日本政府は2022年10月14日に、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止するための改正法案を閣議決定しました。閣議決定された法律改正案は「暗号資産の規制強化」や「資金洗浄関連の罪の刑罰引き上げ」などを柱としたものとなっています。
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暗号資産の規制強化・マネロン罪の刑罰引き上げなどが柱
日本政府は2022年10月14日に、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止することを目的として、犯罪収益移転防止法や外国為替法などに関連する6つの法律の改正案を閣議決定しました。
資金洗浄やテロリストへの資金供給を防ぐ対策の基準をつくる国際組織である「金融活動作業部会(FATF)」は昨年の勧告でマネロン対策などの改善を求めていましたが、今回閣議決定された改正法案は「暗号資産の規制強化」や「資金洗浄関連の罪の刑罰引き上げ」などを柱としたものとなっています。
具体的には、暗号資産交換業者に「送金側・受取側の情報を相手方の業者に通知すること」が義務付けられる他、交換業者に「資金凍結に備えて制裁対象者リストを最新にしておくこと」などのの体制整備も求められると報告されています。
マネーロンダリングに関しては、法定刑の上限が5年から10年に引き上げられる他、犯罪収益が暗号資産に交換された場合でも没収できるようにし、国連安保理決議で指定された大量破壊兵器の拡散に関係する者が国内で取引した場合には資産凍結できるようにするとも伝えられています。
暗号資産に関する規制やルールは国際的にも明確化されていない状態となっていたため、現在は仮想通貨を用いた資金洗浄・脱税・テロ資金供与などの犯罪を防ぐための準備が国際的に進められています。
日本国内の暗号資産取引所では既にそのような問題に対処するための仕組みの導入が始まっており、「ユーザーが暗号資産を取引所から外部に送金する際に、受取人の氏名や住所などの関連情報提出を求める」などの取り組みが実施されています。
なお、今回閣議決定された法改正案は今国会に提出される予定となっています。