
【初心者向け】マイニングの仕組みをわかりやすく解説|ビットコインの報酬と半減期の関係
ビットコイン(BTC)のマイニングとは、「デジタルの金」をパソコンの計算能力で掘り当てるという仕組みのことです。
かつては個人でも簡単に参加でき、10分で100万円以上の利益を得られることもある夢のような作業でしたが、今では企業が莫大な資金を投入してマイニング競争を繰り広げています。
なぜ企業は巨額の電気代をかけてまで、ビットコインを掘り続けるのか?また、4年ごとに報酬が半分に減ってしまう「半減期」があるにも関わらず、マイニングはなぜ続いているのか?
そこにはビットコインの驚異的な価値上昇と、ブロックチェーンという革新的な技術が関係しています。
この記事では、ビットコインマイニングの仕組みや将来性を初心者向けに分かりやすく解説します。
ビットコイン(BTC)のマイニングとは?
ビットコイン(BTC)のマイニングとは、ビットコインネットワーク上で行われる取引データを処理・承認し、新しいビットコインを生成する作業のことです。
具体的には、高性能なコンピューターを使って膨大な計算処理を行い、一定の難易度に設定された数値(ナンス)を最も早く見つけることを競います。
この計算処理はプルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれ、取引記録を改ざん不可能な形でブロックチェーンに追加する役割を担っています。
成功したマイナーには報酬として一定のビットコインが支払われ、この仕組みが新たなビットコインの供給源となっています。ただし、報酬量は4年ごとに半減(半減期)し、発行総量は2,100万枚に限定されています。
現在ではマイニングの難易度が大幅に上昇し、個人レベルの機材で利益を上げることは非常に難しくなっているため、多くは大規模なマイニング施設やマイニングプール(集団で協力してマイニングする仕組み)によって行われています。
また、マイニングには大量の電力が必要であるため、環境負荷やエネルギー消費の問題も指摘されており、近年は再生可能エネルギーの活用などが課題として注目されています。
そもそもビットコインって何?
ビットコインはマイニングによって生み出される
マイニングとは日本語で「採掘」のことで、金を掘り出すというイメージそのまま「ビットコインを掘り出す」という意味でビットコインマイニングと呼んでいます。
マイニング1回の成功で100万円以上貰えた
1回のビットコインマイニングの報酬は、12.5ビットコインが割り当てられていました。2017年1月当時のレートは1BTCあたり11万円前後でしたので、1回の報酬額は137万5,000円とかなり高額でした。
そして、1回のマイニングには約10分かかりますので、1日144回のマイニングが行われます。つまり、1日のマイニングの総額は1億9,800万円と毎日2億円分のビットコインが掘り出されていました。
この状況は、ビットコインマイニングの魅力的な側面を示しています。高額な報酬が得られる可能性があるため、多くの人々がマイニングに興味を持ち、参入を検討しました。しかし、マイニングの難易度は年々上昇しており、個人での採掘は困難になっています。
そのため、マイニングプールという形態が注目されるようになりました。マイニングプールでは、複数の参加者が計算能力を集約し、報酬を分配します。これにより、個人でも効率的にビットコインマイニングに参加できる可能性が広がりました。
注目されているマイニングプール
ビットコインが運用され始めた初期の頃は、個人でも自宅のパソコンでビットコインマイニングが可能でしたが、現在個人でマイニングを行うのはほぼ不可能となりました。
これだけ高額なマイニング報酬ですから、当然それだけマイニングをする人が多くなります。人が多くなるということは競争が起きます。それにより個人でマイニングするよりも、チームで行う方がより高確率でマイニング報酬を獲得しやすくなりチームでマイニングを始める人々が生まれ、現在マイニングは企業単位で行われています。
このように大勢でビットコインのマイニングを行う仕組みのことを「マイニングプール」と呼びます。マイニングプールでは、参加者が協力してマイニングを行い、得られた報酬を分配します。これにより、個人では難しい安定的な収益を得られる可能性が高まります。
マイニングプールには様々な種類があり、それぞれ特徴や報酬の分配方法が異なります。例えば、大規模なプールでは安定した収益が期待できますが、小規模なプールでは運が良ければ大きな報酬を得られる可能性があります。
また、マイニングプールに参加する際は、プールの信頼性や手数料、サポート体制なども考慮する必要があります。信頼できるプールを選ぶことで、ビットコインマイニングの効率を最大化し、リスクを最小限に抑えることができます。
これからビットコインのマイニングを考えているのであれば、個人ではなくマイニングプールを使用することをお勧めします。ただし、マイニングに参加する前に、必要な機材や電力コスト、法規制などについても十分に調査し、慎重に検討することが重要です。
マイニングと半減期について
さて、マイニングの報酬関係の話をしたので次に重要な「半減期」についてお話ししていきます。ビットコインには「半減期」と呼ばれるポイントが約4年ごとに訪れます。
半減期とは、1回のマイニングで支払われるビットコインの報酬額が約4年に1度半分になる現象のことを言います。2017年は2回目の半減期を迎えている状態です。
ビットコインがスタートした2009年は、ビットコインの報酬額が1回の報酬額は50 BTCでした。それが、2012年には25 BTC、2016年には12.5 BTC、2020年には6.25 BTC、2024年からは3.125 BTCとなっています。
ビットコインは世の中に出回る総量が「2,100万BTC」と決まっています。この量は絶対に変わることはありません。この限りあるビットコインを掘り出すため、ビットコインは日夜マイニングされ続けられているのです。
最後のマイニングは2141年ごろだと言われています。ただし、誤解して頂きたくないのは「半減期で量は半分になるが、それ以上に価値が上がっている」ということです。
半減期をもっと詳しく
