステーキングに参加することによって、貸し出した期間の応じたステーキング報酬を獲得することができるサービスです。
ステーキングとは、特定の暗号資産を一定期間保有してブロック生成プロセスに参加することによって報酬を得ることができる仕組みのことであり、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)と呼ばれる仕組みを採用している暗号資産における”マイニング“のようなものとなっています。
一般的にステーキングはステーキング対応ウォレットなどを通じて行われていますが、Krakenが提供するステーキングサービスは「ユーザーが保有する仮想通貨をクラーケンが借り受けた上でステーキングを行い、ユーザーは消費貸借契約に基づく貸借料を受け取るサービス」となっており、『ユーザーが直接ステーキングを行う機能を提供するサービスではない』と説明されています。
Krakenが提供するステーキングサービスの主な特徴としては『年利が4%以上であること(変動あり)』や『1週間に1回の報酬算定(執筆時点での頻度)』などが挙げられており、2022年10月時点でステーキング可能な暗号資産は「ETH・DOT・ADA」となっています。
各種手数料
現物取引手数料
現物取引手数料は直近30日間の取引量に応じて割引が適用される仕組みとなっています。なお、割引されるレベルは毎取引後に計算されるのですぐに反映されます。
暗号資産現物取引サービスにおける「メイカー手数料」と「テイカー手数料」は以下のように設定されています。
直近30日の取引量 | メイカー | テイカー |
$0 – $50,000 | 0.16% | 0.26% |
$50,001 – $100,000 | 0.14% | 0.24% |
$100,001 – $250,000 | 0.12% | 0.22% |
$250,001 – $500,000 | 0.10% | 0.20% |
$500,001 – $1,000,000 | 0.08% | 0.18% |
$1,000,001 – $2,500,000 | 0.06% | 0.16% |
$2,500,001 – $5,000,000 | 0.04% | 0.14% |
$5,000,001 – $10,000,000 | 0.02% | 0.12% |
$10,000,000以上 | 0.00% | 0.10% |
Kraken(クラーケン)のメリット
信頼性の高い歴史ある大手暗号資産取引所
Kraken(クラーケン)は2011年に設立されて以降仮想通貨業界をリードし続けてきた長い歴史を持つ大手暗号資産取引所であり、セキュリティに関しては、従業員の利用する機器からオフィスの物理セキュリティにいたるまで、徹底的なリスク評価と対策を実施するなど世界で最も厳しく進んだ管理体制を敷いています。
「Kraken Security Labs(クラーケン・セキュリティ・ラボ)」と呼ばれる独自の研究所を通じてユーザー向けのセキュリティ啓蒙活動なども行っている同社は、全世界で400万人を超える投資家に利用されているため、セキュリティやサービスの信頼性が高いという点で大きなメリットを有しています。
24時間体制のグローバルサポート
Kraken(クラーケン)には、仮想通貨・金融サービス・自社サービスに精通するカスタマーサポートのスペシャリストが数百名在籍しています。チームメンバーは各地に配置されており、多様言語でサービスを提供し、年中無休でユーザーの質問・要望に対応しているため、「何か問題が発生した場合でもサポートスタッフに相談することができる」という利点を有しています。
また、Krakenは「24時間年中無休のライブチャット」で相談を受け付けているため、時間帯に関わらず好きな時に相談することが可能です。
米ドル・ユーロ建ての取引ペアも提供
Kraken(クラーケン)は「日本円建ての取引ペア」に加えて「米ドル・ユーロ建ての取引ペア」も提供しているため、「米ドル/仮想通貨」「ユーロ/仮想通貨」の取引ペアでも取引することができます。
また「法定通貨/法定通貨」の取引ペアも提供されているため「JPY/USD、JPY/EUR、USD/EUR」などの取引を行うことも可能です。
今後のサービス拡大に期待できる
Kraken(クラーケン)はグローバルにサービスを提供している暗号資産取引所であるため、本家サービスでは取り扱う暗号資産の種類も多く、現物取引サービスだけでなく「先物取引・証拠金取引・相対取引(OTC)・ステーキング」などといった様々なサービスを提供しています。
日本ユーザー向けに提供されるサービスはまだ限られているものの、承認を受けることができれば海外向けサービスで提供されている暗号資産やサービスが日本でも提供される可能性があるため、今後のサービス拡大には期待できると言えるでしょう。
Kraken(クラーケン)のデメリット
取引手数料がやや高い
Kraken(クラーケン)の現物取引手数料では「直近30日間の取引量に応じて割引が適用される仕組み」が採用されていますが、取引量が少ない場合の手数料は0.1%〜0.2%とやや高額であるため、あまり頻繁に取引しない方にとっては少し気になる手数料設定となっています。
日本国内のその他の暗号資産取引所では「取引手数料無料」や「マイナス手数料」などが導入されている場合もあるため、取引手数料を抑えたい方にはその他の取引所の方が魅力的に見えると考えられます。
取り扱う暗号資産の種類がやや少ない
Kraken(クラーケン)は海外向けサービスでは多くの暗号資産を取り扱っているものの、日本ユーザー向けサービスで取引可能な暗号資産はまだ少ないのが現状です。
ただしクラーケンは”その他暗号資産の取扱い”については『なるべく早期に追加できるよう対応を行っていく』と説明しているため、取扱う暗号資産の数に関しては今後のサービス拡大で増える可能性があるとも考えられます。