NYSE上場企業の中で最大規模の資金調達
ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している中国の食品会社「DDC Enterprise Limited」は2025年6月17日に、ビットコイン(BTC)の追加購入に向けて最大5億2,800万ドル(約766億円)の資金調達を実施する計画を発表しました。
DDC Enterpriseは、アジア発のグローバルな食品プラットフォーム企業として事業を展開する中国の食品会社であり、「DayDayCook」「Nona Lim」「Yai’s Thai」などのブランドを展開する料理関連事業も拡大しています。
同社は2025年3月に「財務準備資産の一部としてビットコインを採用する方針」を発表しており、5月には「21BTCを約228万ドル(約3億3,100万円)で取得したこと」も報告されていましたが、今回はBTC追加購入に向けて総額最大5億2,800万ドルの資金調達に関する3つの証券購入契約を締結したことが発表されています。
公式発表によると、今回の資金調達はビットコイン取得のための資金調達としてはNYSE上場企業の中でも最大規模であるとのことで、「DDCは世界有数のビットコイン保有企業になることを目指す」ともコメントされています。
調達資金のほぼ全額をビットコインに
今回の投資家には「Anson Funds、Animoca Brands、Kenetic Capital、QCP Capital」やその他の主要な機関投資家・ビットコイン投資家が参加しているとのことで、資金調達の概要については以下のように報告されています。
- 2,600万ドルの株式PIPE投資
Animoca Brands、Kenetic Capital、QCP Capital、Jack Liu氏、Matthew Liu氏(Origin Protocol共同創業者)など有力投資家との間で、最大2,435,169株(1株あたり平均10.30ドル)のClass A普通株式の購入契約を締結。株式は180日間のロックアップ対象。 - 3億ドルの転換社債および200万ドルの株式私募
Anson Funds(米国およびカナダに拠点を持つ機関投資会社)が投資家として参画。利息ゼロ、24か月満期の転換社債(初回トランシェ2,500万ドル)を発行、追加の引き出し枠として最大2億7,500万ドルの枠を確保。さらに、Anson Fundsは200万ドル分(約30万株)の株式私募も同時に実施。 - 2億ドルの株式信用枠(ELOC)
Anson Fundsとの間で2億ドル規模の株式信用枠(ELOC)も確保。開始後は市場状況に応じた柔軟な資金活用を可能とし、継続的なビットコイン取得(BTCスタッキング)に活用予定。
なお、調達された資金はほぼ全額が“ビットコイン保有拡大”のために活用される予定で、これによってDDCは「ビットコイン集中投資の上場企業」としての地位をさらに確立し、BTC保有高と株主へのBTCリターンの向上を目指すと説明されています。
DDC Enterpriseは2025年5月の発表で「最初に100 BTCを即時取得し、6か月以内に500 BTC、36か月以内に5,000 BTCの保有を目指す」という計画を発表していましたが、今回の資金調達はこのビットコイン財務戦略を大きく加速させるものとされています。
ここ数年ではビットコイン財務戦略を採用する企業が世界的に増えてきており、Strategy(ストラテジー)やメタプラネットなども順調にBTC保有量を増やしているため、今後も企業のビットコイン争奪戦はさらに激しさを増していくことになると予想されます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.15円)
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source:DDC Enterprise発表
サムネイル:AIによる生成画像



























