2026年9月時点で、イーサリアム(ETH)は発行済み供給の約35%にあたる4,300万ETH超がステーキングに預けられ、その規模がプルーフ・オブ・ステーク(PoS)ネットワークの安全性を支えています。
ETHのステーキングとは、ETHを一定期間預けてブロックチェーンの維持に協力し、その対価として報酬を受け取る仕組みを指します。
2022年9月の統合(The Merge)でイーサリアムがPoSへ移行し、2025年5月のPectraアップグレードで1バリデータあたりの上限が引き上げられるなど、ステーキングの設計は更新が続いています。
自分でノードを動かすソロステーキングには32ETHが必要ですが、取引所のサービスなら少額から始められ、想定年率は2026年9月時点で概ね2〜3%が目安になります。
この記事では、ETHステーキングの始め方、利率の最新目安、主要な国内取引所の違い、そして始める前に確認したい注意点まで整理します。
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イーサリアムのステーキングとは?
イーサリアム(ETH)のステーキングとは、Ethereumのネイティブ通貨であるETHを一定期間ステーク(保有)し、ブロックチェーンネットワークのセキュリティに貢献することで報酬を得られる仕組みです。これは、イーサリアムのコンセンサスメカニズムであるプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を成り立たせる中核の要素になります。
ステーキングの仕組みはさまざまなブロックチェーンで採用されており、方式はチェーンごとに異なります。イーサリアムの場合、バリデータソフトウェアを有効化するために「32ETH」をデポジットするとステーキングに参加でき、この32ETHがソロ参加の最低要件になります。
バリデータとは、ブロックチェーンに記録されるデータが正しいかを検証するノードであり、データの保存・トランザクション処理・新規ブロックの追加といった責任を負います。ステーキングに参加する人には、イーサリアムの安全性維持に貢献した対価としてステーキング報酬が支払われ、この報酬設計がネットワークのセキュリティと分散化を促しています。
イーサリアム公式サイトによると(Ethereum.org(ステーキング)・2026年9月時点)、2023年4月のアップグレード以降は預けたETHと報酬をいつでも引き出せるようになっています。さらに2025年5月のPectraアップグレードで、1バリデータあたりの実効残高の上限が32ETHから2,048ETHへ引き上げられ、複数バリデータの統合や報酬の自動再ステークが可能になりました。ただし新規にソロ参加する際の最低要件が32ETHである点は変わっていません。
ステーキングに参加すると、ユーザーはパッシブインカムを得る機会を持てるだけでなく、ブロックチェーンの分散性とエネルギー効率の向上にも寄与できます。この点が、ETHステーキングが個人投資家から機関投資家まで幅広く利用される理由になっています。
ETHのステーキング方法
イーサリアム(ETH)のステーキングには、主に4つの方法があります。それぞれ必要な資金・技術・リスクが異なるため、自身の状況に合わせて選べます。
- ソロステーキング:自身でバリデータノードを運用し、32ETH以上をステーキングする方法
- ステーキング・アズ・ア・サービス:32ETH以上を用意し、ノード運用を第三者に委託する方法
- ステーキングプール:少額のETHでも参加できる、複数の参加者で行う方法
- 暗号資産取引所のステーキングサービス:取引所が提供するサービスを利用する方法
ソロステーキングは最も高い報酬を狙える一方で技術的な知識と資金力が要り、取引所のサービスは初心者でも参加しやすい反面、手数料の分だけ報酬率がやや低くなる傾向があります。選ぶ際は、自身の技術力・資金力・リスク許容度を照らし合わせるのが実務的です。
ソロステーキング
ソロステーキングは、インターネットに接続したイーサリアムノードを自分で用意し、32ETHを預け入れて報酬を得る方法です。この方式は最も分散化された選択肢であり、24時間365日稼働する専用のコンピュータが前提になります。各方法の最新仕様や手順はイーサリアム公式サイトで公開されています。
最大の利点は、中間マージンを取られずにプロトコルから直接報酬を受け取れる点です。ネットワークのバリデータ報酬は2026年9月時点で年率2.5%前後ですが、ソロステーキングではMEV報酬を含めて3%前後まで伸びる場合もあります。第三者を信頼する必要がなく、秘密鍵・引出し鍵を自分で管理できる点も特長になります。
一方で、環境構築から障害対応まで自己完結が求められるため、イーサリアムや暗号資産に関する専門知識と資金力が要ります。近年はステーキングを簡素化するツールが増え、技術的なハードルは徐々に下がっています。
【メリット】
- 中間マージンを取られずプロトコルから直接報酬を獲得できる
- クライアントとハードウェアを自由に選べる
- 秘密鍵・引出し鍵を自分で管理できる
- 第三者のサービスを信頼する必要がない
- イーサリアムの分散化に最大限貢献できる
【デメリット】
- 最低でも32ETHを用意する必要がある
- 24時間365日接続の専用コンピュータが要る
- 自分でバリデータノードをセットアップする必要がある
- ノードを適切に運用する専門知識が要る
- 技術的な問題が起きた際は自己解決が求められる
ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS)
ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS)は、一定の手数料を支払い、バリデータの運用を専門のサードパーティに委任する方法です。この場合もイーサリアムのプロトコルに従って最低32ETHを用意しますが、ノードのセットアップやバリデータの管理といった技術作業は不要になります。
SaaSの大きな利点は、秘密鍵と引出し鍵を自分で管理できる点にあり、資産の管理権を自分で保持したまま運用の手間だけを外部へ委ねられます。ただしサービス利用料が発生する分、ソロステーキングと比べると純利益はやや小さくなるため、プロバイダーの信頼性・実績・セキュリティ対策を事前に確認したうえで選ぶ形が基本になります。
【メリット】
- 比較的簡単にステーキングを始められる
- ノードのセットアップが不要
- バリデータの運用・管理が不要
- 秘密鍵・引出し鍵を自分で管理できる
- イーサリアムの分散化に貢献できる
【デメリット】
- 最低でも32ETHを用意する必要がある
- 手数料がかかる
- 信頼できるサービスプロバイダーを選ぶ必要がある
- プロバイダーの運用状況に依存する
ステーキングプール
ステーキングプールは、少額のETH保有者でも参加できる比較的手軽な方法です。ソロステーキングやSaaSは「最低32ETH」が要件ですが、ステーキングプールは複数の参加者で協力して32ETHを集める仕組みのため、少額からでも参加できます。
Liquid Staking(流動性ステーキング)と呼ばれる代表的なサービスを使うと、預けたETHの代わりに自由に移動できる代替資産を受け取れます。ステーキング報酬を得ながら、その代替資産をDeFi(分散型金融)やレイヤー2(L2)で運用できるため、資金を寝かせる機会損失を抑えられる点が特徴です。代表的なプールにはLido(stETHを発行)やRocket Pool(rETHを発行)があり、MetaMask(メタマスク)などのウォレットから直接アクセスできます。
一方で、ステーキングプールは第三者が構築するソリューションであり、秘密鍵はスマートコントラクトや運営者が管理します。ハッキングやコントラクトの不具合で資産が流出するリスクがあるほか、リキッドステーキングは手数料控除後の実質年率が2026年9月時点で約2%台とネットワーク平均をやや下回る点も踏まえる形になります。
【メリット】
- 任意の金額でステーキングできる
- 比較的簡単にステーキングを開始できる
- 流動性ステーキングで効率的な資産運用が可能
- ノードのセットアップが不要
- バリデータの運用・管理が不要
【デメリット】
- 第三者のサービス提供者を信頼する必要がある
- 代替資産はETHと比べ流動性が低い場合がある
- 代替資産の価格が下落するリスクがある
- 手数料控除後の実質年率がやや低くなる
暗号資産取引所のステーキングサービス
暗号資産取引所のステーキングサービスは、一部の中央集権型取引所が提供するETHステーキングを利用する方法です。取引所のアカウントでETHを保有しているだけで報酬を受け取れるため、参加のハードルが最も低い選択肢になります。
日本国内では「SBI VCトレード」や「ビットポイント」がETHステーキングを提供しています。いずれも特別な申込や手続きなしで、平均保有数量に応じて毎月報酬を受け取れる設計です。技術的な知識や大量のETHを持たない初心者にとって、現実的な入り口になります。
【メリット】
- 初心者でも簡単にETHステーキングに参加できる
- ETHを保有するだけで自動的に報酬を受け取れる(取引所による)
- 少額のETHでも報酬を獲得できる
- ノード運用などの専門知識が不要
- 好きな時にそのまま取引所でETHを売却できる
【デメリット】
- 取引所側から手数料が徴収されるため報酬がやや少ない
- 利用する取引所を信頼する必要がある
- ETHネットワークの中央集権化につながる可能性がある
- 取引所のセキュリティリスクを伴う
国内取引所のETHステーキング比較(2026年9月時点)
国内取引所のETHステーキングは、想定年率・報酬の分配率・受取方法に違いがあります。2026年9月時点の公式情報をもとに、主要2社を比較します。
| 取引所 | ETH想定年率(2026年9月時点) | 報酬分配率 | 受取・付与 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| SBI VCトレード(VCTRADE) | 約2.3%(直近1か月の当社実績値) | ステーキング実績の75% | ETHで受取・翌月15日までに付与/暗号資産受取は申込不要 | ETHのほかSOL・ADA・DOT・HBAR・AVAXなど多数の銘柄に対応 |
| BITPOINT | 約2.7%(2026年5月時点の実績) | 2026年6月付与分から75%へ変更 | 受取設定は自動ON | SBI VCトレードへ統合中。新規口座開設は2026年7月31日で終了し、口座・資産は2026年12月末ごろVCTRADE(SBI VCトレード)へ移管予定 |
出典:SBI VCトレード公式(ステーキング)およびBITPOINTサービス移管の特設サイト(いずれも2026年9月時点)。記載の年率は実績値のため今後変動します。
両社は2026年4月1日付で合併しており、BITPOINTの口座・資産は2026年12月末ごろを目途にVCTRADEへ移管される予定です。2026年9月時点でBITPOINTの新規口座開設はすでに受付を終了しているため、これから始める場合はSBI VCトレード(VCTRADE)が現実的な選択肢になります。
初心者に最適なETHステーキング方法は?
