世界的に展開している四大会計事務所の一つ「KPMG」は、最近公開したブログ記事の中で”最も重要な仮想通貨”としてビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、リップル(Ripple/XRP)、アイオータ(IOTA/MIOTA)という4種類の暗号資産を取り上げ、それぞれの特徴や企業財務における重要性などを説明しています。
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世界4大会計事務所が重要視する仮想通貨「4選」
KPMGは、オランダに本社を構え、世界154カ国に約200,000人のスタッフを擁しているプロフェッショナル・サービスファーム(知的専門家集団)です。世界4大会計事務所の一つとして知られる同社は、監査・税務・アドバイザリーサービスを提供しています。
同社は2019年4月26日に公開したブログ記事の中で、現在世界的に注目を集めている「仮想通貨(暗号資産)」や「ブロックチェーン技術」についての説明を行い、これらのテクノロジーが企業財務にどのような影響を与えるか?やその重要性などをまとめています。
仮想通貨の価格や時価総額などの様々な情報を提供している「CoinMarketCap」のデータでは、現在世界には1,500種類の仮想通貨が存在していることが示されていますが、「KPMG」はこの中でも特に重要な仮想通貨として、
・ビットコイン(Bitcoin/BTC)
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・リップル(Ripple/XRP)
・アイオータ(IOTA/MIOTA)
の4銘柄をあげて説明を行なっています。
金融システムに代わる本物の代替品「ビットコイン(BTC)」
ビットコイン(Bitcoin/BTC)は「世界で最もよく知られている仮想通貨」として最初に紹介されています。この仮想通貨は世界で最も時価総額の大きい仮想通貨として紹介されていますが、それと同時に「エネルギー消費量」や「スケーリング」などの問題を抱えていると説明されています。
「KPMG」は、ビットコインは”必ずしも注目の的となるわけではない”と説明しており、その具体的な活用事例として「汚職が多く、通貨システムが不安定な発展途上国での取引処理」をあげています。具体的にはジンバブエでBTC需要が急増していることが説明されており、ビットコインの本質的な目的は「確立された金融および金融システムに代わる本物の代替品になること」とされています。
しかし、同社は「この目的を達成するまでには、まだ長い道のりが残っている」との見解を示しており、法律的な問題や技術的問題を解決する必要があることを語っています。
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すでに数多くの活用事例を持つ「イーサリアム(ETH)」
イーサリアム(Ethereum/ETH)は「純粋なデジタル通貨としてではなく、主に2者がスマートコントラクトを結ぶことができるプラットフォームとして機能する」と説明されており、このプラットフォームを使用することによって、適切な一連のオプションの権利および条項を含む契約を作成、管理、および実行することができるとされています。
「KPMG」は、イーサリアムはすでに多くの企業の様々なアプリケーションで活用されていることを説明し、物流プロセス・保険取引・資金調達の問題解決などの活用事例を例としてあげています。
また、財務関連では「貿易金融」が特に人気のある候補としてあがっており、スマートコントラクトが商品譲渡中の信頼の問題を解決し、関連する支払いを自動的に処理して、紙ベースのプロセスを排除することができると説明されてます。
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低コストで安全な金融取引基盤「リップル(XRP)」
リップル(Ripple/XRP)は「低コストで安全な国際金融取引をリアルタイムで実行し、ビットコインよりもはるかに高速に取引できるようにすることを目的としている」と説明されています。具体的に1つの取引にかかる時間がわずか4秒であることも説明されており、サンタンデール銀行のような業界の大物がすでにRippleのネットワークに参加していることも概説されています。
「KPMG」は、「リップルとビットコインを比較するのは、リンゴとナシを比較するのと同じ」だと説明しており、リップルがパブリックブロックチェーンに基づいていないことやマイニング(採掘)などが必要ないことなどを解説し、それらが明確に異なるものであることを強調しています。
Ripple社が提供しているソリューションは「比較的低コストでリアルタイムの支払いを行うための代替手段になる」とされており、発展を続けているRipple社や仮想通貨XRPが注目に値することが示されています。
現在最も革新的な暗号通貨「IOTA(MIOTA)」
アイオータ(IOTA/MIOTA)は「現時点で最も革新的な暗号通貨の1つ」として紹介されています。IOTAはモノのインターネット(IoT)において機械間で自律的に支払いを行い、関連商品やサービスを交換するための確立された通貨になることを目的としているため、将来的には「全ての車/駐車場メーター/冷蔵庫」などがそれぞれで自分のアカウントを持つことになるだろうと説明されています。
「KPMG」は、IOTAが「Tangle(タングル)」と呼ばれる特殊な技術に基づいていることを概説し、これによってIOTAネットワークが多くのトランザクションを同時に処理し、その他の暗号通貨よりも早くそれらの処理を実行できることを強調しています。
企業財務への重要性としては「IOTAがまだテスト段階であり、実際にはまだ証明されていない」ということが指摘されています。しかし、現在IOTAが目指していることが実現するのであれば、IOTAの潜在的な活用方法は非常に多く、様々なマシンに適用することが可能であるため、IOTAには大きな可能性が秘められていると考えられています。
暗号資産を選ぶ際の「重要事項」は?
KPMGは今回公開されたブログ記事の最後に「少なくとも現時点では、確立された通貨システムが置き換えられることは疑いようがない」と結論付けています。しかしながら、現在の仮想通貨業界では”非常に投機的でニッチな仮想通貨”を取り上げることを目的とした仮想通貨コミュニティが形成されていることも指摘されています。
このようなことを踏まえた同社は、企業の観点から言えば「企業は仮想通貨を支えるテクノロジーに焦点を当てるべき」だと説明しており、現時点ではまだ十分に成熟していないこれらの技術の本質をしっかりと捉えることの重要性を強調しています。
重要なことは、まず第一に自己資金の成熟度を評価し、すでに利用可能な自己資金やソリューションを最大限に活用していくことだと説明されています。自社の製品やプロジェクトの目指す目的や品質を突き詰めていった時に初めて自分たちに必要とされる、または選ぶべきものが見えてくると考えられます。
その上で実際に仮想通貨などの技術を採用することが決定した場合には、すでに数多く公開されている様々な調査会社などの「仮想通貨に対する評価」や「実際の活用事例」などをもとにして判断することが重要であると言えるでしょう。
>>「KPMG」が公開したブログ記事はこちら
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