韓国の金融サービス委員会(FSC)は2020年11月3日に、仮想通貨関連の規制内容が含まれている「特別金融取引情報法(特金法)」の改正案を公開し、マネーロンダリングなどに悪用されるリスクのある暗号資産の取り扱いを禁止する方針を示しました。
こちらから読む:GMOコイン、最短10分で口座開設が可能に「暗号資産」関連ニュース
「資金洗浄リスクの高い暗号資産」の取扱いを禁止
韓国の金融サービス委員会(FSC)は2020年11月3日に、暗号資産関連の規制を強化することを目的とした「特別金融取引情報法(特金法)の改正」に関する予告を行い、その内容についての説明を行いました。
公開された改正案の中では「暗号資産事業者の範囲・暗号資産の範囲・申告書類と手続き・本人確認済みアカウント関連の基準・情報提供関連の基準・申告手続きや方法」などといった様々な項目に関する新しい規制内容が記されていますが、この中では”資金洗浄リスクの高い暗号資産の取り扱いを禁止する予定であること”が報告されています。
FSCは改正案の中で『暗号資産の定義に該当するとしても、”ダークコイン”などといった取引履歴の把握が困難で資金洗浄リスクの高い暗号資産は、暗号資産事業者の取り扱いを禁止する予定である』と説明しています。
具体的な暗号資産の名称については触れられていないものの、これらの改正案は、
・ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)
・モネロ(Monero/XMR)
・ダッシュ(Dash/DASH)
などの暗号資産に影響を与える可能性が高いと予想されています。
上場廃止が進む「匿名機能を備えた暗号資産」
韓国の暗号資産取引所は、マネーロンダリング対策における国際協調を推進するため設立された政府間機関である「金融活動作業部会(FATF)」からの勧告を受けて既に”匿名機能を備えた暗号資産”の取り扱いを終了しており、OKEx・Bithumb・Huobi・UPbitなどの暗号資産取引所が複数の暗号資産を上場廃止にしています。
特別金融取引情報法の改正案はFATFの勧告を考慮して作成されたものであり、2021年3月に施行される予定だと報告されています。韓国の暗号資産取引所は施行後6ヶ月以内に本人確認などの手続きを完了させて、資金洗浄やテロ資金供与に関する疑わしい取引の情報を一元的に受理・分析し、捜査機関などに提供する政府機関である「FIU」に申請することが求められています。
仮想通貨業界で「匿名通貨」と呼ばれているZEC・XMR・DASHなどの暗号資産は『資金洗浄などに悪用される可能性が高い』として様々な暗号資産取引所で上場廃止にされていますが、「DashJapanチーム」などは『仮想通貨DASHの匿名性については誤解が広がっている』と指摘しており、そのような誤解を解いて再び日本の暗号資産取引所にDASHを上場させるための取り組みなどを行っています。