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決済大手Square「FinCENの仮想通貨規制案」に反対意見|様々な問題点を指摘


仮想通貨関連サービスも提供している米国の大手決済企業「Square(スクエア)」は2021年1月4日に、米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が提案している仮想通貨規制案に対する反対意見を表明し、『FinCENが提案する仮想通貨規制は法執行能力を妨げるだけでなく、仮想通貨の送金・取引サービスにも影響を与え、米国のイノベーションを制限することになる』と指摘しました。

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FinCENの仮想通貨規制案は「逆効果」だと指摘

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は2020年12月に仮想通貨取引所や外部の自己ホスト型ウォレットに関する規制を強化する提案を行いました。この規制案では、3,000ドル(約30万円)を超える送金を行う場合のKYC(顧客身元確認)を強化して取引所などのサービスプロバイダーに「送金する顧客・送金先の身元情報確認」を義務付けるほか、1万ドル(約100万円)を超える取引で「FinCENへの報告」を義務付けることなどが提案されています。

Square(スクエア)は2021年1月4日に公開したFinCEN宛ての手紙の中でこのような規制案に反対する意見を表明し、『FinCENの規制案はSquareのような仮想通貨関連サービス事業者に”現金取引で求められる情報を遥かに超えた報告義務”を課すようなものである』と指摘しました。

さらに同社は『この規制案が採用された場合には、当社のサービスにオプトインしていない、もしくは当社の顧客としてサインアップしていない人々に関する不確かなデータを収集する必要がある』とも説明しており、『FinCENの規制案は規制を回避するための不必要な摩擦と逆インセンティブを生み出すことになり、米国外のウォレットやサービスへと移行するユーザーが増加することになるため、結果的には現在よりも仮想通貨取引を監視することが難しくなる』と規制案の問題点を指摘しています。

このように指摘しているSquareは『FinCENの規制案は法執行能力を妨げるだけでなく、仮想通貨の利点を生かした送金・取引サービスを構築する能力をも妨げることになり、アメリカのイノベーションを制限することになってしまう』と説明しています。

FinCENは2020年12月18日に規制案を公開した後に一般からの意見を求めていましたが、この規制案に対しては15日間で6,000件近くのコメントが提出されており、米国の大手暗号資産取引所「Kraken(クラーケン)」も”FinCENの規制案が採用された場合には、取引が法執行機関の手が届かない場所で行われるようになる可能性がある”と指摘しています。

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