ビットコインマイニングの仕組みを初めから丁寧に
ビットコインETFが承認されたこともあってか、世間ではビットコイン熱が高まりつつあります。
しかし、肝心の「ビットコインとはどこからやってくるのか」という根本の部分に関してはほとんどの人が知らないのではないでしょうか?
仮に「ビットコインはマイニングで生まれる」ということを知っていても、実際マイニングがどのような仕組みで動き、そしてビットコインを生み出しているのかを知る人はあまりいません。
ですので、この記事ではビットコインのマイニングについて初心者でも分かるように詳しく解説していきます。
ビットコイン(bitcoin)はマイニングによって生み出される
マイニングとは日本語で「採掘」のことで、金を掘り出すというイメージそのまま「ビットコインを掘り出す」という意味でビットコインマイニングと呼んでいます。
マイニング1回の成功で100万円以上貰えた
1回のマイニングの報酬は、12.5ビットコインが割り当てられています。2017年1月当時のレートは1BTCあたり11万円前後でしたので、1回の報酬額は137万5,000円とかなり高額でした。
そして、1回のマイニングには約10分かかりますので、1日144回のマイニングが行われます。つまり、1日のマイニングの総額は1億9,800万円と毎日2億円分のビットコインが掘り出されていました。
注目されているマイニングプール
ビットコインが運用され始めた初期の頃は、個人でも自宅のパソコンでマイニングが可能でしたが、現在ビットコインのマイニングを個人で行うのはほぼ不可能となりました。
これだけ高額なマイニング報酬ですから、当然それだけマイニングをする人が多くなります。人が多くなるということは競争が起きます。それにより個人でマイニングするよりも、チームで行う方がより高確率でマイニング報酬を獲得しやすくなりチームでマイニングを始める人々が生まれ、現在マイニングは企業単位で行われています。
このように大勢でマイニングを行う仕組みのことを「マイニングプール」と呼びます。これからビットコインのマイニングを考えているのであれば、個人ではなくマイニングプールを使用することをお勧めします。
マイニングと半減期について
さて、マイニングの報酬関係の話をしたので次に重要な「半減期」についてお話ししていきます。ビットコインには「半減期」と呼ばれるポイントが約4年ごとに訪れます。
半減期とは、1回のマイニングで支払われるビットコインの報酬額が約4年に1度半分になる現象のことを言います。2017年は2回目の半減期を迎えている状態です。
ビットコインがスタートした2009年はビットコインの報酬額が1回の報酬額は50BTCでした。それが、2012年には25BTC、2016年には12.5BTC、2020年には6.25BTC、2024年からは3.125BTCとなっています。
ビットコインは世の中に出回る総量が「2,100万BTC」と決まっています。この量は絶対に変わることはありません。この限りあるビットコインを掘り出すため、ビットコインは日夜マイニングされ続けられているのです。
最後のマイニングは2141年ごろだと言われています。ただし、誤解して頂きたくないのは「半減期で量は半分になるが、それ以上に価値が上がっている」ということです。
2017年のビットコイン価格は、1BTCあたり11万円でした。それが2024年は820万円台まで来ていますから、価値はおよそ75倍に跳ね上がっています。量は半分になる以上の速度で価値が上がっているので、ビットコインを欲しがる人は今後ももっと増えてくることはイメージできると思います。
半減期をもっと詳しく
ビットコインとブロックチェーン
さて、ここまでの話はマイニングにおける基本中の基本の話で、ここからは少しだけ踏み込んでブロックチェーンの話をしていきたいと思います。ビットコインのマイニングを理解する上で、ビットコインそのものを理解する上で最も重要な技術が「ブロックチェーン」です。
このブロックチェーン無しにはビットコインは語れないので、まずはそもそもブロックチェーンとはどんなシステムで、どんな仕組みなのか。まずは「ブロックチェーン」の理解から始めていきましょう。
人類に革命を起こした日本人?サトシ・ナカモトについて
実はビットコインの根幹となる技術のブロックチェーンは「サトシ・ナカモト(中本哲史)」という方が2008年10月にインターネット上に論文を発表したことが始まりです。このサトシ・ナカモトの論文発表後のわずか3ヶ月後の2009年1月にはビットコインは最初の取引を始めています。
ビットコインを始めとする、全ての仮想通貨にはこのブロックチェーン技術が使われており、サトシ・ナカモトのアイディアはまさに「人類に革命を起こしたアイディア」であることが理解できるかと思います。しかし、人類にとって世紀の大発見にもかかわらず、今なお中本氏が本当に日本人なのか、そもそも実在する人物なのか、不明のままです。
ブロックチェーンの仕組みを簡単に
普通の銀行口座を使った送金などは「誰が」「誰に」「いくら送金した」という送金情報データが銀行のコンピュータに記録されています。これによって、私たちの口座のお金は正しく記録され続けます。
これは「中央管理型」という仕組みで全ての情報を1箇所で管理する方法です。それに対し、ブロックチェーンには銀行のような中央管理する場所がありません。このような仕組みを「非中央管理型」と呼びます。
ブロックチェーンの仕組みをもっと詳しく
非中央管理型とは?