ビットコインとブロックチェーン
さて、ここまでの話はマイニングにおける基本中の基本の話で、ここからは少しだけ踏み込んでブロックチェーンの話をしていきたいと思います。ビットコインのマイニングを理解する上で、ビットコインそのものを理解する上で最も重要な技術が「ブロックチェーン」です。
このブロックチェーン無しにはビットコインは語れないので、まずはそもそもブロックチェーンとはどんなシステムで、どんな仕組みなのか。まずは「ブロックチェーン」の理解から始めていきましょう。
人類に革命を起こした日本人?サトシ・ナカモトについて
ビットコインの根幹をなす技術であるブロックチェーンは、2008年10月にサトシ・ナカモト(中本哲史)という人物がインターネット上で発表した論文から始まりました。
この画期的な論文の発表からわずか3ヶ月後の2009年1月には、ビットコインの最初の取引が行われました。この迅速な実用化は、ビットコインの仕組みの革新性を物語っています。
サトシ・ナカモトのアイディアは、単にビットコインだけでなく、現在存在するすべての仮想通貨の基盤となっています。ビットコインマイニングの仕組みも、このブロックチェーン技術に基づいています。サトシ・ナカモトの発明は、まさに「人類に革命を起こしたアイディア」と呼べるでしょう。
しかし興味深いことに、このような世紀の大発見をしたにもかかわらず、サトシ・ナカモト自身の正体は現在も謎に包まれています。中本氏が本当に日本人なのか、そもそも実在する人物なのかさえ不明のままです。この謎めいた存在が、ビットコインの仕組みを考案したという事実は、ビットコインの神秘性をさらに高めています。
ビットコインとブロックチェーン技術は、金融システムに留まらず、様々な分野で革新をもたらす可能性を秘めています。サトシ・ナカモトの貢献は、今後も長く人類の発展に影響を与え続けるでしょう。
ブロックチェーンの仕組みを簡単に
普通の銀行口座を使った送金などは「誰が」「誰に」「いくら送金した」という送金情報データが銀行のコンピュータに記録されています。これによって、私たちの口座のお金は正しく記録され続けます。
これは「中央管理型」という仕組みで全ての情報を1箇所で管理する方法です。それに対し、ブロックチェーンには銀行のような中央管理する場所がありません。このような仕組みを「非中央管理型」と呼びます。
ブロックチェーンの仕組みをもっと詳しく
非中央管理型とは?
この非中央管理型の仕組みは「全員で情報を管理しましょう」という考え方が土台にあります。つまり「AさんがBさんに1ビットコイン送金した」という情報は世界中の人に共有されます。同時に「Bさんは1ビットコイン資産が増えた」という記録も残ります。
このような「誰が」「誰に」「いくら送金した」という情報を世界中で共有、管理することで銀行のような管理者がいなくてもビットコインの運用を続けることが可能なのです。ビットコインマイニングにおいても、この非中央管理型の仕組みが重要な役割を果たしています。
ビットコインの仕組みは、世界中のコンピューターがネットワークを形成し、そのネットワーク上で取引情報を共有・検証しています。これにより、中央の管理者なしにビットコインシステムを維持することができます。
マイニングの過程でも、この非中央管理型の特徴が活かされています。世界中のマイナーが競争的に計算を行い、新しいブロックを生成することで、システム全体の安全性と信頼性を高めているのです。この分散型のアプローチにより、ビットコインは従来の中央集権型システムよりも堅牢で、攻撃に強い構造を持っています。
なぜ非中央管理型の方が良いのか?
ここまでの説明を聞いて「管理者がいない方がリスクがあるんじゃないのか?」と考えた方も少なからずいらっしゃると思います。ここでは中央管理型と非中央管理型それぞれのメリットとデメリットについてお話していきましょう。
ビットコインの仕組みにおいて、非中央管理型システムが採用されている理由は、セキュリティ、コスト効率、そして分散化にあります。従来の中央管理型システムと比較すると、ビットコインのような非中央管理型システムには以下のような利点があります
- セキュリティの向上
ビットコインのマイニング過程で生成されるブロックチェーンは、分散型のネットワークで管理されるため、単一の攻撃ポイントが存在しません。これにより、ハッキングやデータ改ざんのリスクが大幅に低減されます。 - コスト効率
中央管理者や大規模なサーバー設備が不要なため、運用コストが抑えられます。ビットコインのマイニングに参加する個人や企業が自主的にネットワークを維持するため、銀行のような中央機関の維持費用が不要となります。 - 透明性と信頼性
ビットコインの取引履歴はブロックチェーン上に公開されており、誰でも確認することができます。この透明性により、不正取引の防止や信頼性の向上につながっています。 - グローバルなアクセス
銀行口座を持てない人々でも、インターネット接続さえあればビットコインを利用できます。これにより、金融サービスへのアクセスが世界中で拡大しています。
非中央管理型システムは、ビットコインマイニングの仕組みと密接に関連しています。マイナーたちが競争してブロックを生成し、その報酬としてビットコインを獲得する仕組みが、システム全体の安全性と効率性を支えているのです。
このように、非中央管理型システムはビットコインの根幹を成す重要な特徴であり、従来の金融システムにはない多くの利点を提供しています。ただし、規制の難しさや価格の変動性など、課題も存在することを認識しておく必要があります。
ビットコインのマインングの仕組みまとめ
以上がマイニングとブロックチェーンを仕組みのお話でした。仕組みについて詳しく解説しましたのでここまで読めれば、かなりのビットコイン通になっているはずです。
ビットコインの根幹であるマイニングの知識があれば、時々流れる「ビットコインは危険だ」などの巷のニュースに惑わされなくなります。ぜひ、ビットコインの知識を深めていってください。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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