ETHステーキングの方法は複数ありますが、「ソロステーキング・SaaS・ステーキングプール」はいずれもある程度の知識を要します。暗号資産に不慣れな場合は、暗号資産取引所のステーキングサービスから始めるのが実務的です。
取引所のサービスなら「口座開設・日本円入金・ETH購入」という3ステップでステーキングを始められ、ウォレット操作に不安がある場合でも扱いやすい設計になっています。2026年9月時点で新規に始めるなら、合併後もETHステーキングを継続提供しているSBI VCトレード(VCTRADE)が入り口として使いやすい取引所です。
例えばSBI VCトレードでは、購入したETHに加えて外部から入庫したETHでもステーキングでき、想定年率は約2.3%(直近1か月の当社実績値・2026年9月時点)、報酬はステーキング実績の75%がETHで翌月15日までに付与されます。ETHを保有しているだけで報酬が積み上がるため、まずは取引所で運用しつつ、慣れてきた段階でリキッドステーキングなどより分散化された方法に広げる進め方が無理のない流れになります。
ただし取引所サービスでも、ETHの価格変動リスクや取引所自体のセキュリティリスクは残ります。運用額や受取設定を自分の方針に合わせて調整する形で始めるのが安全側の選び方になります。
よくある質問(FAQ)
ETHステーキングに関してよくある疑問をQ&A形式でまとめます。
イーサリアムのステーキング年利は何%ですか?
2026年9月時点では、ネットワーク全体の年率が約2.5%前後で推移しています。ソロステーキングはMEV報酬を含めて3%前後、国内取引所経由では手数料控除後で約2〜2.5%が目安です。利率は預入量やネットワーク状況で変動するため、最新値はSBI VCトレードやBITPOINTなど各社の公式サイトで確認できます。
32ETH未満でもETHステーキングできますか?
はい、可能です。ソロステーキングやSaaSは32ETH以上が要件ですが、ステーキングプール(Lido・Rocket Pool等)や国内取引所のサービスなら少額から参加できます。SBI VCトレードでは、保有するETHに応じて報酬が自動付与されるため、1ETH未満でも運用できます。
MetaMaskを使ってETHをステーキングする方法は?
MetaMaskを使う場合は、LidoやRocket PoolのリキッドステーキングサービスにMetaMaskを接続し、ETHを預ける方法が一般的です。預けたETHと引き換えにstETH(Lido)やrETH(Rocket Pool)が発行され、報酬を受け取りながらDeFiでの運用も続けられます。日本語サポートが充実した国内取引所経由の方が、初めての場合は扱いやすい入り口になります。
リキッドステーキング(stETH)はL2でも使えますか?
はい、使えます。stETHなどのリキッドステーキングトークンはレイヤー2(L2)(Arbitrum・Optimism等)でも活用でき、ガス代の安さを活かしてDeFiプロトコルへ預けたり担保にしたりする運用が可能です。ただしブリッジ操作やスマートコントラクトのリスクを伴うため、経験者向けの手法になります。
ETHステーキングの税金はどうなりますか?
2026年9月時点では、ステーキングで得たETH報酬は受け取った時点の時価で雑所得となり、給与など他の所得と合算した総合課税の対象です。年間20万円を超える雑所得があれば確定申告が求められます。なお2026年3月に成立した改正により、暗号資産の譲渡益は申告分離課税(一律20.315%)へ移行しますが、適用は2028年1月以降の取引分の見通しで、ステーキング報酬など各種所得の扱いは制度整備の中で明確化が進む段階です。
ステーキングとレンディング、ETH保有者にはどちらが向いていますか?
ETHはPoS対応通貨のためステーキングが可能で、ネットワーク貢献の報酬として2026年9月時点で年率2〜3%前後が得られます。レンディング(貸暗号資産)は取引所によって年率が高い場合もありますが、取引所への貸出リスクを伴う点が違いです。長期保有とネットワーク支援を重視するならステーキング、利率を優先するならレンディングという使い分けになります。
まとめ
イーサリアム(ETH)のステーキングは、ソロステーキング・SaaS・ステーキングプール・取引所サービスの4種類があり、自身の技術力や資金力に合わせて選べます。2026年9月時点のネットワーク年率は約2.5%前後で、2025年5月のPectraアップグレードにより1バリデータの上限が2,048ETHへ引き上げられるなど、設計の更新も続いています。
初心者には、合併後もETHステーキングを提供するSBI VCトレード(VCTRADE)などの国内取引所サービスが手軽な入り口になります。慣れてきた段階でLidoなどのリキッドステーキングや、stETHをL2上で運用する高度な方法へ広げる進め方が無理のない流れです。より広い視点では、ビットコインなど他通貨を含む仮想通貨ステーキング完全ガイドが各通貨の利率や仕組みを一覧化しています。
イーサリアム関連の注目記事はこちら
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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