オープンソース化・プライバシー保護でDJEDが進化
カルダノ(Cardano/ADA)を基盤としたアルゴリズム型ステーブルコイン「DJED」を展開していることなどで知られるCOTIは2025年8月8日に、DJEDをオープンソース化することや、世界初のマルチチェーン型プライベートステーブルコインとなる「Private DJED」を展開することを発表しました。
Djedは、2023年1月にCardanoのブロックチェーン上でローンチされた米ドル連動ステーブルコインであり、$SHENと呼ばれるリザーブコインを用いて過剰担保を準備する「過剰担保・暗号資産担保型のアルゴリズムステーブルコイン」となっています。
カルダノ開発企業である「Input Output」と「COTI」によって開発されたDJEDは、暗号資産担保型の仕組みを採用しながらも常に強力なペッグ(米ドルとの価格連動)を維持しているため、競合を上回る安定性を持つ堅牢なステーブルコインとして評価されていますが、今回の発表ではDJEDがオープンソース化・プライバシー保護という2つの重要な進化を遂げることが報告されています。
DJED is evolving into the world’s first multi-chain private stablecoin. Open, privacy-preserving, and built for the next era of Web3.
Here’s how DJED, @Cardano's algorithmic stablecoin, developed by COTI and @InputOutputHK, is entering a new era.
1/7 🧵 pic.twitter.com/h3S169f7Lc— COTI Foundation (@COTInetwork) August 8, 2025
DJEDは、世界初のマルチチェーン対応プライベート・ステーブルコインへと進化しています。オープンで、プライバシーを保護する、次世代のWeb3に向けて構築された存在です。
今回は、COTIとInput Outputによって開発されたCardanoのアルゴリズム型ステーブルコイン「DJED」が、いかにして新たな時代へと踏み出しているのかをご紹介します。
DJED基盤インフラの主要部分を公開
DJEDのオープンソース化については、DJEDの基盤インフラの主要部分(注文API、チェーンインデクサー、フロントエンド)をオープンソース化し、開発者やコミュニティがその上で自由に構築できる環境を提供すると説明されています。
これは「DJEDを動かしている中核的な仕組みのコードを公開して、誰でもその仕組みを利用・改造・拡張できるようにすること」を意味するもので、具体的には以下の3点を公開すると報告されています。
- 注文API(Order API)
DJEDの売買や発行・償還(ステーブルコインの交換)をやり取りするための命令の窓口部分。これがあれば、開発者は自分のアプリやサービスからDJEDを直接扱えるようになる。 - チェーンインデクサー(Chain Indexer)
ブロックチェーン上の取引や残高などの情報を整理し、検索・参照しやすくする仕組み。これを使うと「特定のウォレットのDJED取引履歴」や「現在の発行量」などを素早く取得できる。 - フロントエンド(Frontend)
ユーザーがDJEDを操作するための見た目部分(ウェブ画面やUI)のこと。公開されると、見た目や機能をカスタマイズした自分専用のDJEDアプリやサイトを作れるようになる。
DJED基盤インフラの主要部分がオープンソース化されると、開発者やコミュニティはDJEDのカスタムフロントエンドを構築したり、ウォレットや分散型アプリケーション(dApps)に機能統合したり、安全にやり取りできるバックエンドサービスを運用したりできるようになるため、透明性を高めて信頼を深めつつ、イノベーションを加速させることができると期待されています。
プライバシー保護型「Private DJED」の展開
「Private DJED」は、“世界初となるマルチチェーン対応プライベート・ステーブルコイン”として発表されており、Cardano・COTI・Midnight対応のプライバシー保護型ステーブルコインになると説明されています。
COTIは「DJEDのラップ版」を独自のブロックチェーンインフラ上に導入するとのことで、COTI上のDJEDは安全に送受信・利用できるだけでなく、複雑なDAppsや分散型金融(DeFi)でも活用可能、用途は完全プライベートなDeFi・サプライチェーンファイナンス・企業間取引・RWA市場など多岐にわたるとされています。
Cardano上では、COTIのプライバシーレイヤーを経由したプライバシー機能を持つDJEDが展開されるとのことで、このDJEDではCardanoチェーンから離れることなく秘匿送受信が可能で、取引額やウォレットアドレスを特定の相手にのみに開示できると説明されています。
また、Cardanoのプライバシー特化型サイドチェーンであるMidnight(ミッドナイト)でも「ラップド版Private DJED」が展開されるとのことで、Midnightの秘匿スマートコントラクトはプライバシー重視アプリに最適で、安定性・準拠性・秘匿性を備えた資産として、機関投資家や企業、プライバシー志向ユーザーに適した安全な送金を提供すると説明されています。
Midnightは「Solana、XRP、Avalanche」など複数のブロックチェーンと接続できる相互運用性を重視したサイドチェーンであるため、Midnight上でDJEDを展開することによってマルチチェーンユーザー間のプライベート送金を実現し、クロスチェーン型ステーブルコインのハブになるとされています。
一連の進化によってDJEDは複数のチェーンとプライバシーレイヤーにネイティブ対応する初のステーブルコインになるため、オープンかつプライベートな金融の基盤を提供するだけでなく、エコシステム拡大にもつながると期待されています。
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source:COTI発表
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