メタプラネットのビットコイン戦略が第2フェーズへ|ネット銀行などの買収計画=報道

メタプラネットのビットコイン戦略が第2フェーズへ|ネット銀行などの買収計画=報道(Metaplanet's Bitcoin strategy enters second phase with online bank acquisition plans: report)
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ビットコイン活用で事業買収計画

2025年7月8日、東証スタンダード市場に上場する株式会社メタプラネットは、同社のビットコイン(BTC)戦略が「第2フェーズ」に移行したことを明らかにしました。

フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、サイモン・ゲロヴィッチCEOは、第2フェーズで自社保有のビットコインを担保として活用し、収益性の高い事業の買収に充てる方針を示しています。

将来的な買収対象には日本国内のデジタルバンク(ネット銀行)も含まれており、同氏は「現在の小売銀行サービスを上回る優れたデジタルバンキングサービス」を提供できる企業の獲得を検討しているとしています。

また、ゲロヴィッチCEOは現在の状況を「ビットコインのゴールドラッシュ」に例え、他社に後れを取らないよう、可能な限り多くのビットコインを早期に蓄積する必要があると強調しました。

第1フェーズ:ビットコイン大量保有戦略

メタプラネット社は2024年4月、日本企業として初めて「ビットコイン・スタンダード」の採用を宣言し、財務資産の主軸を現金からビットコインへと転換する戦略を打ち出しました。

21ミリオン計画の始動と保有拡大

同社は2025年1月に「2025年‐2026年ビットコイン計画(21ミリオン計画)」を発表し、2026年末までに21,000 BTCの保有を目指す方針を掲げました。その後、6月までに8,888 BTCを取得しています。

この保有量はエルサルバドル政府の保有量を超えており、メタプラネットはアジアにおける最大規模のBTC保有企業とされています。

「555ミリオン計画」目標を大幅に上方修正

その後、同社は戦略の規模を拡大し、2025年6月には新たに「555ミリオン計画」を発表しました。

この計画では、2027年末までに累計210,000 BTCの保有を目指すとし、5億5,500万株の新株予約権を通じて約7,674億円の資金調達を進めています。

これにより、世界有数のビットコイン・トレジャリー企業への成長を掲げ、長期的なBTC保有を通じた企業価値向上を戦略の柱として位置付けました。

メタプラネットは、低金利や円安に対するヘッジとしてもビットコインを位置付けており、価格変動による売却は行わず、長期保有を継続する方針を明確にしています。

第2フェーズ:ビットコイン担保の事業買収計画

メタプラネットは現在、この蓄積したビットコイン資産を活用する「第2フェーズ」へと戦略を進めています。

企業買収のターゲットと狙い

第2フェーズにおいては、ビットコインを国債や証券のように担保資産として活用し、調達資金で収益性の高い事業を買収する戦略であると説明されています。

具体的なターゲットとしては、メタプラネットのビジネス戦略と親和性の高い企業が想定されており、その一例として日本国内のデジタルバンク(ネット銀行)の買収が挙げられています。

ゲロヴィッチCEOは「もしデジタル銀行を傘下に収めれば現状の小売銀行サービスを上回る優れたデジタルバンキングサービスを提供できるだろう」と述べており、銀行業にビットコインを融合させた新たな金融サービス展開に意欲を見せました。

BTC担保と優先株による資金調達

ただし、ビットコインを担保とした大規模な資金調達手法は、現在の伝統的な金融業界では依然として稀なケースとされています。

他社の例としては、2025年4月に英スタンダードチャータード銀行が暗号資産取引所OKXと協業し、一部機関投資家向けに暗号資産やトークン化マネー市場ファンドを担保に資金を貸し出すパイロットプログラムを開始したケースがあります。

こうした取り組みを通じて、メタプラネットは新たな金融モデルの潮流を自社の成長戦略に積極的に取り込む意図があるとみられています。

ゲロヴィッチCEOは、第2フェーズの資金調達について「3~4年後に返済期限を迎え、株価に連動して償還額が変動する転換社債には頼りたくない」と述べ、代替手段として優先株の発行など株主資本を活用した調達方法を検討していると明らかにしています。

メタプラネットによる第2フェーズ計画は、仮想通貨を基盤とした企業財務と、従来の金融・事業運営との融合を目指す取り組みであり、極めて先進的な挑戦として国内外の金融業界関係者の関心を集めています。

メタプラネット、BTC活用構想で時価総額1兆円規模に

メタプラネットは直近でもビットコインの追加取得を進めており、その蓄積ペースを加速させています。

2025年7月7日、同社は約2億4,000万ドル(約348億円)相当のBTC 2,205枚を追加取得したと発表しました。これにより、同社の総保有量は15,555 BTCに到達しました。

保有ビットコインの評価額は約17億ドル(約2,258億円)に達しており、企業のBTC保有量としては世界第5位規模となっています。

こうしたビットコイン備蓄と将来的な活用構想が評価され、メタプラネットの株価は年初来で300%以上上昇し、時価総額も1兆円に達しました。

ビットコインという新たなリソースを軸にしたメタプラネットの挑戦は、金融業界や仮想通貨業界で今後さらなる注目を集めるとみられます。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.15 円)

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Source:フィナンシャル・タイムズ報道
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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