この非中央管理型の仕組みは「全員で情報を管理しましょう」という考え方が土台にあります。つまり「AさんがBさんに1ビットコイン送金した」という情報は世界中の人に共有されます。同時に「Bさんは1ビットコイン資産が増えた」という記録も残ります。
このような「誰が」「誰に」「いくら送金した」という情報を世界中で共有、管理することで銀行のような管理者がいなくてもビットコインの運用を続けることが可能なのです。
なぜ非中央管理型の方が良いのか?
ここまでの説明を聞いて「管理者がいない方がリスクがあるんじゃないのか?」と考えた方も少なからずいらっしゃると思います。ここでは中央管理型と非中央管理型それぞれのメリットとデメリットについてお話していきましょう。
中央管理型のメリット・デメリット
現在、すべての銀行が採用しているこの中央管理型ですが、実はとても非効率的でとてもリスクがあるお金の運用方法です。例えば、取引情報ですが「誰が」「誰に」「いくら送金した」などの情報をすべてサーバーで管理したり、人が管理しているわけです。
当然ですが、サーバーの管理には莫大な電気料金がかかりますし、また一箇所に情報が集約されているためハッカーなどが集中的に攻撃を仕掛けて来ますので、セキュリティ面も不安が残ります。ですので、銀行は毎年数億円単位でセキュリティ費用を専門の企業に支払っています。
銀行を維持するにも人件費や不動産などの維持費もかかりますので、金銭面的にも非効率です。他にも「中央管理型」の問題点は色々ありますが、私たちが「当たり前」だと思っていたことの方がデメリットが大きいと気づいて頂けましたでしょうか。
非中央管理型のメリット・デメリット
ビットコインを初めとする仮想通貨は、取引情報を全員で管理しています。「世界中のみんなで管理する」というのはどういうことに繋がるかというと、圧倒的に「不正が行われない状態」なのです。
例えば、ビットコインを不正に得ようとするKという人がいたとして、Kはとあるビットコインのウォレットデータを書き換え、自分のビットコイン数を100BTCから10,000BTCにしたとします。
この時、どのような状態になるのかというと、Kが不正をしたウォレットには「Kは10,000BTCを持っている」という情報がありますが、それ以外のウォレットには「Kは100BTCを持っている」という情報が残ったままです。
すると、みんなで管理している方の情報が採用されて、Kが行なった不正はかき消されてしまいます。さらにみんなで管理することでサーバー、セキュリティ、人件費などに支払っていたお金がすべてゼロで運用できます。
莫大なコスト削減、セキュリティ向上など、みんなで管理することのメリットの方が大きいことが分かって頂けたかと思います。もちろん「誰が誰にいくら送信した」ということが全世界中の人にはっきりわかってしまうと問題になるので、「誰」の部分を暗号化して個人を特定できないようにしているわけです。これがビットコインのセキュリティが非常に高いと呼ばれる理由です。
ビットコインのマインングの仕組みまとめ
以上がマイニングとブロックチェーンを仕組みのお話でした。仕組みについて詳しく解説しましたのでここまで読めれば、かなりのビットコイン通になっているはずです。
ビットコインの根幹であるマイニングの知識があれば、時々流れる「ビットコインは危険だ」などの巷のニュースに惑わされなくなります。ぜひ、ビットコインの知識を深め、今後の人生でどんどんビットコインを使い続けていきましょう。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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