インドネシア、国家資産にビットコイン導入を協議
2025年8月5日、インドネシア政府がアジア最大のビットコインコミュニティ「Bitcoin Indonesia」との会合を通じ、ビットコイン(BTC)を国家準備金に加える可能性を検討していることが明らかになりました。
Bitcoin IndonesiaはX(旧Twitter)上で会合内容を報告し、副大統領府からの招待を受けて「ビットコインが国にもたらす利益」について説明を行ったとしています。
BIG NEWS: 🇮🇩 Indonesia is exploring Bitcoin as a national reserve.
We were invited to the Vice President’s office to present how Bitcoin could benefit the country.
What we discussed could shape the future of Indonesia’s economic strategy. 🧵👇 pic.twitter.com/QGKgGRRgEU
— Bitcoin Indonesia (@bitcoinindo21) August 5, 2025
🇮🇩 インドネシアがビットコインを国家準備資産として検討中。
私たちは、副大統領府に招かれ、ビットコインがインドネシアにもたらす可能性についてプレゼンテーションを行いました。
この会合では、ビットコインを金や米ドルに代わる国家資産として活用するアイデアが議論されており、長期的には国家経済の強化に貢献する可能性があるとして政府関係者の間で検討が進められています。
同国の外貨準備は現在、金や米ドルに大きく依存していることから、ビットコインの導入は新たなリスク分散の選択肢として期待されています。
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インドネシア政府に提示されたビットコイン戦略案
BTCマイニングを活用した国家備蓄戦略
Bitcoin Indonesiaの報告によると、今回の会合ではビットコインマイニング(採掘)を国家準備資産の構築手段として活用する戦略案が提示されました。
同時に、ビットコインに関する国民教育の重要性も強調されており、仮想通貨への理解を深めることが国家の経済的耐久性の向上につながるとの見解が示されました。
さらにBitcoin Indonesiaは、米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)社の共同創業者であり、著名なビットコイン支持者として知られるマイケル・セイラー氏による2045年の価格予測を政府関係者に提示しました。
政府内で進むビットコイン教育の推進議論
2045年はインドネシアの独立100周年にあたることから、こうした長期予測は政府高官の関心を集めたとされています。
Bitcoin Indonesiaによれば、副大統領府特別スタッフのアディット氏は「インドネシアは今後もビットコイン教育を継続すべきだ」と発言しており、政府側も普及の必要性を理解していると受け止められています。
なお、現時点で正式な政策決定には至っていないものの、この対話は政府の仮想通貨戦略における重要な一歩として評価されています。
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インドネシアが進める仮想通貨制度改革
仮想通貨取引への新税制が施行
インドネシア政府は、ビットコインの国家資産採用を検討する一方で、仮想通貨市場の健全化に向けた規制の強化も進めています。
2025年8月1日には、新たな財務省規則に基づき仮想通貨取引に関する税率の引き上げが実施されました。
国内取引所で得た仮想通貨の売却益には、従来の0.1%から引き上げられた0.21%の所得税が課されています。一方、海外取引所を経由した場合には、1%(従来0.2%)の税率が適用されます。
なお、仮想通貨の購入者に対して課されていた付加価値税(VAT)は、今回の税制改正により撤廃されることとなりました。
仮想通貨マイニングへの新たな課税
マイニング事業者に対する課税も強化され、仮想通貨マイニングに適用されるVAT税率は1.1%から2.2%に倍増しました。さらに、0.1%の特別所得税は廃止され、2026年以降は通常の所得税制度へと移行する見通しとなっています。
現地大手取引所Tokocryptoは、この税制変更について「仮想通貨をコモディティから金融資産へと再定義する政府の方針を示すものだ」と評価しました。
その一方で、業者側は制度変更への円滑な対応を図るため、政府に対し最低1カ月の準備期間を求めています。
インドネシア仮想通貨市場の急拡大
こうした政策の背景には、インドネシア国内での仮想通貨市場の急成長もあるとされています。2024年の暗号資産取引額は前年の3倍を超え、650兆ルピア(約5.9兆円)に達しました。
2024年時点で、仮想通貨の利用者数は2,000万人を超え、株式投資人口を上回る結果となりました。こうした状況を受けて、政府は2023年7月に国内初の国家仮想通貨取引所を設立し、取引記録の集約管理と投資家保護の強化に乗り出しました。
また、2023年に成立した新法により、仮想通貨の規制監督権限は商品先物取引規制当局(Bappebti)から金融サービス庁(OJK)へ移管されることが決定されました。現在は、その2年間の移行期間が進行中です。
仮想通貨市場の拡大と制度改革が同時に進行する中、インドネシアではビットコインを国家資産として正式に位置づけようとする動きが具体化しつつあります。
今後、政府関係者との継続的な対話が具体的な政策形成へどのようにつながるのかに注目が集まっています。
国家BTC準備戦略に関する記事はこちら
Source:Bitcoin Indonesia公式X
サムネイル:AIによる生成画像



























