ビットコイン(BTC)の価格は2022年6月18日に、前回の半減期サイクルの最高値を下回る価格である18,000ドル(約240万円)台まで下落しました。今回の仮想通貨価格暴落の原因・理由としては様々な要因が挙げられており、それら複数の要素は現在も重要視されているため、この記事ではそのような複数の不安要素をまとめて掲載しています。
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ビットコイン価格暴落の主な原因は?
仮想通貨業界では様々な著名人から『ビットコイン価格は2020年〜2022年に10万ドルを超える』との予想が語られていましたが、2021年11月8日に69,000ドル付近まで上昇して以降は約半年間に渡って下落傾向が続いており、2022年6月18日には20,000ドル(約270万円)以下にまで急落、現在も下落・低迷が続いています。
ビットコイン価格急落の原因については様々な意見が出ていますが、そのような複数の下落要因は現在も意識されているため、今後の仮想通貨市場の値動きを予想する上でも理解しておくことが重要です。今回のビットコイン価格暴落の主な原因としては、長期的な目線も含めて以下のような挙げられているため、それぞれ順を追って概要を紹介します。
長期チャートで見るビットコインの不安要素
2021年4月〜5月:環境問題への影響懸念
2021年5月にビットコイン価格は600万円台まで急騰していたため「1BTC=1,000万円予想」の実現に期待が高まっていましたが、ビットコイン決済に対応していた米国の大手電気自動車メーカー「Tesla(テスラ)」が2021年5月13日に”BTCマイニングが与える地球環境への悪影響”を理由に『BTC決済の一時停止』を発表し、ビットコイン価格は大幅に急落しました。
「BTCマイニングが地球環境に与える影響」については数年前から議論が行われていましたが、1,000万円到達に期待が高まっていたタイミングでのビットコイン価格急落は投資家の心理にも大きな影響を与えたと考えられます。
なお「BTCマイニングが地球環境に与える影響」についてはその後も議論が続けられており、『BTCネットワークの消費電力の半分以上はクリーンエネルギーで賄われている』といった指摘は出ているものの、今月は米ニューヨーク州上院が「PoWマイニング禁止法案」を可決したことなども報告されています。
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2021年11月〜12月:1,000万円到達できず再び急落
2021年7月まで300万円台をキープしていたビットコイン価格はその後の上昇で700万円まで回復したため、仮想通貨業界では再び「1BTC=1,000万円予想」の実現に期待が高まっていましたが、2021年11月10日に800万円目前まで上昇した後には価格が下落し、12月には500万円付近まで価格が急落しました。
この時点でもBTC価格上昇タイミングの判断基準としても重要視されている半減期(前回は2020年5月12日)からはかなりの期間が経過しており、2度目の強気相場でも1,000万円に到達できなかったため、このタイミングで仮想通貨市場では「1BTC=1,000万円予想」に対する懐疑的な意見が増え初めました。
S2F(ストック・フロー)と呼ばれるモデルを用いてビットコイン価格予想を行なっている著名アナリストPlanB氏も、2021年11月25日に『フロアモデルのビットコイン価格予想は”初の予測ミス”になるだろう』と語っており、投資家の間でもその後のBTC価格を不安視する意見が増え始めています。
2022年4月〜6月:月足でトリプルトップ形成
ビットコイン価格は2022年3月末に600万円付近まで回復したものの、前回の過去最高値は越えれておらず、その後の価格下落によって週足・月足チャートで「トリプルトップ(三尊天井)」が形成されています。
トリプルトップ(三尊天井)は代表的な”売りのサイン”として広く知られており、今回は長期的な月足チャートでトリプルトップが形成されているため、仮想通貨業界では『今後はビットコインの歴史上最悪の大暴落が起きる』という意見も語られています。
「1,000万円到達目標が3度に渡って失敗したこと・半減期から2年が経過していること・強気派アナリストなどが予想価格を引き下げたこと・月足チャートでトリプルトップが形成されたこと」などによって、投資家の間ではビットコインの大幅下落を警戒する声が増えていたため、そのような投資家のBTC売却で今回の価格急落が発生したと考えられます。
過去の半減期サイクルの最高値を下回る下落
ビットコイン価格は先日18日に、重要な心理的サポートであった2万ドル(約270万円)を割り込んで18,000ドル台まで急落しましたが、過去の半減期サイクルの最高値を下回るのはビットコインの歴史上初であると報告されています。
トリプルトップ形成などでビットコイン価格暴落に不安が高まっていましたが、今回の下落によってさらに重要な心理的サポートを割り込んでしまったため、投資家の間ではさらに不安感が増していると考えられます。
また、技術的な面や世界情勢の観点からもビットコインや仮想通貨に対する不安は強まっており、具体的には以下のようなものが下落要因として挙げられています。
国際ニュース・仮想通貨ニュースから見る不安要素
世界経済の停滞に対する懸念
「世界経済の停滞に対する懸念」も仮想通貨価格暴落の原因の1つであると考えられています。最近では新型コロナ蔓延による『コロナショック』で仮想通貨価格が急落した他、『ロシア・ウクライナ情勢の悪化』でも仮想通貨価格が急落しています。
ビットコイン誕生初期には一部で『戦争が始まった場合にはビットコインが資金の避難先になる』とも言われていましたが、ロシアがウクライナに対する攻撃を開始した際には仮想通貨価格が下落・低迷したため、現在は『戦争などで世界経済に対する懸念が高まるほど、仮想通貨の暴落リスクは高まる』との意見が非常に多く出ています。
新型コロナやロシア・ウクライナの問題は未だに解決しておらず、今後も世界経済は不安定な状態が続くと予想されているため、そのような現状も仮想通貨価格下落の原因になっていると考えられます。
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ステーブルコインの価格安定性崩壊への懸念
