エルサルバドル初のビットコイン銀行、年内誕生の見込み
エルサルバドル初のビットコイン銀行が2025年末までに誕生する可能性があることが明らかになりました。
エルサルバドルではビットコイン(BTC)や暗号資産(仮想通貨)に関する金融サービスの規制整備が進められており、2025年8月にはエルサルバドル立法議会が「投資銀行法」と呼ばれる新しい法律を承認していましたが、年内には“同国初のビットコイン銀行”が誕生する予定だと伝えられています。
これはエルサルバドルのビットコイン関連プロジェクトを管理する国家ビットコイン事務局(ONBTC)のディレクターであるステイシー・ハーバート氏の発言によって明らかになったもので、ステイシー・ハーバート氏はビットコイン法成立4周年を記念してエルサルバドル国立図書館で開かれたイベントで「年末までに初のビットコイン銀行が誕生する見込みだ」と語ったと伝えられています。
年末までに最初のビットコイン銀行が誕生する見込みです。ONBTCでの3年間で最も多かった不満は『現行の銀行制度』でした。今、私たちは銀行システムを完全に変革しようとしています。
– ステイシー・ハーバート氏(ONBTCディレクター)
ビットコイン銀行の主なサービス・伝統的銀行との違い
ビットコイン銀行は暗号資産関連の様々なサービスを提供する新しいタイプの銀行であり、従来の銀行が提供する預金・融資・送金などに加えて、ブロックチェーンを活用したサービスを組み込んでいる点を特徴としています。
【ビットコイン銀行の主なサービス】
- ビットコインやトークン化された米ドルの預金受け入れ
- 暗号資産を担保とした融資の提供
- 顧客向けデジタルウォレットの管理
- 投資用トークンの発行
- カストディ(資産保管)および運用サービス
【伝統的な銀行との違い】
- 洗練された投資家の身が利用可能
- 一般市民向けの預金や消費者ローンは提供されない
- 預金保証基金(FGD)の対象外
- 完全オンライン運営(24時間365日取引可能)
- 国際的な資本と連携したリスク分散モデル
つまり、ビットコイン銀行は「誰でも使える銀行」ではなく、まずは「機関投資家や大口投資家が利用できる仕組み」として立ち上げられる予定です。これは規制上の投資家保護を優先する設計であり、将来的に一般利用が可能になるかどうかは、今後の制度設計や市場環境に左右されると見られています。
投資銀行法は、投資銀行が洗練された投資家を対象に暗号資産関連サービスを提供できるようにするためのものであり、従来の銀行を置き換えるのではなく「洗練された投資家を呼び込むための並行的な仕組み」として位置付けられています。
これによって、用件を満たした投資銀行はビットコインやその他の暗号資産を使った預金・融資・カストディサービスなどを提供できるようになるため、「金融サービスの多様化・外国資本の誘致・金融イノベーションの地域ハブとしての確立」などにつながると期待されています。
ビットコイン銀行の意義と今後の展望
エルサルバドルは2021年に世界で初めてビットコインを法定通貨として採用しましたが、既存の銀行システムでは暗号資産を活用した金融サービスが十分に提供されていませんでした。そのため、今回の「ビットコイン銀行」は従来の銀行では扱えなかったサービスを合法的に展開するための大きな一歩となる可能性があります。
ただし、現段階では利用者層が限定されるため、国民全体に直接的な恩恵が広がるまでには時間がかかると見られています。それでも、ビットコインを基盤にした本格的な銀行システムが誕生するという事実は、エルサルバドルの金融実験を次の段階へ進めるものであり、国際的にも注目が集まっています。
2025年末にビットコイン銀行が実現すれば、ビットコイン国家エルサルバドルにとって新たなマイルストーンとなり、世界の暗号資産金融におけるモデルケースになる可能性があると注目されています。
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source:elsalvador.com
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