仮想通貨業界では今年5月に、時価総額ランキング上位に位置していた「Terra(LUNA)」の価格が数日間で99.99%暴落し、Terraの米ドル連動ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の価格が米ドルと連動できずに大幅下落したことが大きな注目を集めました。
ステーブルコインは既に数多く発行されていますが、UST暴落後には世界中の大手暗号資産取引所で基軸通貨として採用されている「テザー(Tether/USDT)」でも一時的な価格急落が複数回発生しており、トロン基盤の米ドル連動ステーブルコインである「USDD」でも価格下落が起きているため、ステーブルコイン関連の不安も高まっています。
USDTは暗号資産取引所の基軸通貨として広く採用されている他、証拠金としても利用されているため、USDTの価格連動が崩壊した場合には仮想通貨市場全体に大きな影響が出る可能性があると懸念されています。USDTは裏付け資金が存在しているため、アルゴリズム型ステーブルコインの「UST」とは根本的に仕組みが異なるものの、実際に小規模な価格下落が複数回観測されているため、そのような動きは仮想通貨価格暴落への警戒感を強める要因になっていると考えられます。
世界各国の仮想通貨規制強化
仮想通貨関連の規制はこの数年間で大幅に強化されてきており、世界中の複数の国で「暗号資産投資のリスク」に関する注意喚起が行われている他、仮想通貨投資による収益に課税する仕組みの導入も増加、一部の国では「仮想通貨取引の禁止・仮想通貨決済の禁止」なども発表されています。
そのような規制強化の動きを受けて、一部の国では「暗号資産取引所の閉鎖・仮想通貨関連サービスの提供停止」なども発表されているため、サービス停止を受けて保有していた暗号資産を売却する投資家も出てきていると予想されます。
また、既に流通している暗号資産を「未登録の有価証券」と指摘する意見も多数出ており、仮想通貨規制の明確化を進める中で業界の発展の妨げになるようなルールが定められる可能性も残されているため、そのような現状を不安視する投資家も増えていると予想されます。
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株式市場・為替市場の暴落
「株式市場・為替市場の暴落」も仮想通貨市場を判断する際の重要な材料の1つとして見られています。数年前までのビットコイン・暗号資産は株式市場・為替市場とは異なる動きをしていたものの、最近では『株式・為替市場など”伝統的な金融市場”と暗号資産の相関性が高まってきていること』が指摘されてきています。
2021年11月にオミクロン株が発表された際には、株式・為替市場の急落に合わせてビットコイン価格も下落しており、2021年末〜2022年始にかけては、米国の金融引き締めに対する懸念により株式市場が急落した際にビットコイン価格も下落しています。
株式・為替市場では、米国の金融政策を決定する会合である「米連邦公開市場委員会(FOMC)」の発表内容が注目されていますが、現在は仮想通貨業界でもFOMC発表に注目が集まっているため、ビットコイン誕生初期に比べると市場の動きがより複雑化してきています。
大手ヘッジファンドのポジション強制清算
仮想通貨価格が急落したことによって、最近では『大手ヘッジファンドのポジションが強制清算された』との報告もなされており、先日はシンガポールの大手暗号資産ヘッジファンド「Three Arrows Capital(3AC)」が、仮想通貨貸借サービス「BlockFi」の追加証拠金(マージンコール)に応じることができず、ポジションを強制清算されたことが報告されています。
先日17日には仮想通貨融資大手「Genesis Trading」からも『大口取引先のポジションを清算したこと(こちらの取引先もThree Arrows Capitalとみられる)』が発表されており、”仮想通貨を大量に保有している大手企業の大量売却”にも懸念が強まっています。
大手企業の仮想通貨市場参入はプラス材料として見られていましたが、仮想通貨価格暴落に耐えきれなくなった大手企業などが下落時に保有している暗号資産を売却した場合には、連鎖的に価格が急落してしまう可能性もあるため、そのような大手企業の動向にも注目が集まっています。
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仮想通貨価格は回復するのか?今後予想される動き
ビットコイン価格が急落し続けていることによって、仮想通貨業界では今後のさらなる暴落を警戒する声が増えてきていますが、現在のビットコイン価格「約18,500ドル(約250万円)」は2015年以前から長期的に維持されてきた重要なサポートラインに位置しており、買われすぎか売られすぎかを判断するための指標である「RSI(相対力指数)」でも”売られすぎ”のラインに位置しているため、投資家の間では『現在の価格は底値に近い』『近い将来に仮想通貨価格は回復する』といった声も増えてきています。
また、以前からビットコイン価格下落を予想していた著名投資家やアナリストたちからも、価格下落時の底値予想として「18,000ドル〜20,000ドル」が提示されていたため、今後は買いが増加し、価格が回復する可能性もあると予想されます。
依然として世界情勢は不安定であり、上述したような不安要素は多数残されているものの、この数年間でビットコインをはじめとする暗号資産は世界中に広く浸透しており、大手企業などでの技術採用も進んでいるため、これから再び価格が回復する可能性はあると考えられます。
ただし「週足・月足チャートでトリプルトップが形成されていること」や「ステーブルコインの崩壊や大手企業の大量売却」「過去の半減期サイクルの最高値を下回る下落」など不安要素も多く、下落・停滞が長期的に続く『冬の時代』に突入した可能性もあるため、しばらくの間横ばいの状態が続く可能性も考えられます。
また、長期チャートでトリプルトップが形成されていることを踏まえると、ここからビットコイン価格が回復したとしても、過去最高値到達前に一度大規模な売りが入る可能性も十分にあると予想されるため、これから仮想通貨を購入する場合には十分に警戒しつつ、下落時に少しずつ購入していくことが重要になると予想されます。
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